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本日の一枚リトルピアノ・プラス
2016年08月21日リリース
収録曲
- 01 リトルピアノ
- 02 Stay
- 03 Neverland
- 04 サンクチュアリ・アリス
- 05 Fairy Song
- 06 オーロラ
- 07 羽よ背中に
- 08 一切へ
- 09 冬の庭園
- 10 蒼玉節
- 11 Unknown Vision
- 12 LostArea
- 13 金色の目 premiere version
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小さい頃からずっと一番近くにいてくれるともだちのような、ほとんど分身のような、ピアノの存在。
とうとう上手に弾けるようにはならなかったけど、その感じも私らしいのかなとおもいます。そんな私の音楽を、たくさんの方たちのお力で新しく1枚のアルバムという形にしてもらえたこと、言葉にならないくらい嬉しいです。いつも大事に聞いてくださるみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
1. リトルピアノ
その名のとおりピアノの小曲です。Little Piano 6のツアー中に、ピアノのほうから私に話しかけてきてくれた、そんな感じで浮かんできてくれた曲です。
これを1曲目にしようというアイデアはディレクターゆかこちゃん。当たり前なのですが、私の音楽をホントに深く理解してくれてるんだナ。。とあらためて思いました。 -
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2. Stay
どんなに今が幸せだと感じても、その瞬間がどんなに素晴らしくても、それは過ぎ去って行くもの。それでも、今この世界を永遠に留めてほしい、と思いたくなることが人生にはありますね。奇跡のように美しい風景や、じぶんの大事なこのひとにはずっと幸せでいてほしいと思う、祈りのようなもの。。私だけではなく、それを必要としている人々の元に留まっていてほしい。。Drums 佐野康夫さん&Bass 渡辺等さんと一緒にピアノを弾かせてもらえることが嬉しくて、ほんの数分間でしたが、それこそ留めたいと願ってしまうようなひとときでした。録音が始まってまもなくディレクターゆかこちゃんが演奏を聞いていて泣いてしまって、、泣いてしまうなんてきっとなにかがあるに違いない!ということで、そのテイクが採用となりました(笑。
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昨年末のライブ「冬の庭園」に出演していただいた、私のレコーディングでは今回が初参加の吉野友加さん(tico moon)のハープと、おなじみマー君こと藤堂昌彦くんのストリングス。本当にとても素敵です。
ホガリくんの美しくもせつないアレンジを素晴らしい演奏で表現してもらえて、大満足の1曲となりました。ホガリくんの陽だまりのようなアコギも聞けます!
3. Neverland
この曲も同じで、恋が成就する瞬間その恋は終わりへと向かう、という悲しみのようなものを感じているのかなぁと思います。 -
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もともとは自分の打ち込みで作っていて、ライブやファンクラブイベントではそのオケのまま歌ったことがありました。けっこう気に入っていたのですが、ホガリくんの、この夢見るようなアレンジを聞いてしまうと…もうとても戻れません。。。私のピアノ&チェレスタ+友加さんのハープ、マー君カルテット。それらたくさんの弦たちが奏でる響きに、どうぞゆっくり耳を傾けてください。
4. サンクチュアリ・アリス
声優の悠木碧ちゃんのアルバム「メリバ」に書いた曲です。碧ちゃんのサンクチュアリ・アリスはカラフルで可愛くてしかも妖しい。。という印象があったのですが、私バージョンはかなりくすんだ色合いだけど、そこまで妖しくはない。。という感じになった気がしています。5
新たにピアノ弾き語りのデモを作って、それをもとにホガリくんがアレンジし直してくれました。そして早い段階で、この曲のベースをClammbonのミトさんに弾いてもらえないかなってふたりで話をしていました。その願いが叶って、ミトさん、とてもお忙しい中でしたが、スケジュールを調整してくださって、颯爽とスタジオに登場してくださいました。王子様のようだったです。。* 演奏はもう聞いていただくのが一番なのですが、これがミトさんの音なんだなぁと感激しました。ベースとは思えない発信音まで入れてもらって、私もホガリくんもゆかこちゃんも大喜び笑。その音は間奏でよく聞こえています。
この曲でも友加さんのハープとマー君カルテットが大活躍です。聴きどころ満載の1曲となりました。。!
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5. Fairy Song
ずいぶん前になりますが、当時MacにプリセットされていたGarageBandというお手軽音楽ソフトで遊んでいてトラックができたので、すぐに歌ってみたくて、イギリスの詩人、John Keats の「妖精の歌」を読みながらほぼ即興でメロディをつけました。ファンクラブ専用サイトでは、そのときの原型バージョンがいつでも聞ける状態になっています。今回ホガリくんがハッとするようなイントロ&リズムをつけてくれました。泣かないで、花は来年も咲くのだよ。。。
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6. オーロラ
数年前に知り合った友達が南極観測船に乗って海を渡り、地球の果てから時々メールを送ってきてくれました。彼女の言葉で語られる想像ができないような風景の描写と、息を飲むオーロラの写真。そのたびに私はとても「遥かな気持ち(としか言いようがない気持ちです、、)」になって、こんな曲ができました。アカペラで、ひとりで声を重ねています。松林さんが氷のカテドラルみたいな響きにしてくれました!
