「エースをねらえ」「新・エースをねらえ」Blu-ray BOX SPECIALSITE

Blu-ray BOXに封入される40P設定資料の一部をご紹介

制作時の資料がご覧になれる貴重な1冊。
それぞれ50点以上の資料画像を掲載しています。

  • エースをねらえ!
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  • 新・エースをねらえ!
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NEWS

MOVIE

僕は「エースをねらえ!」はアニメから入ったんですよ。最初に観たのが、高校のときの旧「エース」の再放送。やっぱり「エースをねらえ!」は出﨑(統)さんのイメージなんですね。旧「エース」は、まずオープニングが素晴らしかったし、話も演出も面白かったし、止めを多用した絵も凄く綺麗だった。不必要な情報を省略していく画のスタイルも新鮮でした。再放送は夕方なので、学校が終わるとすぐに帰って観ましたね。その後、原作にもかなりのめりこみました。当時も夢中になって読んだし、自分がプロになってから「トップをねらえ!」という作品を始める前に、改めて第1巻から読み直したんですが、涙が止まらなくなって、スタジオでボロボロ泣いていました。やっぱり、好きなんですね。ちなみに生涯初のLDBOX購入は旧「エース」でした。それほど、好きなんですね。あと、あれだけの内容を90分に収めている「劇場版」も最高です。映画として素晴らしいですね。
アニメーション監督等 庵野秀明

イントロダクション

イントロダクション

  • 1970年代に1000万人が夢中になったという名作アニメのBlu-ray BOXの発売が決定しました。今回発売になるのは、「エースをねらえ!(全26話)」「新・エースをねらえ!(全25話)」の2作。HDリマスターが施され、放送当時の美しさがよみがえる、永久保存版です。
    原作は「週刊マーガレット(集英社)」にて1973年~1975年まで連載された、山本鈴美香のスポ根テニス漫画。連載と並行して、1973年にアニメ化され、少年少女を中心に社会現象ともいえる一大テニスブームを巻き起こしました。

  • 主人公、岡ひろみを刺激し、支えとなり、時に追い込む登場人物に捨てキャラなし! 脇を固める人物にも注目です。
    超豪邸に住み、高校生ながら長い縦ロールの金髪をなびかせる”お蝶夫人”こと竜崎麗香。父は日本テニス協会の理事であり、まさにテニスの女王というのにふさわしい人物です。音羽京子は、初心者ながら自分を超えて選抜選手に選ばれたひろみを妬み、徹底的にいじめます。一見冷徹に見えるコーチは、27歳とは思えない風格の宗方 仁。他校の強豪選手ながら、いつしか同志としてひろみを見守り、支えていく緑川蘭子。他にも魅力的なキャラクターが多数登場します。

  • この物語が不朽の名作たる所以は、テニスという競技を超えて描かれる「人間ドラマ」にあるといわれています。
    入部したての初心者ながら、選抜選手に引き抜かれたことでうける周囲からの妬み、他人と自分とを比べては浮かんでくる劣等感。トップ選手、王者ならではの「追われる者」としての焦り、追いかける者の成長への焦り。人間同士の心の動きが衝撃的に、印象的に描かれます。物語が進むにつれ変化する各人物の心理。その心理変化がひろみとの関係にも影響を及ぼします。テニスという競技を通して、生きる上で経験する「厳しさ」「葛藤」「優しさ」を、上記の“出﨑演出”により凝縮し、描かれている点が、この作品が多くの人々に支持される理由と言えるでしょう。

