PROFILE プロフィール

<from L. to R.>
ノルマン・ロンハルド / Norman Lonhard (ds, percussion)
V.サンチューラ / V. Santura (g, vo)
ヴァンヤ・スレー / Vanja Slajh (b)
トム・ゲイブリエル・ウォリアー / Tom Gabriel Warrior (vo, g)


08年5月、前身であるブラック/エクストリーム・メタルの先駆者、HELLHAMMERとCELTIC FROSTから直伝の暗黒世界を更に発展させるべく生み出されたTRIPTYKONは、シンガー兼ギタリストで主たるソングライターでもあるトム・ゲイブリエル・フィッシャー(またの名を、トム・ゲイブリエル・ウォリアー)が率いるCELTIC FROSTのサイド・プロジェクトから進化した。

5年にわたる曲作りとレコーディング・セッションを経て発表されたCELTIC FROSTのアルバム「MONOTHEIST」の好評を受けての世界ツアー125公演を実施。これを経て募りつつあった緊張感が、2007年が終わる頃にはCELTIC FROSTを見事に蝕み始めていた。そんな状況からウォリアーは、CELTIC FROSTの次回作に向けて曲作りやリハーサルを続行することが事実上不可能になったのだが、動かずにいることを忌み嫌う彼は、アルバムを想定して用意していた曲や歌詞を仕上げて録音、演奏するための別プロジェクトを一時的に設けることで自分を納得させた。名前も無いままスタートしたグループの核となったのは、アンダーグラウンドで活躍するベーシストで、以前に仕事で親しくなったヴァンヤ・スレー(スイスのブラック・メタル・プロジェクトFREITODの元メンバー)だった。

サイド・プロジェクトを完成させるべく、2008年の初旬は様々なデス/ドゥーム/ブラック・メタル系のギタリストやドラマーとの話し合いが続いた。一方、CELTIC FROST内の意見の相違は埋めようのないものと判明し、ウォリアーは08年4月2日にグループを脱退。直後の正式声明では「我々のように独創的で突発的でかつ野心的なバンドにとって急務である人間性の一致という土台が被った、復元不可能な著しい浸食」によるものだと説明していたウォリアーだが、後に彼は自身のブログで「俺の脱退がCELTIC FROSTに容赦ない活動停止を強いたのではない。あのグループの容赦ない活動停止が俺の脱退を招いたのだ」としている。

サイド・プロジェクトはもはやCELTIC FROSTの単なる一時的代用ではなく、むしろその子孫となった。ウォリアーはそれをTRIPTYKONと名付けた。ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」(右端の絵はCELTIC FROSTの1987年のアルバム「INTO THE PANDEMONIUM」のジャケットに使われている)、やハンス・メムリングの「最後の審判」に代表される暗黒時代の宗教を題材にした三連画への、いわばオマージュだ。更に言えば、TRIPTYKONという名前はウォリアーがHELLHAMMER、CELTIC FROSTに続いて結成した3つ目の、そして最後のオカルト・エクストリーム・メタル・グループであることも示唆する。彼自身の、まさに三連画の完成というわけだ。

08年の晩春、CELTIC FROSTのライヴでギターを弾いていたV.サンチューラ(ドイツのメタル・グループDARK FORTRESSやプログレッシヴメタル・プロジェクトNONEUCLID)がTRIPTYKONに正式メンバーとして加入。08年の終わりには、TRIPTYKONの初リハーサル・セッションにウォリアーの旧友である元CELTIC FROSTのドラマー、リード・セント・マークの姿があり、ラインナップは出来上がっていた。しかし、この形態は不満を露呈するに至り、ドイツの有名なプログレッシヴ系ドラマー、ノルマン・ロンハルド(FEAR MY THOUGHTS、PIGEON TOE)が後に名を連ねた。そして、ロンドンのProwling Death Records という同グループ自身のレーベル(HELLHAMMERとCELTIC FROSTのホームでもある)など、事実上CELTIC FROSTのインフラをそのまま吸収。

また、100本近いコンサートをヨーロッパ各地、英国、日本、アメリカ、カナダ、アイスランドでこなして絶賛される。有名な『Roadburn Festival』でのキュレーター役とヘッドライナー、『Wacken Open Air』のメインステージでのヘッドライナー、北米でのダブル・ヘッドライン・ツアーなど、特筆すべき成果は多い。TROPTYKONの先見を示し高く評価された最初のビデオ「Shatter」が2010年の秋、同名のEPと共に発表された(日本未発売)。これに合わせて、ウォリアーはロンドンで第8回『Metal Hammer Golden Gods Awards』のインスピレーション部門受賞という栄誉に浴した。

「ESPARISTERA DIAMONES」に続く作品への取り組みは、2012年の終盤、ツアーの終了後に始まった。「MELANA CHASMATA(深く暗い渓谷・憂鬱)」と題されたこのアルバムも、やはりスイスはチューリッヒにあるTRIPTYKONのリハーサル場とサンチューラのWoodshed Studioで録音され、ウォリアーとサンチューラがプロデュースしている。

SHARE

DISCOGRAPHY ディスコグラフィー