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7. 羽よ背中に
10月に公開になるアニメーション「ゼーガペイン ADP」の主題歌です。10年前に放送されたTVアニメ「ゼーガペイン」でも「キミヘ ムカウ ヒカリ」を歌わせてもらいました。愛され続けている作品に2度も関わることができてとても光栄です。ゼーガペインの舞台、舞浜の青空を曲の背景にして、少年少女の繊細さと力強さ、それから仮想と現実のふたつの世界を、この数分間で表現したい、とがんばりました、、!
堀越さんのスピード感あふれるギターのカッティングから始まります。6/8拍子ですが、Aメロとサビでは聞こえかたが違うところが自分では面白いかなと思っています。ホガリくんがここでもまた渾身の弦アレンジをしてくれています。そして佐野さん&等さんの真骨頂。ぜひお聞きください!
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8. 一切へ
シングル「Unknown Vision」のカップリングでした。私の一番の遊び場、カップリング(笑。 ベーシックは堀越さんとホガリくんのエレキギターと私のシェイカー&タンバリン。後半に出てくるサカナくんのトイピアノとシンセ(?)がとても効いてる感じです!ホガリくんの炸裂ギターソロが聞けるかなりレアなトラックとなっております!人間の想いや歴史、自然や、地球から見た宇宙、そのすべてをひっくるめた一切へと、今いる場所から静かに向かって行くようなイメージです。ラジオボイスになる部分は、ある映画の原題を言っています。
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9. 冬の庭園
2015年12月のホールライブ「FLORA~冬の庭園」のテーマである『色とりどりの花が咲くところに雪が降っている風景』を曲にして、そのライブではマー君のバイオリン、友加さんのハープとホガリくんの打ち込みで演奏しましたが、この曲もまたピアノを基本にしたアレンジに変えてもらいました。ホガリくんいわく「銀の風のトロンボーン」は、増井朗人さんです。「懐かしい未来」1ページ目に登場する寺田正治さんが担当していたLÄ-PPISCHのサポートをずっとされてきました。
寺田さんはCoccoを世に出したひとです。私のこともこの世界に連れてきてくれました。増井さんと初めてちゃんとお話したのは、4年前に寺田さんが亡くなってから。彼がくれた縁だから何か一緒にやりたいですねと、それから時々やりとりさせていただいています。
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増井さんが主催する、和太鼓とチャップマン・スティックとトロンボーンという異色のバンド、Codex Barbèsでは、何百年も前のヨーロッパやアラブ系の音楽を新しく、基本的にはダンスミュージックとして生まれ変わらせるという試みをされています。増井さんは、他にも MUTE BEAT、THE MAN、Dub Forceなどに参加されているすごい方です!
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10. 蒼玉節(サファイアせつ)
元々は2013年のファンクラブイベントの企画だった「あなたがイベントプロデューサー」でファンクラブ会員の方から「JAXAとコラボ*昭乃さんと宇宙へ行こう!」というアイデアをプレゼンしていただいたのがきっかけです。それを叶えるべくいろいろと調べている時に、旧暦の七夕の日に一斉に明かりを消してみんなで星空を見上げましょう!という呼びかけ「伝統的七夕ライトダウン」のことを知ったのです。テーマ曲を作らせてください!と自分からお願いして書かせてもらったのが、この曲です。
このキャンペーンをリードされている大川さんの元へ出向き、お話させてもらいました。「JAXAとコラボ」はできませんでしたが、大川さんはじめ、委員会のみなさんも気に入ってくださったとのことで、とても嬉しかったです。
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私のピアノ+ホガリくんのアコギ&トラックとマー君のバイオリン。銀河鉄道に乗って夜空を旅するようなイメージで作りました。一度でもその旅をしたひとには、そのひとだけの永遠の星が瞳に宿る。というような。。翌年のファンクラブイベントは「蒼玉節」と名付けて、ミニライブでこの曲を演奏させてもらいました。
今年2016年の伝統的七夕の日は8月9日。その日に限らずみなさんもぜひ、明かりを消して星空を見上げてみてくださいね。雨が降ったら、、、暗い部屋にひとりでいるのは寂しいかもしれないですけども。。そんな時はぜひこの曲を聞いてくださいね!
