FAUST 平河氏インタビュー

Part 1: FAUST?

interviewer(以下:i):
ファウストとは?みたいな話からまず入る感じですね。事実的なことから言うと洋服ブランドですよね。

平河(以下:h):
洋服ブランドですね、アパレルですね、、、ファッション、、、ま、裏原であって裏原でないと。 ま裏原ではないですね。立ち上がったのは2000年。2000年のSSからですね。スプリング&サマー、 春夏からです。その時は全然力入ってなくて、ゆるい感じで、、、ま、Tシャツとかを作ってみよう か、みたいなよくあるパターンで。元々お店はありました、お店が先です。基本的に最初はTシャツ とかを自分で作ってっていうか、プリントTシャツ、まロックっぽい、まあ今見たらファウストじゃ ないですけどね。ロックよりな感じの部分から入ってったんで、例えばシャツとかもそうですね、 プリントがばっちり入ったロックな感じで。スタイルで言ったらラバーソウル、ブラックジーンズに まあ黒シャツとか黒T、にハットとかそういうあと鋲ベルトとか、そういうスタイルですね。

i:最初にそういうスタイルを選んだのには何か理由があったんですか?

h:まあ、自分の中のブームっていうのもあるじゃないですか。その時に、たまたまそういうロック、いわゆるロックっぽい格好がいいな、というか。まぁ、時代の流れというのもあったんでしょうけど、パンクの部分が入りやすいって言うのもあるし、そうですね、あとやっぱりスカルとか、そういうノリでちょっとやりたかったなってのもあったんで。

i:なるほど、それはもうその時々の自分の感覚というか。では今のようなスタイルに向かっていく過程は?

h:過程ですか?うーん、それもやっぱそのときの気分っていうのもあるし、やっぱり若干ね、始めた時よりは年を取ってるっていう部分とあとやっぱりこう、バンドと一緒で、技術的なものというかテクニックとかそういう部分がこう備わってくると、やっぱりこう、ちょっと方向性が変わってくるというか。例えばパンク・バンドであっても、そうじゃないですか。

i:例えばクラッシュだって変わっていったみたいな感じで

h:そうですね。まだから基本的にはそんな感じで。それからそんな中で自分探しもするわけですよ。やっぱりロックというのがあって、その中でかっこいいものというか。そういうものを探しているんですね。そしてそんな中で独自のスタイルを打ち出せればいいんじゃないか、っていう。でも結局ウチはアクが強くて、ある意味マイノリティ。だから嫌われちゃうかもしれない。少数派な部分で。時代にリンクはしてない、、、してるかな、、、微妙なところ、、、っというかどこにもはまらない、コンセプトにも書いてあると思うんすけど、どこにも属さない!

i:常に音楽ってモノ作るうえでインスパイアされますか?

h:音楽は切れないですね。その時その時に、イメージするアーティストっていうのがいたりもするんですよね。それが、例えば、じゃあマイケルモンローであったりとか。例えば2003年のSS(春夏)は、「ダークサイド」っていうテーマになったんですけど、まあそういうテーマっていうのは基本的にはアルバムタイトルだと思ってもらえればいいと思うんですよね。

i:それで、それぞれの洋服が、なんかこう、一曲一曲収録曲みたいなもの?

h:そうですね、ま、そこにシングルカットっぽい曲、いや服もあれば、、、アルバムに入っててきらりと光る服もあるみたいな。そこはもうホントに、お客さんが感じてくれればいいんじゃないですかね。

i:現在デザインは、基本的には平河さん一人で?

h:はーい。全て。やってますね。そうですね。細々したものも全て、自分でやってます。

i:じゃぁ、基本的に平河さんのなんかこう、、、表現形態の一つというか、、、

h:まあ、ある意味怖いですけど、そういうことになりますよね。そこが逆に試されるというか。言ってみれば、色んなメーカーさんもいて、ブランドもあるけど、全部をやんないと意味ないんじゃないの?って・・・人の手が入っちゃうと、例えばグラフィックは外注で頼むとか、それっていうのはメインな部分というかアレンジを外注させちゃうようなもんですからね。それはやっぱカラーが、そっちのカラーになっちゃう怖さがあるんで、あくまでも一人でやるっていう。ま、その分偏ったものになりがちなんですけど、それはまあ、そこにきっと共感してくれるんであれば、気に入ってもらえるんじゃないのっていう、だめだったらだめだけど。ま、後は、とりあえず、お店があるんで見て下さい、、、ってことですね。

