BRIAN SHINSEKAI

Debut Album“Entrée”

2018.1.24 Release

Track List
  1. 首飾りとアースガルド

  2. TRUE/GLUE

  3. track3

  4. track4

  5. track5

  6. track6

  7. ルーシー・キャント・ダンス

  8. CICADA

  9. track9

  10. track10

  11. 2045(Theme of SHINSEKAI)

  12. トゥナイト

    track12

サブクスリプションサービスにて
順次先行Delivery!

12/27 4th Delivery
  • 「トゥナイト」
11/22 3rd Delivery
  • 「ルーシー・キャント・ダンス」
10/17 2nd Delivery
  • 「CICADA」
9/20 1st Delivery
  • 「2045(Theme of SHINSEKAI)」
  • 「首飾りとアースガルド」
  • 「TRUE/GLUE」

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interview

<第一章> 黎明期
――そもそも、音楽に興味を持ったキッカケは?
「小学生の頃からピアノをやっていたんです。だいたい学生時代にバンドを組んだのがキッカケという人が多いと思うんですが、そういうことはまったくなくて。誰かと共同作業で同じ目的のものを作るのが得意じゃなかったし、そこに楽しみを見いだせない性格だったんです。だから、自然にピアノで作曲したり、つたないながらも小説を書いたりするようになって。ひとりの世界で自分がイメージするものをチマチマ作りあげていくのが好きだったんですよね」
――いきなり作曲とは! どんな曲を作っていたんですか?
「最初はクラシックっぽいものを作っていたのが、ロックを聴くようになってから歌モノに変わっていった感じなんです。でも、同世代が聴くようなものは一切聴いてなかったですね(苦笑)。今はもちろん、現在進行形の音楽も聴いてますけど、ロックを知るキッカケはCMで流れていたクイーンだと思います。そこから一気に70年代中盤のイギリスのロックを聴き始めて。いろいろ聴きあさって、最終的にいちばんハマったのがデヴィッド・ボウイでした。ドンピシャでカッコいいと思って、そこから掘り下げていったんです。その流れでスパークスも聴きましたし……。ああいう濃い世界観で、メロディーに様式美もあって、ただ奇をてらっているだけではない個性的なアーティストにひかれましたね。そこは今も変わってないんです。だから、自分の血になっているのは、70年代から80年代のイギリスのロックだと思いますね」
――なるほど。デヴィッド・ボウイも音楽以外の表現方法を持っていたし、BRIAN SHINSEKAI自身も文章を書いたりしていたわけですよね。そこにも共感しているのでは?
「そうですね。彼に共感したのは、あくまでも自分が感じたことを音楽だけでなく、ビジュアルやパフォーマンスに落とし込んでいったところなんです。サウンドが時期によってコロコロ変わっていくのも、その時代にどういうストーリーで自分を表現するかを大事にしていたと思うし」
――では、最初からソロ志向だったんですね。
「ハードロックとかバンドサウンドも、聴くのは好きなんですが、自分がやるっていうイメージはまったくわかなくて(苦笑)。ただ、ソロでどう活動しようかとか考えるより、とにかく音楽を作らないとダメだと思っていて(苦笑)。なぜか自分を追い込んでました」
――表現欲が強かったんでしょうか。
「ひとりでもの作りをして、発表できる場で披露する喜びがすごく大きかったんです。それがいつか、もっと多くの人に聴いてもらいたいと思いに変わっていたんでしょうね」
――そうなると、ライブ活動が必要じゃないですか。バンドを組んでいなかったそうですけど、ライブ活動はどのように?
「15、6歳の頃にはシアトリカルでマニアックなグラムロックをやっていたんですよ。当時はすかんちさんとかMARCHOSIAS VAMPさんみたいな日本のグラムロックバンドや、80年代に活躍していたKATZEとかUP-BEATのような音楽も聴いていたんですが、何しろバンドではないので(苦笑)。オケだけを流す感じでしたね」