  • 「エースをねらえ!」の演出を担当した出﨑 統監督は、ストーリーの中で「人間」を描いていくことに拘った、アニメーション界の「天才」と言われた人物。主人公だけでなく、脇役のキャラクター、心情までを徹底的に描くことで知られ、それにより、物語の世界観がとてつもない深みを持ち、膨らんでいくのが特徴だと言われています。
    また、人物の心情を、よりあぶりだすために用いた、「画面分割」や「止め絵」、「陰影の強調」など、独特の“出﨑演出”と呼ばれるアニメの表現技法をいくつも生み出し、多くの後進アニメ制作者、映像作家へ影響を与えました。
    「新・エースをねらえ!」のチーフディレクターは「鉄腕アトム」の絵コンテと演出を手がけ、以降、「タイガーマスク」「どろろ」「アパッチ野球軍」「はじめ人間ギャートルズ」「ベルサイユのばら」「Dr.スランプ アラレちゃん」「ドラゴンボール」など、数々のテレビアニメの演出、「ルパン三世 (TV第1シリーズ)」ではコンテを担当した岡崎 稔氏。より原作に忠実にアニメ化され、衝撃のエンディングまでを丁寧に描き、多くのファンを獲得した作品です。

初Blu-ray化について

  • 35mmポジフィルムによるHDテレシネを行った画質で収録。

    出逢いは衝撃的でした。出﨑 統監督による鋭くも美しい少女漫画パワー全開の映像感覚に、ガツンとやられたのです。女子高生の瑞々しくも揺れる感性と想像力が、先鋭的なカッティングで積み重なり、そのまま「画」になっていく。イマジネーション全開、画の美しさがそのまま語りになっているのです、パステル調の淡い背景、眼に影を落としマツゲの質感を強調した少女漫画タッチのキャラ作画、エンディングの川尻喜昭氏によるイラストまで、HDリマスターでインパクトがグッと増し、芸術的な豊かさが接近して感じられました。原版が高密度の35ミリフィルムなので、何の処理もしないとセルの質感や高い彩度がそのまま出過ぎてしまいかねないのですが、今回は高価なポジを焼いてテレシネすることで、当時のスタッフがねらった色調に近づく、そんなこだわりもうれしいです。 氷川竜介
    (アニメ特撮研究家/明治大学大学院客員教授)

  • 今回のブルーレイ化にあたり16mmフィルムのネガスキャンによるHDテレシネを行った画質で収録。

    原作の全貌がある程度見えた後、もう一度最初から物語を始めた「新・エースをねらえ!」は、スタンダードで等身大のつくりが魅力です。チーフディレクターを担当した岡崎 稔氏によれば、主人公たちが横浜の高校へ通っていると想定してロケハンを敢行したり青山学院でテニスの取材をするなど、現在の「聖地巡礼」にも通じる具体性のあるリアリティを重視したと言います。そんな風景や試合描写が身近に感じられるのもうれしいところ。原版はこの時期の主流である16ミリフィルムと小型になりましたが、今回のHDリマスターではあえてネガテレシネを選ぶことで情報量を存分に引き出し、少女ものらしい艶やかな世界観を再現しています。美術監督が小林七郎氏、撮影監督が高橋宏固氏と出崎 統監督作品を支えるスタッフも参加しているので、つながりが見えてくる楽しさがありますね。 氷川竜介
    (アニメ特撮研究家/明治大学大学院客員教授)

  • エースをねらえ!

    あらすじ
    • 第1回 テニス王国のシンデレラ

      テニス王国・県立西高校1年生の岡ひろみは、親友の愛川マキと共に、スタープレイヤーであるお蝶夫人こと竜崎麗香に憧れる新入部員。ところが、新任コーチの宗方 仁は新人のひろみを地区大会の選抜選手のひとりに指名する。すでに定着していた西高選抜メンバーから、思わぬ反感を買ってしまったひろみの波乱のテニス部生活が始まった。

    • 第2回 選手はおまえだ!

      予想外にも地区大会の代表選手に選ばれてしまったひろみは、宗方に抗議したが、聞き入れてもらえない。そんなひろみをコートへ呼び出し、無言でボールを打つお蝶夫人。「しっかり練習しなさい」という彼女の一言によって、ひろみにも初めて選手としての自覚が芽生える。一方、ひろみと入れ替わりで代表から外れてしまった音羽京子は、怒りの矛先をひろみへと向ける……。

    • 第3回 涙の地区予選

      小さな怪我を理由に選手を辞退しようと休部届を出したが受理されず、宗方の特訓を受けるひろみ。そんな中、ひろみのラケットがなくなってしまう。困り果てていると、お蝶夫人が自分のラケットを使うようにと手を差し伸べた。地区大会予選当日、一方的に押されていたひろみは藤堂の励ましの言葉を思い出し、ようやく一球返すことに成功する。だが足が痙攣を起こしてしまい……。

