土屋京輔(音楽ライター)

歴史が人を作るのか、それとも人が歴史を作るのか。蓋然性の高い音楽的変革を積み重ねてきたBUCK-TICKの歩みは、容易には真似できない偉業と言っていい。かつて、「櫻井敦司、恐るべし」と書いたことがあるが、彼らが生み出す音世界が絶大な求心力を持つのは、そういった選ばれし5人が精神的に融合しながら、常に独立的に並存するからこそでもある。とはいえ、そこには何も意識的なものはない。BUCK-TICKは今もなお、次なる道を進んでいる。