――オケを流してのひとりパフォーマンスだったんですね!
「今でこそDJがトラックを流すだけのライブも普通になりましたけど、当時はかなり珍しかったと思います。でも、僕はひたすらデヴィッド・ボウイみたいになりたいとナチュラルに考えていたので……。衣装も派手にして活動してました。今にして思えば同世代よりオトナの人に受けていたような気がします」
――そんな孤高の活動を経て、ついにデビューとなるわけですが、最新音源はグラム・サウンドというよりも、かなり80年代エレポップの要素を感じます。
「今回、表記も一新してのリスタートなんですが、直前までやっていたのが、グラムとニュー・ウェーブの中間みたいな音楽だったんです。でも、なかなかしっくりこなくて。しっくりこないというのは、今の時代とのクロスポイントがあまり見いだせなかったんですよ」
――ニュー・ウェーブも掘り下げていたんですね。やはりずっとブリティッシュロックは好んで聴いていたわけですか?
「そうですね。90年代中盤くらいにアンダーワールドやケミカル・ブラザーズが出てきた結果、EDMのアーティストが出てきましたけど、僕はその辺のアーティストに80年代のニュー・ロマンティックやニュー・ウェーブの影響を感じたんです。僕も流れでデュラン・デュランやジャパンも聴いてきましたからね。2015年には、エレクトロにディスコ・ミュージックを取り入れるような音楽も流行ってきて、そういうダンス・ミュージックの解釈の仕方が、自分の中でリンクしてきたんですよ。僕自身も古いロックの繊細さや叙情的な部分に影響を受けつつも、今の時代にリンクしたものを作りたくなってきて。そこで音楽制作の意識を変えたんですよね。作り方は変わってないんですけど、今の時代を生きている自分が今の時代にどういうものを作るのか……。最近になって、ようやくしっくりいくものが作れたんです。僕の血になっている70年代の音楽と、最前線のサウンドを、初めて融合できたかなって思ってます」
(インタビュー&テキスト:海江敦士)
<第二章> 創生期
――9月20日、サブスクリプションサービスで3曲(「首飾りとアースガルド」「2045(Theme of SHINSEKAI)」「TRUE/GLUE」)をリリース、BRIAN SHINSEKAIとしての始動が決定しました。こういう形態でのデビューというのは、かなり斬新ですね。
「自分自身がサブスクリプションサービスで音楽を聴いているので、親しみはあります。今って、CDショップに行ったり、ネットで視聴するのではなく、Apple Musicの“今日のオススメ”で音楽が聴けたりするので、トレンドの切り取り方がこれまでとは違う発想になってきていると思うんですよ。僕も新たに聴くアーティストが前より増えているんですが、1曲の中でどれだけストーリーを作れているかが重要になっている気がしていて。そういう意思の強いアーティストはすごく気になります。個の強いアーティストがサブスクリプションでは求められる気がしますね」
――簡単に音楽が聴けるかわりに、あたりさわりのないものは、どんどん流れていってしまうということですね。それだけ個性の強い音楽であることが求められると。
「リスナーの耳もどんどんよくなっていると思うんです。いい音楽がたくさん聴ける環境だし、サブスクリプションの普及もありますしね。だからこそ、僕自身も良質な音楽を作っていきたいんです」
――さて、今回リリースの楽曲に話を戻しまして……まず、「首飾りとアースガルド」についてうかがいますが、サウンドはもちろん、かなり文学的な歌詞だと思います。詞の世界観はどういう風に出てくるんですか?
「音楽を最初から最後まで構築して作ることが最優先なので、歌詞はトラックをすべてミックスしたあとに考えます。ただ、曲には意図せずに色味がついているので、そこに対して浮かんだ光景を言葉にしていますね。「首飾りとアースガルド」は、完全に音から出てきた光景なんです」
――とはいえ、“首飾り”とか“アースガルド”は日常生きていてもなかなか出てこない言葉なので、妙に刺さりますね。
