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特集

注目アーティスト: サカナクション 彼らが追求する“中間を射抜く音楽”。
初のマキシシングル「セントレイ」!

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INTERVIEW インタビュー

今夏のフェスや大型イベントに新人最多となる8本に参戦。ロックにクラブミュージック取り入れ、昇華させたハイブリッドなサウンドとライブパフォーマンスで観衆に衝撃を与えているサカナクションが12月10日に初のマキシシングルとなる「セントレイ」をリリースする。
さらにポップに変化を遂げた本作の完成と経緯を探るべく、サカナクション最重要人物・Vo&G.山口一郎に語ってもらった。

サカナクション コメント

――曲作りはどんな作業ですか?
「グダーッとしていて“何かしたいな……よし、ギターを弾こう。曲を作ろう”みたいな、生活の一部、日常の起伏の一部ですね。端から見るとすごく内向的に受け止められるかもしれないけど、僕的には日常的な感じなんですよね。まったくギターを触らない1週間もあったりしますし。釣りのことばっかり考えて、ネットで検索して終わる1週間もあったり。ひたすら本を読み続けたり」
――山口さん自身は元々どういう音楽をやりたいと考えていたんですか?
「今までライヴハウスにしかアプローチしてなかったものを、クラブミュージックのアプローチをもっとバンドに取り入れたら面白いんじゃないかって思って、一度DJをやるためにクラブシーンに飛び込んだんですよ。人の作った曲を流すと100人200人がドッと踊っちゃったりするわけじゃないですか。この感覚ってロックのライヴと何か違う。僕はロックシーンにいたけど、このクラブシーンで得た感動って、きっとみんな知らないだけで、知ると楽しいんだろうなって絶対的な感覚があって。自分のメロディと言葉には自信があったので、これを聴かせながらクラブミュージックを取り入れていこうと思ったのがサカナクションなんですよね」
――ロックを突き詰めるわけではなく、クラブシーンに飛び込んだのがすごい!
「父親が喫茶店をやっていた関係で、小さい頃からロックからテクノからエレクトロニカとか色々な曲が流れていたし、音楽に対しては自然と雑食に育てられたので抵抗はなかったですね」
――もともとサカナクションはどういう理想の下、集まったバンドなんでしょう?
「僕らはエンタテインメントな音楽があまり好きじゃなかったんですよ。否定するわけではなくて、好きではなかった。だけど好みの音楽はアンダーグラウンドミュージックとかアートミュージックと呼ばれるシーンだったんですね。なんでこのシーンがマスにならないのか?と考えたときに、それをマスにする動きをちゃんと作りたいと思ったんです。自分たちはどんな音楽をやりたいか?って考えたときに、エンタテインメントとアンダーグラウンドの中間を射抜く音楽をちゃんと具現できれば、きっとそれについてきてくれる人はいるし、僕らもそこをしっかり作りたいなって。日本人が好む、分かりやすい歌とメロディと言葉がしっかりありつつも、クラブシーンでも通用するようなエレクトロニカやテクノの要素を織り交ぜた曲を作ろうと。それがサカナクションの初心なんですよね。エンタテインメントとアンダーグラウンドの枠組みさえなくなり、質の高い音楽が売れる時代が来たらいいなっていう。願望ですよね」
――音楽が本当に好きなんですね。
「“音”が好きなんですね。サウンド。Lを3、Rを7にして聴くと傾いて聴こえるでしょ? 音は3Dなんだよ?って。それだけでも音楽の聴き方が変わるじゃないですか」
――そこから興味を持つのもアリですよね。
「うん、もちろん。AM/FMを、音いい、悪いだけで聴いてしまうのはもったいない。そのつなぎ役になれるような、分かってもらえるような音楽をやりたいですね」
――サカナクションとしては初となるマキシシングル「セントレイ」をリリースしますが。
「シングル3曲を3通り、『Ame(A)』をポップに、3曲目の『もどかしい日々』をアンダーグラウンドなもの、その中間に『セントレイ』を置きたいねって話していて。中間を射抜くという意味で、中間にいる立ち位置は変わらないんだけど重心が変わったというか。『セントレイ』はエンタテインメントとアンダーグラウンドの間の、ややエンタテインメント寄りというか。ミニアルバム的だなって気持ちにもなったし、マキシシングル出すならこれしかないな、と」
――これまでアルバムを2枚発表していますが、バンドにとってどんな存在ですか?
「1stはサカナクションの名刺代わり的なアルバムになると思ってたし、サカナクションの醍醐味はメロディと言葉だと思っていたので、どういう形だったら聴いてもらえるだろう?と突き詰めたアレンジが『GO TO THE FUTURE』に含まれる曲、『三日月サンセット』だったり、『白波トップウォーター』や『夜の東側』なんじゃないかなと思っています。僕らはポップだと思って作ったけど、いざリリースしてみたらそんなにポップじゃないと受け取られていて、もっとポップにやらないとポップって言われないんだって、2ndアルバム『NIGHT FISHING』を制作する上で、1stよりも分かりやすく、ダンス色の強いもので言葉を伝える手法に切り替えたんですね。2ndアルバムは、より心象的であり、1つの言葉を繰り返して強調したり、ダンスミュージック的手法を原曲の構成の中に組み込んだりして、ちょっと変わったロックだけどクラブっぽいっていう印象を持たれるような曲を作っていきつつも、中心には言葉とメロディがあるという流れで作ったんですね。1stよりはポップにしたつもりが、まだそんなにポップじゃないっていう意見が多くて(笑)、じゃあもっとポップに、自分たちのやりたいことをきれいにやろうと思ったきっかけになったのが、今回の『セントレイ』というマキシシングルですね」
――1曲目「セントレイ」はストレートに踊らせてくれますよね。ライヴが見える!
「今回はどちらかといえばライヴ寄りに。BPMも今までの126から138に早くしたし。今年、夏フェスに8ヵ所参加させてもらったんですけど、“ライヴ”の楽しみ方は人それぞれだけど、どういう気持ちで来てるのか、一体感を感じたので、それを感じながらのレコーディングだったのもあって、すごくいいタイミングだったし、奇跡が重なりましたね」
――ちなみに「セントレイ」の意味は?
「数字の“1000”と“0”です。今生きている地点を三次元として、量子医学的には十次元くらいまであるらしいんですけど、僕らが見えているのは三次元までしかないんですよ。僕の頭の中で、四次元あるとして、見えてる三次元に一次元足すとしたら何かな?と考えたときに、それが“妄想”だったんです。妄想の一次元を足して四次元とすると、すごくしっくりいったんですよね。僕はモラトリアムの時期が長かったけど、そのときに考えていた妄想や空想が、今、ためになってることが多くて。そこから得ることも大きいんだってことをちゃんと歌にしておきたかった。点を一次元、線を二次元、三次元で立体になって……という風に。そのキーワードとして、1000という大きな数字と0という無を繋げたんですよね。……歌詞について説明すると照れますね(笑)」
――で、2曲目の「Ame(A)」(アメ・エー)がこれまたアシッドな曲で。
「『Ame(A)』はポップをサカナクションがやるとどうなるか?っていうのを表現したかった楽曲なんですよね。だから詞もストーリー性があるし、昭和チックなイメージで作りつつ、レトロ感もミックスで出したりして。僕は詞が気に入ってますね。頭の中のフィクションが上手く書けた作品。僕の詞って、“だから?”とか“で?”みたいなところがあるんですよ。 “で、なんなの?”っていう“で?”ところを考えさせるところ、ワビサビのつけ方が僕の書き方で、それが如実に出たのが『Ame(A)』かなとも思います(笑)」
――3曲目の『もどかしい日々』はぶっ飛びまくりで。
「後半は買ってきたバケツの音とか入っていて。叩きすぎて取っ手が取れて転がり落ちてる音も入ってるんですよ。ギターが笑ってて、俺が“あかん”と言った声で終わってるという。録ってる側はストーリーが見えてて、聴いてる側は違うストーリーが見えるというギャップみたいなものも面白いなと思ったし、音楽らしいなとも思えて。サカナクションのやりたいことの本質的な曲なんじゃないですかね」
――むしろ全曲、ハマりました。
「次のアルバム、3曲目の『もどかしい日々』がいいって人は、好きだろうなって思う曲が何曲もありますし、今回のマキシシングル『セントレイ』以外、全てオリジナルの曲になっていて、『セントレイ』がより挑戦的であったことが分かってもらえるかなと思います」

