森園勝敏は、伝説のグループ“四人囃子”から始まり、その独特の感性としなやかなギター・ワークで、彼独自の音世界を築いていった、まさに日本を代表する個性派ロック・ギタリストだ。
このCDは、そんな彼のリーダー・セッションを中心に、四人囃子時代の音源や、これまで未発表だった音源なども収録したものだ。森園勝敏というギタリストの魅力が、ここに凝縮されている。
森園勝敏は1954年2月18日東京都生まれ。中学3年生の時からコンテストなどに出場し、プロを目指していたという。高校生の時に、岡井大二(ds)、中村真一(b)と共に“ザ・サンニン”を結成、その後坂下秀美(key)が加入して、“四人囃子”となる。
74年に四人囃子は『一触即発』でデビュー。当時日本には珍しかった本格的プログレッシヴ・ロックを演奏するバンドとして、その緻密な構成力と卓越したテクニックは当時の音楽シーンを驚愕させた。だが森園勝敏は76年に四人囃子を脱退し、“プリズム”に加入、フュージョンにもアプローチを始めるが、アルバム2枚に参加して脱退。
その後ソロ・ギタリストとして活動を始め、78年初リーダー作『バッド・アニマ』をリリース。さらに80年の『エスケイプ』からは、自己のグループ“バーズ・アイ・ヴュー”を率いて活動していた。
その後はソロ・アーティストとして、そしてセッション・ギタリストとして、ロック、ポップス・フュージョンなど、幅広いフィールドで活躍している。また90年代以降、四人囃子もしばしば再結成し、健在ぶりを示している。
これまでの彼のリーダー作は、『バッド・アニマ』(78年)、『クール・アレイ』(79年)、『エスケイプ』(80年)、『スピリッツ』(81年)、『ジャスト・ナウ&ゼン』(82年)、『4:17p.m.』(85年) 、『クロス・トーク』(90年)、『ダウン・フォース』(91年)の8枚がリリースされている。
(解説:熊谷美広) |