『ソラノスフィア』新居昭乃本人メッセージ&全曲解説掲載!



『ソラノスフィア』新居昭乃メッセージ
 
<アルバムについて>

ソラノスフィアというのは1年以上前、ふと頭の中に浮かんだ言葉です。 言葉というより、このカタカナの文字が浮かんだというかんじです。

それからその文字を時々思い出して、それが何を意味しているのか考えるようになりました。

『空に浮かぶ透明な球体。 地球は球体の外側に世界が広がっているけど、ソラノスフィアはなんとなく、球体の内側に広がる世界。 中心に空がある閉ざされた空間なのだけど、自由に出たり入ったりもできる。

心配も不安もない、光に満ちた暖かい場所。 すべてが関係しあって紡ぎ合う美しい宇宙の構造を、そこでは誰もが感じることができる。』 

漠然としていますが、その文字が今ではそんなイメージに成長しています。
そのイメージは私が歌い続ける目的でもあると、最近思うようにもなりました。

子供の頃から歌うことが大好きだったにも関わらず、それが一旦人前となると、歌うのもピアノを弾くのも大の苦手で、なのに何故かデビューさせてもらい、その後もどう足掻いても歌うように仕向けられて来たという感覚がありました。 自分から望んでというよりは、大きな流れに流されて、訳も分からないまま、ずいぶん長い間歌って来たような状態です。 それがやっと最近になって、自分が歌う意味、歌を通して知ることの大きな意味がちょっとずつ分かってきた気がしています。 私の歌に癒されると言ってくださる方がいますが、私自身は人を癒したい、ましてや癒せると思ったことは1度もありません。 音楽を作り続け、歌い続けることは、突き詰めれば自分自身の為以外には無いのです。

でもアルバムを作るとなると、また色んな違った意味が生まれます。 本当に色んな人たちのお陰で1枚のアルバムがやっとできるのですから。 自分ひとりで自分の為だけに歌う歌とは全く違うエネルギーが湧いてきます。 もちろん聞いてくださる方がいて初めて成り立つということも、レコーディングの間中ずっと頭にありました。

前回のアルバム『エデン』は911を引きずったまま出来上ってしまいましたが、それから月日が経って、歌うことを通して到達したいと考える、大げさに言えば「生きる目的」が明確になってきた状態で、今回のアルバムのレコーディングが始まりました。 ソラノスフィアは、その自分自身の願いと人々への感謝の気持ちがテーマだと言えると思います。

サウンド面はほとんど保刈久明くんに任せっきりでした。 1曲だけ細海魚くんがプロデュースしてくれていますが、それに対しても100%お任せでした。 彼らとは長い付き合いだからというのも、もちろんありますが、その長い付き合いの中で、お互いにどんどん価値観が似て来ているということが大きいと思います。 奇跡的に出会えた人達だと思っています。 3人がお互いにお互いの一部を共有し合っていて、さらにそれを広げる役目を担っているような感覚があります。

それと、今回ミックスに関して、エンジニアの松林正志さんが自宅で念入りに仕上げて来てくれた物を、3〜4曲ずつ、まとめてスタジオで聞かせてもらうやり方を取ったのですが、最初に聞かせてもらう時点で、どの曲も完璧な状態でした。 松林さんとももう10年以上の付き合いですが、こんなことは初めてです。 そうやって思い出してみると、いつも『思っていたのとは違うけど、これはこれでとても魅力的なのでOKにしましょう!』という場面があるのですが、 今回はレコーディングからして、本当にどのミュージシャンも私たちがやりたいことを完全に理解してくれて、想像していた延長線上で、しかもそれ以上の素晴らしい演奏を提供してくれました。

歌入れに関しても「エデン」の時はとにかく体調との戦いで、途中、中断せざるを得ない程だったのですが、今回はインフルエンザ大流行の中にあって、終始絶好調で、歌っている最中で迷うことも殆ど無く、時間もかかりませんでした。

「こんなことがずっと続く訳がない」と恐れながらも、最後までその状態だったという順調さ加減でした。

<レコーディングについて>

恐ろしい位順調なレコーディングでしたが、唯一苦労したと言えるのは「Orient Line」。 じつは「エデン」に入るはずの曲だったのです。 仮でついていたタイトルは「窓」。 ニューヨークのホテルの部屋から見た無数の窓のイメージでした。 ドラム、ベース、ギターと大編成のストリングスを録音していたのですが、私が最初に思い描いていたのとは全く違うトラックになって混乱し、歌詞が書けないまま時間切れになってしまっていました。