    • 第4回 テニスコートの対決

      足の痙攣で棄権したひろみには選手の資格はなく、自分の方がふさわしいという思いを募らせる音羽京子は、「試合で納得いくまでやらせて欲しい」とひろみとの試合を申し出る。一方、ひろみはお蝶夫人からもらった大事なラケットがロッカーからなくなってしまったことに気付く。途方に暮れるひろみに、藤堂は自分のラケットを差し出した。

    • 第5回 鬼コーチにぶつかれ!

      もらったラケットをなくしてしまったことを詫びるひろみ。先輩たちからは非難の嵐だったが、お蝶夫人はひろみを責めず、逆に騒ぎ立てる音羽京子らを窘める。先輩たちにいい気味だと嘲笑されながらも、宗方による猛特訓を受けるひろみの上達ぶりを、お蝶夫人と藤堂だけは見抜いていた。徐々に腕を上げ、自分に追いついてくるひろみに対し、お蝶夫人は新たな感情を抱く。

    • 第6回 ああ!準決勝の日

      地区大会準決勝。相手のミス連発により勝利をおさめたひろみはマキとともに喜んでいたが、「今日の試合はお前の実力ではない」と宗方に一蹴されてしまう。帰り際、決勝で対決する加賀高の選手と鉢合わせ、お蝶夫人と、ライバルの緑川蘭子――通称・加賀のお蘭との間に火花が散る。帰宅後、自主練に出たひろみは、公園で加賀のお蘭に出くわし、そのスマッシュに衝撃を受ける。

    • 第7回 弾丸サーブのお蘭!

      地区大会決勝で加賀のお蘭と対決することになったひろみ。お蘭のスマッシュを知るひろみは、怖さのあまりその場から逃げ出してしまう。しかし宗方に一喝され、コートに戻るしかなかった。試合は大敗に終わり、その時のトラウマから練習中のコートでも涙を流すひろみに、宗方は「コートでは誰もひとりだ。だからこそ自信をつけるために練習をするのだ」と諭す。

    • 第8回 赤いバラの挑戦

      宗方による特訓中に怪我をし、応急手当のために服を破かれてしまったお蝶夫人。彼女が翌日の部活を休んだことから、宗方への抗議のためにテニス部臨時部会が開かれる。だが議題はいつしか宗方によるひろみ贔屓への批難に集中。藤堂のとりなしでその場はおさまったが、女子部は解散の危機に陥る。そのことによって、ひろみは自分の中に芽生えたテニス愛に気付いたのだった。

    • 第9回 白熱のマッチポイント!

      棄権校が出てしまったことにより、県大会で同校の選手同士が対戦する異例の事態に。そのふたりとは、ひろみとお蝶夫人だった。嫌がるひろみに、加賀のお蘭が「相手が誰であろうとベストを尽くして戦うことが相手に対する礼儀」とハッパをかける。「何事もやってみなければわからない」という宗方の言葉を耳にしたお蝶夫人は、容赦なくひろみのコートにボールを打ち込む。

    • 第10回 涙の退部とどけ

      日本テニス連盟理事であるお蝶夫人の父を訪ねてきた宗方。彼はルールを変えてでもジュニア選抜にひろみを入れたいと願い出た。立ち聞きしてしまったお蝶夫人は、ひろみの成長に焦りを感じ、強い敵対心を抱く。ある雨の日、お蝶夫人から私かテニスかどちらかひとつを選ぶよう迫られたひろみは、退部届を提出。しかし辞めて初めて募るテニスへの想いを抑えることはできなかった。

    • 第11回 恐怖のスピンドライブ!