(取材・文/高橋公子)

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PROFILE プロフィール

アー写

サカナクション

山口一郎(Vo&G)が高校時代の同級生、岩寺基晴(G)と二人で活動を始め“サカナクション”を結成。
札幌を中心に2005 年よりライブ活動する中、江島啓一(Dr)、岡崎英美(Key)、草刈愛美(B)の3 人が2006 年春迄に正式なメンバーに加入し、現在の5 人となる。道内インディーズシーンでライブハウスのオーディエンスから徐々に口コミで話題と注目を集める。
2006年8月に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO」(北海道石狩湾新港樽川埠頭特設会場)に公募選出枠「RISING★STAR」に868 組みの中から選ばれて初出演する。
これをきっかけに一躍、さらに注目を集めることになった。特に地元カレッジチャートのランキングに自主録音の「三日月サンセット」がチャートインしたのを皮切りに、さらに「白波トップウォーター」もラジオでオンエアされるようになり、リスナーからの問合せが道内CD ショップに相次ぐ。
道内音楽ファンの間では、CD発売を待望するファンからの反響が日増しに高くなっていく。
2007年5月に初音源となる「GO TO THE FUTURE」をリリース。そしてわずか8ヶ月というスピードで早くも2ndアルバム「NIGHT FISHING」を2008年1月23日にリリースする。
その後、初の全国ツアー(8箇所8公演)を3月行い、今夏大型野外フェスでは新人最多となる8 本に出演するなど、活発なライブ活動を展開している。

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RELEASE INFORMATION リリース情報

セントレイ

2008.12.10

12cmシングル / VICB-35014

¥1,000(税込) / ¥952(税抜)

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「セントレイ」ビデオクリップ

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