締め切りを破ったのはそれが初めてで、ほとんど「窓」は私のトラウマになりつつあったのですが、今回レコーディングの半ばで井上さんがそっとタイミングを見計らって「窓」を聞かせてくれて、そのタイミングが良かったのか、ついに歌詞が完成しました。

保刈くんにとっても、その寝かせた期間があったお陰で、迷い無く少しテンション高めなエレキギターを弾くことができた!とのことで、結果的には良かったようです。

ドラムをモノで録ってしまっていたので、松林さんは彼自身が今作りたいと思う音の方向とは合わないという問題があったようですが、この当時の気持ちを大事にミックスを組み立てたということです。

今となっては何度でも聞きたい曲になりました。

特に「楽しい」印象だったのは、PROMIXスタジオのアシスタントエンジニア、のりかつ君の存在です。
24歳という若さですが、もっと若く見えました。
湧き水のように純粋で、無駄口は一切叩かず、口を開くとかなりな確率で魅惑的なエピソードが飛び出し、畏れを憶えるほど素直で、すっくと伸びる若竹のような志を持った、優秀なエンジニアです。
ストリングス以外の全てのダビングと、全ての歌入れに付き合ってくれたので、私たちは殆ど家族のようでした。 レコーディングが終わってしばらくしてからですが、フユノスフィア追加公演をスタジオのブッキングマネージャーと一緒に見に来てくれて、その時も別れ難く、打ち上げにまで付き合ってもらいました。 彼は『あの後しばらくホームシックのような状態でした。』と言っていましたが、私もまさに同じでした。

<最後にファンの皆さんへ>

私の超マイペースな音楽活動に付き合ってくださって、いつも本当に感謝しています。 みなさんがじっと、そしてちゃんと待っていてくださったお陰でアルバムを作ることができました。 ソラノスフィアはエントランスフリーの透明な球体です。
みなさんどうぞ来てみてください。 遊んでいくのも眠るのも、はしゃぐのも黙ってるのも自由な場所です。




『ソラノスフィア』新居昭乃全曲解説掲載

01Haleakalā
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 ハレアカラとはハワイのマウイ島にある火山の名前。 太陽の家という意味だそうです。その頂上では世界一星が綺麗に見えるとも言われていて、とても空に近いと感じる場所。この曲ができた時から、ソラノスフィアの1曲目にしようと決めていました。
 椎野恭一さんの正確で突き抜けたドラムと渡辺等さんのダイナミックなベースと堀越さん&保刈くんのまぶしいアコギ。Goddess in the Morning で一緒だった柚楽弥衣ちゃんとも、Goddess〜以来はじめて一緒に歌いました。柚楽弥衣ちゃんの自由自在に飛翔する声のパフォーマンスも聞き処です。3拍子から8分の6拍子に変わるところで、すっと空に舞い上がるような気持ちになってもらえると嬉しいです。
椎野恭一 (Dr.) 渡辺等 (Bass) 堀越信泰 (A.Guitar) 柚楽弥衣 (B.Vocal) 保刈久明 (A.Guitar/E.Guitar/Prog) 新居昭乃 (B.Vocal)

02Monday, Tuesday
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 ライブの映像では黒っぽい羊が大量に、へなちょこ電車に乗り込むところから始まるこの曲。 個人的には曲も歌詞もアレンジもみんなの演奏もミックスもすべてが大好きです。
 音が鳴るだけで涙が出そうなTOKIEさんのベース、コードチェンジのたびに一瞬だけ途切れる弾き方なのですが、「それでグルーヴが出るんだネ!」と保刈くんとふたり、驚愕しました。堀越さんのエレキギターのリフはライブの時に堀越さん自身が考えてくれたものです。 とても効果的なので、きっと少し大きく聞こえるように仕上ったのだと思います。そのライブでここ最近ずっとサポートをお願いしているヴァイオリンの藤堂昌彦くん率いるストリングスも、まるで電車の窓から広がる風景がめくるめいて行くようで、完璧です。チェロには徳澤青弦さんが参加してくれている他、みなさん個人個人で活躍されている精鋭ストリングスです。
TOKIE (Bass) 堀越信泰 (E.Guitar) 藤堂昌彦Strings 保刈久明 (A.Guitar/Prog)  新居昭乃 (pf/B.Vocal)

