Letter of thanks : 松本梨香様

「松本梨香」という人は体中アンテナのようだ・・
これが私が初めて彼女に会った時の印象。
彼女がパーソナリティをされていた サタデーホットリクエストに「ソマリ」の名で出演させて頂いた時から、 そのイメージは変わらない。

「嘘がきらい」という言葉。
それは反対にこの世界に充満する「嘘」というものを、同時に 許容していかなければならないということも松本さんは心得ているように思う。
松本さんの「声」はテレビからずいぶんと流れてくる。
登場人物の息づかいや、 知らされてないバックボーンまでが見えてくるようなそんな「声」。
人の感情や言葉は粒子のように細かく繊細で、そして重い。
長年、同じ役をやり続けていく緊張感というものはどんなものだろう。
それは計り知れない。見せないからこそ、こちらは「夢」を見ることができる。
どんな状況でも彼女なら、這ってでも、喉に注射してでも、その舞台に立つだろう。

先日、横尾忠則さんの本の表紙でこんな言葉を見つけた。
「止まっているものはいつまでも止まっていようとする。
運動している物体はいつまでもその運動を続けようとする。」
私たちは間違いなく後者で、この世の中に「挑む」方なのではないかなと。
辞めないのではなく、止まないのである。

松本さん。またまた今度は食事でも。そして清い嘘のない話を致しましょう。

石川智晶

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