宝塚卒業生<伝説の歌声>(Disc1 戦前篇)

宝塚卒業生<伝説の歌声>(Disc1 戦前篇)

2014.04.02
アルバム / VICL-64148~9
¥4,180(税込)
Victor

日本のポップス&エンタテインメントの歴史
時代の先端を行く新しい音楽のゆりかご「宝塚」を巣立った
百花繚乱のエトワールたちによる洗練された歌の数々・・・

Disc1 戦前篇 / Disc2 戦後篇

#1-CD

  1. 01

    庭の千草 / 葦原 邦子

  2. 02

    さようなら / 葦原 邦子

  3. 03

    忘れじの歌(アニー・ローリー) / 葦原 邦子

  4. 04

    思い出 / 葦原 邦子

  5. 05

    落葉の丘に / 葦原 邦子

  6. 06

    三人仲よく / 小夜 福子/岸井 明/灰田 勝彦

  7. 07

    君と別れて / 一色 皓一郎/池 マリ子

  8. 08

    千代の歌 / 月丘 夢路

  9. 09

    また逢う日まで / 糸井 しだれ(宝塚少女歌劇団)

  10. 10

    去りゆく君 / 糸井 しだれ(宝塚少女歌劇団)

  11. 11

    オランダ娘 / 星影 美砂子(宝塚少女歌劇団)

  12. 12

    銃後女学生の歌 / 銀 鈴音/香久美 ひかる

  13. 13

    三匹猿 / 星影 美砂子/花村 由利子/南 朝緒

  14. 14

    太平洋行進曲(水産日本) / 宝塚音楽歌劇学校 花組生徒

  15. 15

    太平洋行進曲(輝く海軍) / 宝塚音楽歌劇学校・花組生徒

  16. 16

    チェリー・ブロッサム(一) / 小夜福子と渡米親善使節団/(帰朝挨拶)小夜福子、(唄)宮島あさ子

  17. 17

    チェリー・ブロッサム(二) / 小夜福子と渡米親善使節団/(独唱・琴)草笛美子

  18. 18

    チェリー・ブロッサム(三) / 小夜福子と渡米親善使節団/(唄)三浦時子

  19. 19

    チェリー・ブロッサム(四) / 小夜福子と渡米親善使節団/(唄)雁音路子

  20. 20

    チェリー・ブロッサム(五) / 小夜福子と渡米親善使節団/(唄)三浦時子

  21. 21

    チェリー・ブロッサム(六) / 小夜福子と渡米親善使節団/(唄)三浦時子

#2-CD

  1. 01

    処女峰 / 乙羽 信子

  2. 02

    嫁ぎ行く日のタンゴ / 乙羽 信子

  3. 03

    雨のコスモス / 乙羽 信子

  4. 04

    女という城 / 乙羽 信子

  5. 05

    たそがれのワルツ / 乙羽 信子

  6. 06

    大江戸風流娘 / 月丘 夢路

  7. 07

    ブンガワン・ソロ / 久慈 あさみ

  8. 08

    女豹の地図 / 久慈 あさみ

  9. 09

    霧の港のリル / 久慈 あさみ

  10. 10

    霧降る街角 / 久慈 あさみ

  11. 11

    午前零時の鐘は鳴る / 久慈 あさみ

  12. 12

    女ひとりのブルース / 轟 夕起子

  13. 13

    青いセーター / 轟 夕起子

  14. 14

    君を呼ぶシャンソン / 轟 夕起子

  15. 15

    恋のダリヤ / 服部 富子

  16. 16

    霧のサンフランシスコ / 服部 富子

  17. 17

    雨のわすれなぐさ / 服部 富子/大野 一子/生田 恵子

  18. 18

    黒いドレスの女 / 服部 富子

  19. 19

    青いリボン白いリボン / 淡島 千景

  20. 20

    東京ティティナ / 生田 恵子

  21. 21

    白樺の雨 / 宝 とも子

  22. 22

    君慕うワルツ / 宝 とも子

  23. 23

    巴里の風船売り / 宝 とも子

百年の歴史の中に忘れてはならないスターたち貢献者の歌声
・・・植田紳爾(演出家)