03鏡の国
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 ライブで人気がある曲です。 保刈くんの打ち込みは実際の楽器を一切使わない、ソフトシンセ(コンピューターの中にいろんな楽器の絵が出てきて、それに演奏をさせるかなりバーチャルな世界。。。)だけで出来ているのですが、何故か結果的には有機的だともっぱらの評判です。   このトラックを聞いていて浮かんだ言葉をそのまま歌詞にしていったら、鏡の国の世界になってしまいました。
 堀越さんのエレキギター、このリフもライブで堀越さんがやってくれていた形が元になっています。 サビのロックなカッティングは一部、保刈くんが家に持ち帰って切り貼りして遊んでいます。
堀越信泰 (E.Guitar) 保刈久明 (Prog) 新居昭乃 (B.Vocal)

04ターミナル
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 編曲:保刈久明
 自分では「駆け抜ける青春!」みたいな曲だと思っていたので、ドラム佐野さん、ベース等さん、アコギ堀越さんというメンバーで最初にリズムを録る時に、「みなさん10代の気持ちで演奏してください」と無理めなお願いをしました。 が、テイク2でディレクターゆかこちゃん「素敵な若々しさです」というOKが出ました。 あとから細海魚くんがこの曲のデモを聞いて「青春ってかんじじゃない。キャロル・キングみたい」と言ってくれていたのを思い出しました。。。
 マー君ストリングスがとてもフューチャーされています。 白い巨匠、保刈くんの煌めくストリングスアレンジがせつなく美しいです。
 今回のレコーディングではじめてピアノを弾いたのがこの曲だったのですが、間奏で和音を8分(はちぶ)で弾くところではとても緊張しました。
佐野康夫 (Dr.) 渡辺等 (Bass) 堀越信泰 (A.Guitar/E.Guitar) 藤堂昌彦Strings 保刈久明 (Prog) 新居昭乃 (pf/B.Vocal)

05印象
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 ライブではずいぶん前から歌っていた曲だったので、照明スタッフの武藤さんが「この曲まだ未収録だったの?」と驚いていました。
 歌い出しが何を言っているかわからないとよく言われます。 印象の深みを示す隙間 っていう順番で言葉を並べたのは私が最初だからだと思います。 恋人が自分の知らない顔を見せる瞬間のことですが、、、そう感じてくれた人がいるとしたら怖いような気もします。
 この曲は保刈くんの洗練された打ち込みと等さんの歌うベース、そして贅沢にも椎野さんにシンバル2コだけ、叩いてもらっています。 椎野さんはシンバルをふたつ並べて立ったまま叩くその姿さえもカッコイイと男子にも大評判でした。
渡辺等 (Bass) 椎野恭一 (Cymbal) 保刈久明 (E.Guitar & Prog) 新居昭乃 (pf/B.Vocal)

06mizu
作詞:Adeyto 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 最初に日本語の歌詞をつけていました。 ライブでも1度、その歌詞で歌ったことがあります。 でもきっとフランス語を乗せた方がメロディが際立つだろうと思って、友達のAdeytoことローラちゃんにお願いして仏語詞を書いてもらいました。 今は亡き祖母に愛された少女が成長して、その姿と真っ白な蓮の花が雲を突き抜け、凍る空にその花を咲かせて行くイメージを重ねたとても幻想的で美しい歌です。そしてまた別のフランス人の女の子に指導してもらって歌を録りました。
 徳澤青弦さんのカルテット。 ファーストヴァイオリンはマー君です。 青弦さんの厳しいディレクションにより、エンニオ・モリコーネにも勝てそうな保刈くんの神懸かり的弦アレンジが最大限に活きる演奏をしてもらったと思います!
徳澤青弦Quartet 保刈久明 (Harp prog.) 新居昭乃 (pf)

