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本日の一枚そらの庭
1997年10月22日リリース
収録曲
- 01 Reincarnation
- 02 小鳥の巣
- 03 空から吹く風
- 04 仔猫の心臓
- 05 OMATSURI
- 06 アトムの光
- 07 Black Shell
- 08 Solitude
- 09 妖精の死
- 10 人間の子供
- 11 Little Edie
1
私が心から敬愛してやまない落田洋子さんの絵を光栄にもジャケットに使わせていただきました。
ちょっとした気の迷いから、とある大学に入って油絵を専攻した私でしたが、何かひとつのことを表現したいと思ったときに「絵にするより曲にするほうが簡単」ということに薄々気づきはじめます。
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2
そんなある日、本屋さんで落田さんの画集『風の祝祭』に出会い、その瞬間「私、こういう絵が描きたかったんだ~。え?ってことはもう私描く必要ないよね』と悟ったのです。
あとは音楽三昧の学生生活でした。その音楽活動が認められ、大学も無事卒業できたのですが笑。
そんな話を知っていたディレクターゆかちゃんが落田さんに体当たりで連絡を取ってくれて、なんとふたりでアトリエにお邪魔して、たくさんの絵の中から1枚を選ばせていただいたのです。あれはなんという幸せなひとときだったことでしょう。。3
「Reincarnation」「妖精の死」は寺嶋民哉さんの力を借りてできた記念碑的な曲です。
それまで自分の中にあったけど知らなかった世界の扉を開けてくれました。民哉さんは福岡にいた頃からの長いお付き合いの友人です。のちにジブリ作品「ゲド戦記」でもご一緒させてもらったのですが、大作曲家になられても九州時代からまったく変わらないお茶目なお人柄で、、大好きです。
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4
「小鳥の巣」と「人間の子供」は菅野よう子ちゃんにアレンジしてもらいました。「小鳥の巣」のタイコは宮田繁男さんに叩いてもらっているのですが、よう子ちゃんの要求がとても特殊なアイリッシュドラムのような叩き方だったので宮田さんは苦労されていました。
でもそのおかげで色褪せない独特の雰囲気になっているとおもいます。さすがよう子ちゃん。「人間の子供」のほうは、もともと素朴なピアノ伴奏のシンプルでちょこっとした曲だったのですが、「ファンタジーにしちゃっていいの~?」って聞かれて「うん」と答えたら、こんな壮大なファンタジーに。。!!おそるべし菅野よう子。
5
その他の曲は保刈くんがアレンジしてくれています。
「Black Shell」の、今で言うエレクトロニカな音作りは、当時としてはかなり斬新だったのではと思います。ベースの内田ken太郎さん、ドラムの田中徹さんにはこの頃ライブでもたくさんお世話になりました。ピュアハートバンド(私のホールライブの時だけ結成されるバンド笑)のギター、堀越信泰さんにもこの時から参加してもらっています。
「アトムの光」は美しい海でフランスが核実験をした映像をニュースで見てできた曲です。アルバムを作っている時にも感じていたことですが「そらの庭」は「死」の影に囚われた曲が多いのです。でもそんな中で「人間の子供」「Little Edie」が救いになってくれているとおもいます。