シャンソン、タンゴ、アメリカンポップス…激動の時代に最先端の音楽を吸収し続けた宝塚出身歌手によるヒット曲を中心に、1939年、伝説の米国公演からの帰朝録音等、大変貴重な音源も多数収録したCD2枚組。
*同時リリース:宝塚卒業生<魅惑の歌声>(発売:ユニバーサルミュージック)



当時最先端の流行を伝えた宝塚出身エトワールたちによる伝説の歌声

高橋正人

 「ニッポン・モダンタイムス・シリーズ」のタイトルで、日本における昭和時代のポピュラーミュージックの歴史を辿るアルバムを3年に渡って制作してきたが、これまで宝塚歌劇団で上演された演目、主題歌、そして宝塚歌劇団出身のエトワールの活躍が、ポピュラーミュージックの発展のシーンにいかに大きな貢献を果たしたかを顕彰したいと思っていた。おりしも2014年、宝塚歌劇団が誕生して100周年を迎えるにあたって、世に送ることができたことは大きな喜びだ。

 大正時代、日本の古い昔ばなしを演目にして上演してきた宝塚少女歌劇が、洋行帰りの岸田辰弥作の大作レビュー「モン・パリ」を上演したのが1927年9月のことだった。大変な評判で翌月も続演、翌年の3月には東京の歌舞伎座でも公演、このレビューの主題歌は音盤になる以前に早くも流行していたという。この1928年には欧米資本のビクターとコロムビアが日本でも電気録音を開始、本格的なレコード生産の時代に入った。
 ビクターでは宝塚少女歌劇団月組による「ハレムの宮殿」をこの年の11月に発売。翌年には花組が日本コロムビアで「モン巴里」を録音。これが10万枚という当時空前のヒットを記録した。宝塚少女歌劇の名が全国に知れ渡るきっかけとなった作品である。1930年にはフランスから帰ったばかりの白井鉄造が当時のヨーロッパのヒットチューンをふんだんにちりばめたレビュー「パリゼット」を上演。「すみれの花さくころ」「ラモーナ」「奥様お手をどうぞ」「朝日の如くさわやかに」「ディガディガドゥ」「コンスタンチノープル(TAKARAZUKA)」などは洋楽カバーの先駆けともなっている。ちなみにまだシャンソンという言葉はこの時代には使われていない。その後も「おおコルシカよ愛の島」(心のふるさと),「インディアンラブコール」「おおドンナクララ」「花売り娘」「モンパパ」、ポールミスラキの「桃の花咲く頃」「あたいはパリっ子」「シング・シング・シング」「Bei Mir Bist du Shoen」「ペニーセレナード」「夜のバイオリン」「虹の彼方に」「ビギン・ザ・ビギン」と1930年代に生まれた名曲スタンダードのカバーが続々生まれ出ている。
 宝塚のレビューはまるで巨大な胃袋のように、シャンソン、コンチネンタルタンゴ、カンツォーネ、ジャズ、アメリカンポップス、当時の最先端の音楽を消化してアレンジしてみせることに見事に成功したのだ。戦前の日本に、洗練された欧州の文化、芸術を伝え、モダニズムの息吹を与えたのは、東和映画の作品と、まさにこれら宝塚のレビュー、そして一連の主題歌であった。そしてこの時期に生まれた宝塚レビューの伝統は100年を迎えた現在も生き続け、進化し、私達を楽しませてくれる。

 このアルバムは、宝塚の栄光の歴史を彩った伝説のスター達による卒業後の歌声を中心に編成されている。年配の方には、その名を聞くだけで限りないノスタルジーを、若き宝塚ファンには、いにしえのエトワールの魅力を感じていただけるだろう。いずれも素晴らしいエンターティナーである。
 彼女達を育てた宝塚歌劇団の日本におけるショービジネス界への功績に思いを馳せ、エトワールの方々のみならず、今まで支えて来られた大勢のスタッフの方々にあらためてブラボーの拍手を送りたい。また日米開戦直前のアメリカ公演、さらに軍国レビューの録音など、宝塚の苦難の時代を振り返る、歴史的にきわめて貴重な音源も復刻したのは、戦禍に斃れた多くの宝塚関係者への心からの供華である。

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