PROFILE プロフィール

ニニ・ロッソは、1927年9月19日にイタリアのポー川沿いの地方都市トリノに生まれました。トランペット奏者だった父親の影響で幼い頃からトランペットに親しみ、18歳の時には早くも自分のバンド（ディキシーランド・ジャズを主なレパートリーにしていたそうです）を結成、クラブなどで演奏するほどになっていました。やがて彼の活動範囲はイタリアだけでなく、ドイツ、ベルギー、オランダなどヨーロッパ各国へ広がり、さらにトルコ、インドなどのアジアの国々へ、そしてさらに遠く日本へと紹介されていきました。外国での活動時間が長くなったため、本国イタリアで過ごす時間が少なくなり、本国よりも諸外国での人気と知名度のほうが高くなるという皮肉なことになりましたが、いずれにせよ、ニニ・ロッソの存在は70年代に入る頃には、すでにインターナショナルなものになっていたのです。
　イタリアという国はカンツォーネ、つまり“歌”の国なので、演奏だけで人気者になるのは並大抵のことではあません。そんな中で、ニニ・ロッソが人気を獲得できたのは、（それが外国にくらべて低いとしても）、映画音楽家として日本でも知られるアルマンド・トロバヨーリに負うところが大でした。トロバヨーリは、ロッソの才能と実力に惚れ込み、活動の場を作るべく懸命の努力を続け、その甲斐あってニニ・ロッソというトランペット奏者の存在はイタリア国内でも知られるようになったのでした。
　いったん有名になれば、あとはトントン拍子、このアルバムの中に収められたヒット曲の数々と、体力にものをいわせて（？）の積極的なライヴ活動とで人気者になっていき、王者の地位は不動のものになりました。日本へは1967年を皮切りに毎年のように来日、いつか年末にサンタ・クロース代わりに来日するのが常となり、そのたびに純益金を寄附したり、施設を訪問したり、トランペット教室を開いたり、人々の心を音楽と私生活の両面でなごませてくれていたことは、広く知られるところでしょう。しかし残念ながら1994年10月5日に他界してしまいました。