07ノルブリンカ
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 細海魚 編曲:細海魚
 「宝石の庭」という意味の、チベットにある場所の名前です。  ライブの為に魚くんと作った曲です。 その時はミニマルなトラックに青弦さんカルテットの壮大なアレンジだったので、歌も力いっぱい歌っていましたが、今回アルバムに収録することになってから、どんどんそぎ落とされて最後には必要な音だけが残るような形になって、出来上がってきました。
 木幡さんのフリューゲルホーンとASA-CHANG のガムラン。 ニューヨークとインドネシアと、、不思議な世界感です。ASA-CHANGはフリューゲルが入った後で最後のダビングだったのですが、本当にそのセンスが素晴らしいと感じました。とてもとてもストイックなトラックの上に、個性的で自由なASA-CHANG自身の音楽が繰り広げられて行くようで、聞いていて 本当に楽しかったです。 私も精一杯、この芸術的トラックに合うように歌う努力をしました。
 イントロのピアノの音が鳴る前、一瞬ノイズが聞こえますが、それだけでも映画に引き込まれる時のような感覚になります。
ASA-CHANG (Percussion) 木幡光邦 (Flugelhorn) 保刈久明 (Moog) 細海魚 (pf/Prog) 新居昭乃 (B.Vocal)
Recorded at Royal Studio 

08Orient Line
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 「エデン」に入るはずだった曲です。 ドラム、ベース、アコースティックギターと桑野さんストリングスを録りましたが、最初にこの曲を作った 時の気持ちとは全く違うものになった為か、歌詞ができず、お蔵入り状態になっていました。 そして今回も、アルバムの選曲の最初階段 で候補に上がっていたのですが、「やる」とも「やりたくない」とも言えないままレコーディングに入ってしまっていました。歌録りも順調に進んで いたある日、ディレクター井上さんがそっとハードディスクを出して来て、このトラックを聞かせてくれました。新しい気持ちで聞き直すと、もし かして良い曲かもしれない、と思うことができて、4年半越しでやっと完成させることができました。
 私と保刈くんが組んで以来はじめての「保刈くんのギターソロ」が聞ける、記念すべき曲となりました。
ASA-CHANG (Dr.)  渡辺等 (Bass) 堀越信泰 (A.Guitar) 桑野聖Strings 保刈久明 (E.Guitar/Prog)

09Lhasa
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 編曲:保刈久明
 本当に不思議な経緯でできた曲です。 以前にもそう感じるものが何曲かありましたが、これに関しては完全に何らかの大いなる力に よって書かされたとしか言いようがありません。 神秘的なことは一切スルーの保刈くんでさえも鳥肌が立ったと言っていました。  Lhasaはチベットの首都のラサです。 この曲を作ってまもなく、ラサで暴動が起きたのも偶然ではないような気がしています。本当はレ ーセーに近い発音のようですが、日本ではラサと呼ばれているのでそう歌いました。 行った事はありませんが、その地に思いを馳せて歌い ました。
 この曲の不思議の1つですが、デモテープを作っていた時、テンポもキーも決めて歌録りまで終わってから、前に買っておいたニ胡のCD の封をはじめて開けて、シーケンサーの上に貼付けて、ただ走らせただけの状態で、すでに曲とピッタリと合っていました。 あとから知りまし たが、そのCDは中国の民謡で、ニ胡を弾ける人なら誰でも知っている曲だそうです。
そのCDが素晴らしい演奏だったということもあり、できればこのまま使わせてほしいと、発売元に問い合わせたりもしましたが、その演奏 家の方とはとても連絡が取れる状態では無い、とのことで諦め、日本で20年以上に渡り活躍されている二胡奏者、ジャーさんに来てい ただきました。 ジャーさんがブースに入られてニ胡を奏で始めた瞬間に、こちら側のコントロールルームがシーンと静まり返るような、神聖な 雰囲気に包まれた気がしました。
 等さんには前もってこの曲ができた経緯を伝えて、そのデモテープを聞いてもらって、合いそうな楽器をたくさん持って来ていただきまた。 次から次に迷いなく演奏を重ねて風景を形作って行く等さん。その頭上には「人間国宝」という文字が終始光り輝きながら浮かんでいました。 今の言い方で言うところの「神演奏」です。
 そんな色んな出来事が折り重なって出来上った1曲ですが、歌う人と楽師が、ただ旅をしているような、素朴な曲になったと思います。
渡辺等 (Bass/Violla Caipira/Psaltery/Bouzouki) 賈鵬芳 (二胡) 保刈久明 (Prog) 新居昭乃 (B.Vocal)