Part2: Hanoi Rocks

i:で、じゃあ、ハノイとの接点というか、その辺に話を移していこうかなという感じなんですけど、ハノイ、、、一番最初のハノイ体験がいつ頃でしたか?

h:多分、中一ですね。1983年、で、一番最初に見たジャケットは、何だっけなあ、、、それはちょっとわかんないんだけど、友達の姉が、たぶんハノイ、多分マイケルモンローが好きだったわけですよ。部屋にポスターが貼ってあって、こうレコードとかあったと。で、多分マイケルモンローがバツッと衝撃ありますよね、やっぱまあヴィジュアル面で。

i:そうですね、インパクトはありますよね。

h:「うわ、かっちょいい」みたいな、ね。

i:じゃあまずはヴィジュアルからって感じで。で、音自体はどうだったわけですか?

h:正直、いまいちでしたね(苦笑)、一発目は。

i:でもそこから「ハノイは凄い」っていうところまで、ハノイのポジションが平川さんの中で上がっていったわけじゃないですか?それってどういうきっかけだったんですか?

h:中学上がりたてで、上の人の影響でやっぱり洋楽という風になって、ミュージックライフ全盛期で、MTVが始まって、という中で、マドンナがいてデュランデュラン、カルチャークラブがいて、そっから入ったんだけど、結局まあ退屈な音楽、、、なっちゃいますよね。そうすると、ま、パンクにいっちゃいますよね。で、ピストルズ、ダムド、クラッシュとかまあそういう定番を利きつつ、幅がどんどん広がっていきますよね。そこで、そこにハノイがなぜかあったわけですね。でその時に聴き直して「あれ?カッコいいじゃん」っていう。短い年月の間だけど広がった部分、許容範囲が広くなったというか。多分「マリブビーチ」だったんじゃないかな。その後はずっとそのまま聴き続けた、というか。

i:その後マイケル・モンローのソロがあってとかそういう感じですか?

h:うん、マイケル・モンローのソロもちょっとは聴いたけど、、、まやっぱハノイロックスですよね。だからソロはあんまり僕は好きじゃないし、エルサリムスリムも、僕にとってはいまいち、かな。デモリッションの方がまだ、全然好きですね で、アンディのソロとかは別に全然聴いてなかったし、正直(笑)

Part3: HANOI ROCKS & FAUST

i:そんなハノイ・ロックスが遂に活動再開したわけじゃないですか。「俺たちは生まれ変わったんだ。」って。そこで一緒に仕事をすることになったわけですが、どう思いましたか?

h:リスペクトしてる部分で、まさかそんな子供の頃好きだった人と仕事しちゃうっていうのも、素敵な、、、ね、素敵ですよね。ウチのコンセプトともハマルっていう部分もありますしね、ロックっていう部分で言えば基本的には。でまあ「リスペクト」っていう部分でやりたいっていうのもあるし、バラとかも使ってますしね、デザインで。その部分では噛み合うっていう感じで。ホントね夢は叶いますよ。うん、夢は叶うんだよねー、みたいな。

i:サマーソニック彼らが来日した時に初めて会ったじゃないすか、その時はどうでしたか?

h:はい、だから、別室で待ってたらいきなりマイケルが入ってきて「Hi!」なんて言われて、、、硬直。
かっこわるいけど硬直。「うお、やべぇ、マジもんだ」っていう。マイケルモンローじゃん、みたいな、、、で、やっぱ威圧感、、、なんなんでしょーね、ありましたね。

i:Tシャツ(第一弾コラボレーションノースリーヴTシャツのデザインを見せた時のことで、何か覚えてることってありますか?