      テニスを続けることに決めたひろみは、県大会決勝戦に向けて練習を再開。お蝶夫人の目を気にしつつも、テニスができる喜びをかみしめていた。迎えた決勝戦の相手は県下随一のスピンドライブを持つ南星高のキャプテン日向。全力で挑んだひろみは最終セットで体力を使い果たしてしまうが、宗方の檄や猛特訓の苦しさを思い出し、最後の力を振り絞ってついに勝利をおさめる。

    • 第12回 決戦!お蝶対お蘭

      県大会での勝利により、学校中の人気者になったひろみ。続く個人戦決勝はお蝶夫人対加賀のお蘭。お蝶夫人の連続勝利記録を破ろうと意気込むお蘭だったが、白熱する試合運びの中、誤って右手を痛め棄権を余儀なくされる。そんなお蘭が泣きつき、悔しさをぶつけたのは相手校のコーチであるはずの宗方だった。親密なふたりの様子が波紋を呼ぶ……。

    • 第13回 すき!すき!すき!藤堂さん

      優勝祝賀パーティー当日。練習中に音羽京子が腕を押さえて倒れた。テニスを続ければ、日常生活にも支障をきたしかねない程の故障を抱えながらも黙って痛みに耐えていた音羽は、華やかな会の陰で宗方に退部届を提出。ひろみやお蝶夫人がテニス連盟の強化選抜メンバーに選ばれたことが発表された会場の外で、ひとり絶望する。そんな彼女にも聞かせるべく、宗方はスピーチに立つ。

    • 第14回 燃えろ!木枯しの特訓

      ひろみとお蝶夫人がダブルスを組むことになり、特訓が始まった。だがふたりの実力の差は歴然。宗方の「お前をつきはなす用意はいつでもできている」という言葉もひろみに追い打ちをかける。お蝶夫人に迷惑をかけ、大好きなテニスからも見放されそうなことに落ち込むひろみだったが、怪我からまだ復帰できない加賀のお蘭との会話から、自身の甘えやテニスができる喜びに気付く。

    • 第15回 ダブルスコンビ誕生の秘密

      息の合わないひろみを信用できないお蝶夫人は、試しに音羽とダブルスを組ませて欲しいと願い出る。見事なコンビネーションを見せるふたりを目の当たりにし、さらに落ち込むひろみ。そんな彼女を見かねて、男子部の名コンビである藤堂と尾崎は、息が合うようになるきっかけとなった出来事を語って聞かせてくれる。ひろみは仲間のさりげない支えに救われる思いがするのだった。

    • 第16回 恐怖の竜巻サーブ!

      関東ジュニア選手権。息の合ったフォーメーション攻撃と竜巻サーブが武器の最強ダブルスコンビ、昭和高の木原・飯塚との対戦。お蝶夫人はひろみを信用せずひとりで善戦したが、第1セットで相手に狙われ体力を使い果たしたひろみを見かねて、棄権を申し出る。それでもしぶとく根性を見せるひろみを、お蝶夫人はついに「パートナー」と認め、共に戦おうと決意を新たにする。

    • 第17回 うなる!魔のツイストサーブ

      ついに心を通わせたお蝶夫人とひろみだったが、第2セットでも竜巻サーブの集中攻撃がひろみを襲う。お蝶夫人のレシーブによって何とか勝利し、迎えた第3セット。今度は竜巻スマッシュがひろみを狙う。力尽き、倒れこんだひろみに、涙を浮かべながら最後まで戦おうと声をかけるお蝶夫人。これまで見たことがなかったお蝶夫人の涙に、ひろみは闘志を燃やして立ち上がる……!

    • 第18回 黒いスパイを叩け!

      天性の足の速さゆえに、ひろみが今一歩先へ進むことができずにいることを見抜いていた宗方は、「足の速さだけではテニスはできない」と忠告。ひろみは自分に欠けているものを追求するため、マキと夜の自主練習をする。そこへ謎のふたり組が現れ、試合をすることに。翌日、音羽とペアで戦い、彼女のプレーを間近で見ることにより、ひろみは足の速さに頼らないプレーのヒントを得る。

    • 第19回 血ぞめの大逆転

      準決勝の相手である大原高の川村から「一年前のことは忘れない」とお蝶夫人への伝言を頼まれたひろみ。その試合、お蝶夫人のプレーは精彩を欠く。「ライン際やコーナーを狙わないように」という指示に困惑したひろみが、雨で試合が中断した隙に理由を尋ねると、昨年際どいジャッジで負けた川村からの恨みに苛まれているのだという。だがひろみは、お蝶夫人の正しさを主張する。

