解散以前のレコーディングでも「さて、1曲目作りますか」などと、改まってオープニング用として作る事はほとんど無かったと記憶している(元々、そうやって作れるほど器用にバンドでもないが)。ラインナップが揃った段階で、その後の流れも鑑みて、見合った曲が自然と選ばれてきたんだろう。
今回は、マタサブロウが「オープニング曲に成った瞬間」というのがハッキリあって、それは、ほぼ全トラックが埋まった後にやってきた。浜ちゃんがおもむろにブースへ向かい、冒頭イントロに叫びともとれるMCを吹き込み始めた。ラップでも語りでもない叫び。とっさに誰かが「1曲目、決まったね」と言ったが、スタジオにいた誰もが同じ感覚を抱いたと思う。
それは、曲中の「風」のイメージを呼び起こしたと同時に、アルバム全体に向かうバンドの意志や姿勢をも表したように感じた。MCの内容自体だけでなく、叫び声と演奏が合いまったスピード感や温度感といった「感触」が、40を過ぎた男どもが発信する、正に「エヴォリューション」となった。
(ギター&コーラス/加藤英彦)
僕が高校生のころ,ラテンミュージックの要素がロック,ポップスに取り入れらてて,代表作がサザンの「勝手にシンドバッド」と言えるかな~。そんな懐かしく新しいリズムの曲だね。 夏はやっぱり青春の熱が爆発する季節。いくつになっても終わらない夏をこの曲とご一緒に!!
(ベース/伏島和雄)
苦しい事とか悲しい事があっても、人はなんだか生きようとする、そのわけの分からない力を歌にできたらな、と思ってつくりました。ファンクビートと日本語の融合はFLYING KIDSのもともとのテーマです。そんなFLYING KIDSの基本であり、そして新しい境地の歌です。
(ヴォーカル/浜崎貴司)
ホントつらかったっす!!5年まえに左肩,去年右肩,40肩患ったですよ!!
歌になったからこの痛みも良い経験だったとしておきます。ファンク魂また見せちまったね!!
(ベース/伏島和雄)
再結成からのこの2年、細かいモチーフまで含めたら、一体何曲作ったんだろうか。作っては壊しの繰り返しであった。ア・ハーンは、その中でも割と初期段階で形になり、ライブでも披露しながら育ってきた1曲。サバイバルを勝ち抜き、めでたくアルバム収録となったわけです。
少々マニアックな話・・・この曲の肝であるドラムビートは、フライングキッズが昔から挑戦してきたパターン。ロック的ともいえるファスト8ビートは、ファンキーに聞かせるのはなかなか難しい。日本でやってる人も少ないんじゃないかな。なかなか気持ちいい所に収まったと自負しておりますが・・・ま、中さん・フセマンの手柄ですな。
(ギター&コーラス/加藤英彦)
この曲はアルバムの中では紆余曲折しなかったほうに入ります。
浜ちゃんの持ち込んだ曲の骨格、歌詞と、ゴーゴーリズム、キーボードアレンジが決まった段階からそんなにやりくりはしなかった気がします。
シンプルな構成で歌詞の持つポジティブな力強さが表現できるよう仕上げました。
そういう意味ではライブでも同じ表現が可能な曲といえます。
歌詞の主人公はまさに我々。
「これからも肯定的パワーで魂を届け続ける決意表明」として感じて頂ければ、幸いです。
(ドラム/中園浩之)
実は、再結成したときから、個人的にこの曲に陽の目を見せるのが目標の一つでした(笑)。なにをかくそう、この曲が出来たのは91年、3rdアルバム「青春は欲望のカタマリだ!」のプリプロ(曲作り)合宿の時。突拍子もない調性、カッコイイけどワケのわからないリズム、まだ練っていなかった歌詞などでお蔵入りになっていた、曰わく付きのシロモノなのです。今回、再度録るにあたってちょっとだけ「常識的」にお色直しをしました。「あの頃」の匂いが感じられて好きな曲です。
(キーボード&コーラス/飯野竜彦)
きっかけは再集結の後、新しいフライングキッズはここから始めよう!と最初に作ったデモ。イメージしたのは1stアルバムの「ちゅるちゅるベイビー」的ファンクナンバー。よし、見えた。なんて言いながら1年以上忘れられ、レコーディング直前に掘り出して生まれ変わった曲。ただのファンクでなくなったことでようやくユルギナキ歌として出来上がった。新鮮なうちに録音。スタジオの日程が1日ズレたら、また忘れられたかも。Mr.Kのラップも必聴。
(ギター&コーラス/丸山史朗)
実は最初この曲を浜ちゃんがバンドに持ってきたとき、かなりゆったりしたバラードでした。が、ガラリと変えてレゲエでやってみました。イイですね。切ない歌詞も、ただバラードにするのでなく、敢えて明るいサウンドにすることで深みが出る、みたいな。ウチのバンドのレゲエ、なかなかいいんですよ。「旅の途中で」とかも聴いてみてね。
(キーボード&コーラス/飯野竜彦)
忌野清志郎さんの死後、こぼれるように書いた歌です。
(ヴォーカル/浜崎貴司)