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11. Unknown Vision
TVアニメ「まおゆう魔王勇者」のエンディングテーマです。原作に出てくる印象的な言葉、「丘の向こう」からイメージを広げてこの曲にたどり着きました。まだ見えないけど目標とする場所、理想世界がそこに、、!空気感のあるループではじまるホガリくんのアレンジに、佐野さん&等さんの凄みのある演奏、精鋭なるマー君ストリングス。松林さんのミックスが出来上がった時、高級なお釜でご飯が炊けたような気が、、。「極まった。。。」と思いました。今まで長く一緒にやって来たメンバーだからこそできる音楽。このメンバーで作り得るある種の到達点と言っても過言ではない作品だと自分では思っています。
余談ですが Unknown Vision シングルのジャケット、かなり気に入っています。
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12. LostArea
2014年に発売されたゲーム「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」の主題歌です。配信のみでしたので、CDに収録されるのはこれがはじめてとなります。当時の私のブログには「宇宙を舞台に闘う戦士たち ひとりひとりに人生があって、生まれた場所があって、、 家族も、恋人もいて、、 それでも戦士たちには、生命をかけてでも、他人の生命を奪ってでも、、、 ゆずれないことがあるのだろう、闘う理由があるのだろうと 想い馳せながら作りました。『遠ざかる小さな青空』というフレーズに 説明のできない自分の気持ちを込めました。」と書きました。
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ホガリくんの打ち込みとギター、等さんのベースとマー君ストリングスが、その宇宙の遠さを表現してくれています。マレットで叩かれるシンバルはクレジットにはありませんが、ゆかこちゃんの演奏です!
13. 金色の目 premiere version(プルミエール ヴェルシオン)
プルミエール ヴェルシオンというのは、初期の形、原型というような意味です。
この曲の原型を作ったのは中学生の時。今とコードは同じで少し違うAメロと、サビは今とほとんど同じ。そしてその間に不思議なBメロが入っていました。その時の最初の歌詞は「白い靄がかかってる冬の朝が 街の色を優しくしてる」という出だし。うーん、「かかってる」は無駄だなぁ(笑。でも世界観的には今に近いことを表現しようとしていたんだと思います。17
そして大学時代、友人の結婚パーティで、もうひとりの友人と踊る(?)ために、Bメロはカットして「金色の目」ができました。フランス語の部分はその大学のフランス語の教授に手伝ってもらいました。フランス人の友人によると「教科書みたい」でぎこちない言い回しのようですが、、。
(ちなみに「踊り」って、喫茶アキノワールの店主のようなエプロンとカチューシャという格好で、ひとりがお茶を用意してひとりが飲む…踊りというよりパントマイム風の動きでした、、笑)
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ただ友達をお祝いするために作った曲が、当時お世話になっていたヤマハの秋吉さんというかたの耳にとまり、POPCONというコンテストに出て入賞&川上賞をもらって、武道館で行われた世界歌謡祭のファイナルという大舞台にまで行くことになりました。まさかフランスのアーティストの前で歌うことになるとは思ってなかったので、慌てて発音を習いに行ったりしました。
そのコンテストが直接デビューに結びつくということはなかったのですが、前出の寺田さんが、ビクターのディレクターにこの曲を聞かせてくれて、そのディレクターが、おなじく「懐かしい未来」1ページ目に出てくる金子さんに「美しい星」を聞かせてくれて、「ウィンダリア」というアニメーションに合う!ということになり、それが直接デビューのきっかけとなりました。
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そこから30年経った記念のアルバムであるリトルピアノ・プラスの最後を飾るべく、いろんな意味で私の原点と言える「金色の目」を、原型に近い形で収録しました。
こうやって振り返ってみると、じぶんが今ここにいるのは、なんという多くのかたとのご縁があってこそなのだろうと、今まさに「遥かな気持ち」になっています。
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このアルバムのために身を削って全身全霊でアレンジをしてくれたホガリくん、曲を深く理解して演奏してくださったミュージシャンのみなさん、その演奏を最高にいい音で録って、最高のバランスでミックスしてくれたエンジニア松林正志さん、そんな私たちの思いを一身に受け止めてこれ以上無いマスタリングをしてくれたエンジニアの内田孝弘さん(flair)、私の拙い絵を魔法のように素敵なジャケットにしてくださった松田敬祐(playroom)さん、そしてそんなすべてを仕切ってしっかり支えてくれたディレクターゆかこちゃん。ホントにありがとうございました!
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スタジオの様子を見にきてくださった佐々木史朗(FlyingDog)さん、そして、この喫茶アキノワール建設施工&内装を一手に担ってくださっている勝又啓太さんとスケッチ・オブ・デザインのみなさん、ラジオ・アキノワールで話し相手になってくださっている西原史顕さん、そもそも喫茶アキノワールというアイデアを出してくれた、いつも私を楽しませてくれる宣伝担当カンナちゃん、オレンジカラーのサポート、今回のプロジェクトに関わってくださっているすべてのみなさん、いつでも応援してくれてる友達と家族、アルバムを楽しみに待っていてくださったリスナーのみなさんに。。心からの感謝をささげます。。*
2016年7月 アキノ