    • 第20回 朝やけのラリー

      決勝戦に向け、お蝶夫人に少しでも近づくために早朝練習を始めたひろみは、同じく練習中の藤堂に遭遇。彼とのラリーが予想外に続いたことに己の成長を感じ喜ぶものの、藤堂がウォーミングアップ中だったためとわかり、上達への意欲を燃やす。ボールに心を託し、打ち合うことで心が通い合うことに気付かされたひろみは、さらに強く打ち合えるようになりたいと思うようになる。

    • 第21回 あやうし!ダブルス決勝

      決勝戦当日、お蝶夫人が事故に遭い、腕に怪我を負ったと連絡が入る。宗方は棄権を覚悟したが、試合直前に現れたお蝶夫人は出場を願い出る。自分がお蝶夫人をカバーすると決意してコートに立ったひろみ。辛うじて第1セットは取ったものの、疲れがピークに達し、第2セットは奪われてしまう。ラケットを拾う力も残っていないひろみの耳に、藤堂の励ましの声が届き……。

    • 第22回 卒業試合に涙は無用!

      テニス部の卒業生歓送試合。腕の故障でテニスを辞める決意をした音羽は、最後に想いの全てをひろみに託すため、ダブルスを組みたいと言う。事前にひろみの欠点を記したノートを渡した上で、試合中も的確な助言をする音羽だったが、次第に動きが鈍る。試合を中断し、宗方に連れ出された音羽の後を追った先で彼女の想いを初めて知ったひろみは、テニスに打ち込む決意を新たにする。

    • 第23回 打ちこめ!この一球を

      ジュニア選抜メンバー選定合宿が始まり、かつて対戦した強敵が集った。第2次メンバーに選ばれるのは5人。焦るひろみは、宗方に「私のテニスを教えて下さい」と初めて自ら懇願する。その言葉を一年もの間待っていたという宗方の、自分を世界に通用するプレイヤーに育てるという想いの深さを感じたひろみは厳しい練習を始めるが、時を同じくして藤堂に「好きだ」と告白され……。

    • 第24回 コートに舞うラブレター

      メンバー決定の練習試合が始まり、ひろみは強豪相手になんとか勝利をおさめる。だが後半、一度もエースを取れなかったひろみに対して宗方の目は厳しかった。藤堂とひろみの恋を察した宗方は、テニス以外の情熱をコートに持ち込むなと釘を刺す。苦しみながら宗方の言葉に応えるひろみ。藤堂もまた「お前たちの恋を俺に預けてくれ」と諭す宗方の言葉を静かに受け止めるのだった。

    • 第25回 男子テニスに負けるな!

      藤堂との恋を封印して練習に励むひろみの次の練習試合相手は、男子選手の木村。動揺したひろみは宗方に詰め寄るが、取り合ってもらえない。ひろみはこれまでに乗り越えてきた厳しい練習、藤堂への想いさえ諦めた辛さの全てをぶつけたものの、結果は惨敗。しかし、ひろみはいつか勝てるという可能性を周囲に見せつけ、どんなパワーにも負けないファイトを身に着けたのだった。

    • 第26回 ひろみ対お蝶!最後の対決

      選抜メンバーにひろみを入れるかどうか、意見が分かれたコーチ陣の提案により、お蝶夫人との対決が決まる。ひろみがテニスに憧れ、のめり込むきっかけとなった大先輩との試合。第1セットは先取されたものの、第2セットでとうとうゲームを奪う。4時間にも及ぶ試合の中で、ラケットを握るひろみの右手からは血が滴り、お蝶夫人の左足は痙攣していた。果たしてその決着は……?

  • 新・エースをねらえ!

