アモルフィス
AMORPHIS
アンダー・ザ・レッド・クラウド
UNDER THE RED CLOUD
フィンランドが生んだ叙情派デス・メタル/メランコリック・メタルの雄AMORPHISが、2013年の「CIRCLE」以来2年振り/通算12作目「UNDER THR RED CLOUD」をリリースする。
■祖国の芸術家によるオリジナル・ストーリー
ここ数作同様、本作でも祖国の芸術家ペッカ・カイヌライネンが作ったオリジナル・ストーリーを基に、ペッカ自身がフィンランドで歌詞を書き、それを英訳したものをトミ・ヨーツセン(vo)が歌うという手法をとっている。ただ、本作では、アルバム通してのストーリーは存在せず、曲毎に違ったストーリーを持っている。これらストーリーがもっとも伝えたかったことは、「今、人間はすごく危険な状態の中で生きている」ということ。ペッカは、近い将来良くないことが起きると思っており、タイトルにもあるRed Cloud(赤い雲)は近く何か危険なことか、とても悪いことが起きることを表している。
さらにペッカは今回作詞するにあたり、ネイティヴ・アメリカンのスー族の戦士レッド・クラウド(1822-1909)について書かれた本『THE HEART OF EVERYTHING THAT IS』に強くインスピレーションを得ている。自然に対する考え方や、自然が神というような教えを持つフィンランド人は、ネイティヴ・アメリカンとの共通点が多いとペッカは思っているのである。
■初起用のプロデューサー&デザイナー
本作のプロデュースは、OPETH、ARCH ENEMY、AT THE GATES、DRAGONFORCEなどの作品を手掛け、現代のメタル・シーンでもっとも信頼あるプロデューサー、イェンス・ボグレン。AMORPHISとは初めての作業となる。ドラム以外すべてのパートのレコーディングは、スウェーデンはエーレブルーにある、イェンスのFascination Street Studiosにて行われた。
過去の作品との違いを尋ねられたトミ・ヨーツセン(vo)は、こう語る。
「最大の違いは、イェンスがいたことだと思う。もちろんサウンドも違う。イェンスのスタジオ・ワークは音に空気を入れる感じで、ヘヴィ・メタルの音に適している。このアルバムはグロウルが多いから、例えば『CIRCLE』と比べると、ヴォーカルだけ取っても、よりヘヴィになっている。テンポももっと速い」
また、印象的なアートワークは、こちらも初起用となるフランス人デザイナー、ヴァルノワール・モルタソンジュが担当。ORPHANED LANDやPARADISE LOSTらの作品や、BEHEMOTHのマーチャンダイズに描かれた絵柄、さらには『LOUD PARK 15』のポスターのデザインでもその才能を発揮している。
アートワークに関して、ヨーツセンはこう述べている。
「四季だったり、4つの方向だったり、4つのエレメント(要素)を表したかった。4つの像があり、それぞれがエレメントを表し、中央には輪になった蛇がいる。この2匹の蛇はお互いを食べているのか、抱き合っているのか分からず、ジレンマを感じているんだ」
■多彩なゲスト・ミュージシャンと本物のオーケストレーション
“Death Of A King”では、元OPETH/現SOENのドラマー、マーティン・ロペスがパーカッションを演奏。同曲や“The Four Wise Ones”などでは、ELUVEITIEのクリゲル・グランツマンが、フルートとホイッスルで参加。さらに、本作ではイェンスのアイディアで、本物のオーケストレーションやストリングスを導入し、これまでと違ったアプローチを試みている。