マーカス・ミラー/MARCUS MILLER
MARCUS MILLER
フリー(通常盤)
FREE
9:日本盤ボーナス・トラック
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■コンテンポラリー・ジャズ/ブラック・ミュージック界のカリスマ・プロデューサー/ベーシスト、マーカス・ミラーの2年ぶりの最新作。
■約2年間のツアーを共にしたミュージシャンらとのバンドサウンドを基調に様々なゲストを迎えた話題作昨年のデビュー・アルバムが全英アルバム・チャート、初登場1位に輝いたコリーヌ・ベイリー・レイが歌ったデニース・ウィリアムスの76年のヒット曲「フリー」の他、ハーモニカのグレゴリー・マレットをフィーチャーした70年代復帰後のマイルス・バンドの人気レパートリーだった「ジャン・ピエール」。デイヴッド・サンボーンとチェスター・トンプソンをフィーチャーし全編スラッピングで挑んだタワー・オブ・パワーのヒット曲「ホワット・イズ・ヒップ」などマーカス・ミラーならではのプロデュース・ワークが冴える。
【演奏者】
マーカス・ミラー(b, kbds, b-cl)/ボビー・スパークス (kbds)/キース・アンダーソン (as, ts)/パッチェス・スチュワート (tp)/バーナード・ライト (kbds)/グレゴリー・マレット (hmc)/ポール・ジャクソンJr. (g)/レイラ・ハザウェイ (vo)/プージー・ベル (ds)
【スペシャル・ゲスト】
デイヴィッド・サンボーン (as)/トム・スコット (ts)/チェスター・トンプソン(org)/Keb' Mo'(vo)/コリーヌ・ベイリー・レイ (vo)
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デジタルの最新スペックにして、どこか懐かしく大らかで牧歌的。骨太にして繊細。
このアルバムはそういった相反する要素や圧倒的な迫力、密度持って過去のいかなるベーシストの作品の表現領域を軽く突破することに成功している。
冒頭を飾る「ブラスト」で喚起し、時折顔を出すユーモアに富んだ親しみやすさも手伝って「ベース」という楽器の新種のエモーションをも匂わせる。言語と錯覚するかのような綿密にコンポーズされたフレージングもリスナーの魂を揺さぶり続けるだろう。それはもちろん作品に向けての熱情もさることながら計算されつくしたアレンジとプロデュースの冴えに起因していることは言うまでもないし、全てにおいて現代
最高峰のアーティストであることも証明している。
須永辰緒