    あらすじ
    • 第1話 ひろみとお蝶と鬼コーチ

      テニス王国・県立西高校1年の岡ひろみは“お蝶夫人”こと竜崎麗香に憧れ、親友マキと共にテニス部に入部した。そんなある日、新任コーチとして宗方 仁が現れる。着任早々、猛特訓を始めた宗方によって、一週間後に迫った地区大会の代表メンバーが発表されたが、その中には全部員が予想だにしなかった、新人であるひろみの名前があった……。

    • 第2話 選手と迷惑と藤堂さん

      ひろみの異例の抜擢に不満を隠せない先輩部員たち。お蝶夫人からの忠告もあり、選手辞退を申し出るひろみだったが、宗方は一向に取り合おうとしない。お蝶夫人と宗方、ふたりの板挟みとなり苦しむひろみ。男子テニス部のエース・藤堂の説得によって一度は気を取り直すが、先輩達による猛特訓に、ひろみは再び打ちのめされてしまう。

    • 第3話 仮病といじわると思いやり

      靴に画びょうを仕込まれるという嫌がらせをされたひろみ。この一件を受け、大怪我を装って再び選手辞退を試みるものの、宗方に一蹴されてしまう。一方、選手から外されてしまった音羽京子は、実力の差を見せつけ代表選手の座を奪い返そうと、ひろみとの練習試合を申し入れる。結果はひろみの惨敗。しかし、それでもなお宗方はひろみの代表決定を覆えそうとはしなかった。

    • 第4話 試合とケイレンと自転車にのって

      地区大会の直前、大抜擢の新人ということで、ひろみは新聞部の部長・千葉から原稿を依頼される。原稿に集中するあまり、ひろみは肝心の試合当日に遅刻をする始末。試合は押され気味に進み、ガットが破れるというトラブルにも見舞われる。お蝶夫人がスペアのラケットを渡してくれ事なきを得たものの、ついに足がケイレンを起こしてしまい、棄権を余儀なくされてしまった。

    • 第5話 ひろみと妬み心と消えたラケット

      試合を棄権してしまったことで、選手降板は間違いないと疑わないひろみだったが、宗方の決定は覆ることはなかった。音羽のひろみに対する嫉妬は激しさを増し、お蝶夫人から譲り受けたラケットを隠すなどヒートアップ。更に、選手の再選考を賭け、宗方にひろみとの対戦を申し出る。いざ試合に臨んだ音羽だったが、勝利を焦るあまりミスを連発してしまうのだった……。

    • 第6話 特訓とねばりとあついまなざし

      音羽との対戦には勝利したものの、ひろみに向けられる上級生の視線は相変わらず冷ややかだった。更に宗方による連日の特訓も重なり、心身ともに憔悴しきっていたひろみだったが、藤堂の励ましにより奮起する。特訓の甲斐もあって、ひろみは地区大会準決勝で苦戦しつつも勝利をつかむ。厳しい練習を乗り越えつかんだ勝利に、ひろみはテニスの面白さを知るのだった。

    • 第7話 お蘭と素質と白いコート

      地区大会での活躍が校内新聞に掲載され、ひろみに対する上級生の反感はますます強くなった。そんな中、決勝戦のひろみの相手が“弾丸サーブのお蘭”こと加賀高の緑川蘭子に決まる。その長身から繰り出される猛サーブを目にしたひろみは自信を喪失してしまう。大会当日、試合から逃げ出そうとしたひろみは、宗方に諭されコートに戻るが……。

    • 第8話 不安と不安と赤いバラ

      ひろみの不注意で怪我をしてしまったお蝶夫人は、服を破いて手当をした宗方の無神経さに傷つき、翌日の学校を休んでしまう。心配したひろみはお蝶夫人宅に赤いバラを届けるが、一方で、お蝶夫人はひろみにある予感を抱き始めていた……。地区大会の個人戦、ひろみは皮肉にもお蝶夫人と対戦することに。憧れの人を前に萎縮するひろみだったが、全力で挑もうと決意を新たにする。

    • 第9話 涙と退部と恋しいコート

      ひろみとの試合に勝利したお蝶夫人。しかし庭球協会理事である父に対し、ひろみを強化選手にと進言する宗方の言葉に、ひろみの持つ底知れぬ力を感じ、恐れを抱く。お蝶夫人は自分かテニスのどちらかを選ぶようにとひろみに迫る。ひろみはその真意を理解できぬまま、お蝶夫人を慕う気持ちでテニスを辞める選択をするが、自分の中に沸き立つテニスへの思いを断ち切れないでいた。