h:「Vネックにしろ!」「裏にロゴと薔薇入れて!」(笑)

i:二人がぴったり同じこと言ってましたもんね、あの時(笑)。

h:言ってましたねー・・・あのバラは正直いらなかった気がするんだけどねー(苦笑)。これはデザイナー意見として。ハノイ・ロックスだけでもよかったかなという。まぁ、でもあえてあの感じで、よかったんじゃないか、、、でもそこに彼らの意見が入るってことでダブルネームの重さがあるかなっていう、、感じですよね。

i:そしてサマソニのステージ。

h:あれは素晴らしかった。なんかもう、あれを見て確信できたというか。金、かもしんないけど金じゃない、みたいな。なんかちょっと、なんだろーな、ちょっと凄さを感じましたよね。つか痺れたし、ちょっとやっぱ涙出そうみたいな。実際見られると思わなかったわけだし。で、あのステージは、「今」に、こうちゃんと「存在する」っていう感じ、、ただの懐メロ大会じゃなかった。

i:それからシングルとアルバムのジャケットを手がけてもらったわけですが。まずシングルのジャケットからいきましょうか?

h:もう、ズバリ1stアルバムですよね、ハノイの。あれを横に置いてもらえれば何となく意味がわかってもらえるんじゃないのかなと。

i:まあ復活の第一弾シングルで、、っていうところで、そこにつなげて作ったっていう感じですね、イメージ的には。

i:で今度はアルバム。シングルの白から今度は一転、赤だったじゃないですか。

h:いや基本的には、僕ハノイロックスって赤なんですよ、だからホントは赤でやりたかったんだけれどもまあシングルはまあ一応ね、あれをコンセプトにしてたんで、でやっぱあれはシングルってことで一個なんですよ、バラが。一個じゃないすか。で、アルバムはこの中にバラがブワーッて入ってるんですよね、実はね、、まあバラの数ほど曲がある。

i:上の星は合ってるんですですよね、元々のタイトルの13に(苦笑)。あれはミスじゃないんで、お願いします(苦笑)。

i:アルバムが出て、来日公演がありましたね。

h:いや、最初はね、かなりビビリましたけどね。特に初日は、「あのサマーソニックは、あれは何だったんだ」って。やっぱりちょっと「あれ、だまされちゃったのかな?」と、、思いましたね(苦笑)。で、しかも二日目もあんな感じだったし。まあでも最終的に最後のブリッツで全部見られて、、あれはもう、かなりね、
素晴らしいというか。前向きな姿勢というか。姿勢がね、まあその結果古い曲と新しい曲が、まあマッチしてるし、違和感なくいい具合にいったんじゃないかと思いますよね。何も知らない子がどれが新しくてどれが10何年前の曲か、わからないと思うくらいの、、、言ったら「ハノイ節炸裂」ってことですかね。

Part4: Hanoi wearing Faust?

i:今回のジャパン・ツアーで、メンバーとかちゃんと着てましたね、サマソニで来てる時にあげた服とかリングとかね。

h:ああ、してましたねえ。

i:アンディが初日のリハーサル中にいきなりFAUSTの帽子もってこいとか、それにサインして客席に投げ入れるだのなんだのとか言ってね。いきなり焦りましたよね。あの時は焦った。

h:そうですね、何故かお気に入り、、っていうか、あのマイケルが、この半年間飽きずにサマソニの時にあげたリングをしてたっていうのもすごいっすね。で、マイケルの彼女がね、「Queen」いいなぁ、なんて言ってきてね。最終日にあげることができて、間に合ったのでよかったですよ。

i:あとアンディにあげたリングはマネージャーがしてましたね。アンディにはデカすぎたんですかね?

h:というかアンディはゴールドしかしてないから。「俺はゴールドしか付けねーんだよ」だって(笑)。

Part 5: W-NAME T-shirts Part 3&4!!!!!

i:これからまずTシャツを、ビクターのページで限定発売。第3弾・第4弾ですね。今回のデザインは?

h:見てのお楽しみ(笑)。いや、でも今回の3、4弾で一段落というか。新しい感じのバラとそれから最後はやっぱり基本のロゴと基本のバラでしめようかな、という感じです。新しいバラはベタな感じもなくていいんじゃないかと思いますよ。そしてもうひとつはリクエストというか、サマソニからアルバム~ツアーの一段落を付ける、というか。基本という感じで。そしてこれからまた次に進んでいこう、というか。

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