「“アースガルド”は北欧神話に出てくる王国なんですが、僕自身、もともとそういうものが好きなんですよ。リアリズムのある世界より、フィルターを通した感覚の方が好きというか。たとえば、人って昔から聖書に書かれたストーリーから学んだり、人生が救われたりすることもあると思うんです。寓話もそうですよね。僕も間違いなく、そういうものにもっとも心を動かされるタイプなんです。だから、伝えたいものをストーリーに落とし込んだり、間接的な言葉で余韻を残す方が届くような気がしていて。ストーリーになることで、普遍性が生まれてエヴァーグリーンになることもあるはずですからね」
――なるほど。それと、歌詞が伝わる理由として、歌がかなり有機的と言いますか、生々しい声を聴かせているのも大きいと思います。オートチューンとかボーカルの処理に頼っていないのがいいのかなと。
「僕はヨーロッパのテクノの影響も受けてますが、あくまで日本人だし、日本の歌謡曲も聴いてきましたからね。しっくりくるものがノスタルジックで琴線に触れるメロディーなので、まずメロありきで音楽を作ってます」
――歌謡曲まで網羅していたんですか!
「歌謡曲は全般的に大好きですし、60年代のタイガース、スパイダースのようなGSサウンドから、ニュー・ミュージックも好きです。シンセを使っている頃のオフコースや松任谷由実さんとか。あと、郷愁のメロディーという意味ではチューリップの財津和夫さんが好きですね」
――幅広い……。続いて「2045(Theme of SHINSEKAI)」は、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』がフィーチャーされてますね。ちなみに2045年には象徴的な意味があるようで。
「僕はシンギュラリティ(2045年には人工知能が人類より賢くなり、より高い人工知能を生み出す点)を肯定的にとらえているんです。昔からシンギュラリティをテーマにした映画もたくさんあって、だいたいはアンドロイドが人間の知能を超えた時、そこで反乱が起きたりするようなテーマになりがちですよね。でも、アンドロイドの知能が人間を超えても、人間には変わらないものがあると思うんです。それを曲として表す時、やっぱり僕はクラシックの『新世界から』に新しいエレクトロなサウンドをつなぎ合わせたかったんですよ。そこから2045年の憧憬を表現しました」
――BRIAN SHINSEKAIらしい過去と現在のミックスという要素がクッキリ出た曲ですね。ジャンルを超えているという意味では、もう1曲「TRUE/GLUE」もソウルフルな要素もありますし。
「そうですね。この曲もサウンドの融合がしっかりできたと思います」
――気になる今後の活動ですが、ライブはどのように展開するんでしょうか?
「個人名で活動すると、いち個人の人生観や言葉を求められることが多いと思うんですが、BRIAN SHINSEKAIというプロジェクト名を使うことで、フィクションにもちゃんとした世界はが生まれると思うんですね。そのためにはバンドではなく、テクノやエレクトロのアプローチでライブすることになると思います」
――例えば映像を使うとか?
「初音ミクがCGで立っていたり……そういう技術はまだまだ一般的には普及してないですけど、面白いエンターテイメントだと思いますね。ただ、僕は歌を聴かせるホールでも、低音を鳴らすようなクラブでも、両方好きなので、特にこだわりはないんです」
――さて、今後の目標になりますが、どんな活動をしていきたいですか?
「海外でパフォーマンスしてみたいというのはありますね。特にヨーロッパで。僕の音楽がどう聴こえるのかわからないですけど、すごく日本人らしいメロディーを作っているつもりなので、どう響くのか気になります。あとは、自分が影響を受けたニュー・ロマンティックやニュー・ウェーブ、ネオアコも、決してアングラな音楽ではなく、メジャーシーンで大衆に届くようなバランス感覚があると思っていて。そういうのって、ポップの定義ではすごく重要だと感じるんです。最近、EDM系のアーティストがソウルミュージックやディスコを取り入れて、初期のニュー・ウェーブっぽいものを作り始めているんですが、それがもう大衆的な流れになりつつある――だからBRIAN SHINSEKAIも、最終的にはアングラではなく、ポップカルチャーの、むしろメインスストリームのアーティストとして認識されたいと思っています」
(インタビュー&テキスト:海江敦士)