    • 第10話 カムバックと情熱とお蝶夫人

      4日ぶりにコートに戻ってきたひろみを待っていたのは宗方による猛特訓だった。その気迫と励ましにより、徐々に自分自身のプレイスタイルを確立してゆくひろみ。ひろみは改めてテニスへの情熱を感じるのだった。そんな姿を見たお蝶夫人もまた、ひろみとの決別を確信する。一方その頃、ひろみはお蘭から「打倒! お蝶夫人」の宣言を聞かされていた。

    • 第11話 憎しみとお蘭と冬の風

      お蝶夫人対お蘭の地区大会個人戦決勝戦。女子高生とは思えないハイレベルの試合展開となるも、お蘭が手の故障でやむなく棄権してしまう。悔しさのあまり、宗方の胸で泣き崩れるお蘭。その親しげな様子を不審に思ったお蝶夫人は、試合終了後、お蘭との試合のこと、そしてひろみのジュニア選抜チームへの抜擢について宗方につめよる。ひろみは偶然、その様子を立ち聞きしてしまい……。

    • 第12話 ひろみとダブルスとコーチの秘密

      宗方とお蘭は異母兄妹だった。予想外のふたりの関係に驚くひろみ。そんなひろみとお蝶夫人に対して、宗方はダブルスを組むことを命じた。果たして、ふたりの息は全く噛み合わず、ひろみは思い悩む。そんな中、怪我をしたお蘭と出会ったひろみは、「テニスができる上での悩みなど何でもないはず」と諭される。関東大会がついに始まり、予想通り、ひろみへの集中攻撃に苦戦するが……。

    • 第13話 愛と闘志と宗方仁

      お蘭の助言もあり、勝利したお蝶夫人とひろみ。次なる対戦相手は宗方の同期・太田コーチが率いる大原高の辻・田所ペア。足を負傷してしまい、またしても標的にされるひろみだったが、お蝶夫人のカバーで勝利し、決勝進出を決めた。2人の試合ぶりに、太田コーチは、世界に通用するパワーテニスをひろみに託そうという宗方の思惑を見抜く。

    • 第14話 握手とひけめと私のテニス

      セントヒルダ高との関東大会ダブルス決勝戦。ミスが目立つひろみをお蝶夫人がカバーし、辛うじて勝利をおさめる。しかし、ミスの連発に負い目を感じたひろみは素直に喜べないでいた。試合後、全日本ジュニア一次メンバーとして登録されたことを告げられたひろみは、藤堂の励ましもあり、「強くなりたい、自分のテニスをしたい」と強く思う。そしてその思いを宗方に伝えるのだった……。

    • 第15話 恋とパワーと軽井沢

      新学期を迎え、軽井沢合宿へ向かったテニス部。藤堂への恋心を抱くひろみは練習に身が入らずにいた。そんなひろみに気付いた宗方は「目標達成までは恋を忘れろ!」と一喝する。藤堂に対しても、ひろみの成長を妨げるなと忠告をする。合宿での猛特訓を経て、ひろみは宗方が自分に託そうとしているパワーテニスというものに気付き始めるのだった。

    • 第16話 自信と過保護と例外メンバー

      テニス部の合宿から戻ったひろみは、早速、全日本ジュニア選抜の合宿に参加するため、山中湖へ向かう。そこで遭遇したのは、帰国子女にして自信家の宝力冴子、過保護な母親が同伴する美咲優子といった強豪選手達。例外的に選抜されたひろみは自信を喪失していくが、宗方は「自分の力を信じろ」と諭す。その言葉で立ち直ったひろみは選抜試合に立ち向かっていく。

    • 第17話 強敵と二敗と愛の翼

      最終選抜大会当日。猛特訓の成果もあり、ひろみは宝力との試合で勝利をおさめる。しかし、次の対戦相手はお蘭。健闘むなしく敗戦したひろみに残されたのは最後の試合。だが、その対戦相手はお蝶夫人だった。試合中に披露される華麗なテクニックに翻弄されるひろみ。しかし、そのプレイにはお蝶夫人のある思いが秘められていた……。