10At Eden
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 編曲:新居昭乃
 「エデン」が発売になった時のライブに来てくださる方たちの為に、「エデン」には入っていない新しい曲をお聞かせしたいと思って作った曲 です。それ以来ライブではもう何度も歌っています。  VHmusicにスタジオライブバージョンが入っています。
唯一私自身のアレンジです。 青弦さんカルテットは、mizuとは打って変わって1度しか演奏なさいませんでした。青弦さんのジャッジの あまりの早さに、青弦さん以外のそこに居た全員が一瞬焦りましたが、よくよく聞いてみてとても雰囲気が良いということで、OKとなりました。  松林さん、この曲をどう聞かせるかを決めるのがじつは一番大変だったとのことですが、とても素朴なミックスに仕上げてもらって大満足 です。
徳澤青弦Quartet  新居昭乃 (pf)

11The Tree of Life
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 / 保刈久明 編曲:保刈久明
 堀越さんのダイナミックなアコースティックギターから始まって、佐野さん、等さんのロックなリズムが入って来る曲なのですが、全体には何故か透明感のある雰囲気になっている気がします。 よく聞かないとわからないような淡い音が散りばめられていたり、サカナくんのオルガンも絶妙な空気感を醸し出していたり、するからなのかなーと思いますが、そのへんのバランス感覚は保刈くんもサカナくんも、さすがす!!
 旅をすることがその人の人生。みたいな人が、人生そのもののような複雑な景色の中を淡々と歩いて行っているイメージです。
佐野康夫 (Dr./Effect Dr.) 渡辺等 (Bass) 堀越信泰 (A.Guitar) 細海魚 (Organ) 保刈久明 (A.Guitar/Prog)

12Wings of Blue
作詞:新居昭乃 作曲:新居昭乃 編曲:保刈久明
 元を辿って考えてみると、ROCKY CHACKのふたりと一緒に歌ってみたくて作った曲だと言えます。 私は彼らの音楽も歌声も大好きなので、一度どんな形でも良いから一緒に何かできたら嬉しいとずっと思っていました。 私の曲に他の人の声が入ることを、井上さんも松林さんも保刈くんもなかなか賛成してくれないのですが、色んなコーラスが飛び出して来るような作りの曲ができたので、こんなチャンスは無いと思い、勇気を出して提案してみたというわけです。
 アキノ史上初の応援歌。だと思っています。 が、歌っている人間が全員体育が苦手で弱々しそう。。。というので、井上さん曰く、ぶつかったりしたら「あっ、ごめんなさい!」。 ボールの取り合いになったら「どうぞお先に」と言ってしまいそうになる。とのことです。でもライブのステージに立つ時は私だって、試合に臨むアスリートのような気持ちでいるのです。
堀越信泰 (A.Guitar) ROCKY CHACK (B.Vocal) 保刈久明 (Prog)  新居昭乃 (B.Vocal)

13太陽の塔
作詞:新居昭乃 作曲:保刈久明 編曲:保刈久明
 保刈くんがギターを弾いて歌いながら作った曲です。 1度聞いて大好きになって、勝手に歌詞をつけて勝手にライブで歌って、いつのまにか自分のものにしてしまった曲です。
 1970年、よど号がハイジャックされ、ビートルズが解散し、サイモンとガーファンクルが明日に架ける橋を発表したその年。イージーライダーが大ヒットするサイケデリック、フリーダムの空気の中、太陽の塔が突然この世に現れました。 私は当時から何か場違いなところに立たされてしまった子供のような佇まいだなぁと感じていました。 万博の中にあってはシンボルらしくピカピカで、今となってはとても良い味を醸し出しているあのコですが、今でもその可愛らしいほっとけない感は変わらない気がします。周りはこんなに変わったのに、自分が存在する、その感じを変えないでいるあのコが大好きです。
 太陽の塔の内部には円谷プロによる「生命の樹」と呼ばれる仕掛けが作られていたのですね。。! 知らなかった。
そして地下には「地底の太陽」の顔があったそうです。 今はどこに?
 太陽の家ではじまり、地底の太陽を内包する太陽の塔で終わりです。 ソラノスフィアとは太陽でもあるような気がしてきました。
保刈久明 (A.Guitar) 新居昭乃 (B.Vocal)

『ソラノスフィア』

Copyright (c) 2009 FlyingDog, Inc.
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