    • 第18話 人気とメダルと狙われる女

      選抜大会では敗退したものの強豪相手に健闘した内容が評価され、ひろみは改めて全日本選抜メンバーに抜擢された。再開される猛特訓の最中、宝力が全欧オープン出場選手であるオーストラリアのエディ・レイノルズとその妹アンジーを連れてやってきた。更に宝力は、ひろみとアンジーの試合をセッティング。その試合で、ひろみは初めて海外選手のパワーを思い知ることになる。

    • 第19話 コンパと抱擁と板ばさみ

      お蝶夫人らが卒業し、来るべき新人戦に向けて1年生の指導に励むひろみ。だが、宗方は指導をするひろみの欠点を見出し、改善するよう伝えるのだった。そんな中、選抜メンバーの合宿に参加したひろみは、ランニング中にこむら返りを起こしてしまう。藤堂に介抱されているうちに、突然の悪天候に襲われ、海辺の小屋でふたりきりで雨宿りすることになり……。

    • 第20話 ひろみと海外遠征とコーチの計画

      豪州テニス協会からの招待を受け、ひろみは宗方、宝力と共にシドニーへ向かった。宗方の目的はテニス王国での武者修行。すなわち、ひろみに本場のテニスを体験させることだった。果たして、ひろみは慣れない芝のコートに苦戦。中学生相手の練習試合で敗戦を喫してしまう。エディとの練習試合も続き、いつにも増して過酷な特訓に、ひろみの疲れはピークに達する。

    • 第21話 ひろみと固い絆と南十字星

      強豪エディから、やっとの思いでエースを取ったひろみ。しかし喜んだのもつかの間、その後は1度もエースを奪うことはできなかった。帰国の日も迫り、焦りを感じた宗方は、お蘭の制止も振り切り、ひろみの練習相手として自らコートに立つ。ひろみもそんな宗方の意図を必死に感じ取ろうとするのだった……。迎えた遠征最終日、宗方が指名したひろみの練習相手は藤堂だった。

    • 第22話 恋と挫折と再出発

      新学期を迎え3年生になったひろみは、新人テニス部員たちの憧れの的になっていた。そのひろみは体調を崩している宗方の代わりに、新たに西高のコーチとなった太田から猛特訓を受ける。迎えた関東女子インターハイ決勝戦、世界ランキング・プレイヤー、ジャッキー・ビントも見つめる中、ひろみは宝力と対戦し、勝利をおさめる。恋愛感情に流され凡ミス連発の宝力は実力を発揮できなかったのだ。

    • 第23話 衝撃と波紋とお蝶夫人

      ジャッキー・ビントの来日目的が、全豪プロ選手権におけるダブルス・パートナーとしてひろみをスカウトすることだと知り、動揺するお蝶夫人。一方、ひろみも世界アマチュア選手権選抜大会で、お蝶夫人と対戦することに迷いを感じていた。だがふたりは順調に勝ち進み、迎えた決勝戦、お蝶夫人とひろみはついに宿命の対決に臨むことになる!

    • 第24話 愛と自覚と不吉な予感

      母親の命日、宗方は母の墓前で己の運命とひろみに思いを馳せていた……。結婚をするという太田夫妻に住まいをあてがおうと提案し、日本代表として渡米する藤堂やひろみたちに、同行できないことを告げる。その宗方の優しげなまなざしに、不吉な予感を覚えるひろみ。果たして、その予感は現実のものとなってしまう……!

    • 第25話 輝く未来と永遠の別れと宗方仁

      病に倒れた宗方を案じて駆けつけたひろみ達。心配させないよう笑顔で迎えた宗方だったが、残された時間がわずかであることを悟っていた。宗方は、自分の胸の内を藤堂だけに明かすと、ひろみを藤堂に託す。そして、ひろみたちがアメリカに向けて旅立とうとするまさにその時、宗方の命は燃え尽きようとしていた……。