細野晴臣
New Album「Vu Jà Dé(ヴ ジャ デ)
2017年11月8日(水)発売

細野晴臣

New Album「Vu Jà Dé(ヴ ジャ デ)

2017年11月8日(水)発売

細野晴臣 初の2枚組ニューアルバム!

珠玉のカバー楽曲が収録されたDISC-1:EIGHT BEAT COMBO。
未発表新曲に加え、初商品化となるレア音源などファン垂涎のオリジナル楽曲で綴ったDISC-2:ESSAY。
各曲への思いやその成り立ちを書き下ろしたセルフライナーノーツをブックレットに掲載。
初回生産分はスペシャルパッケージ仕様。

  • 細野晴臣 / New Album「 Vu Jà Dé ( ヴ ジャ デ )
  • 2017年11月8日(水)発売
  • ジャケット
  • 2CD / ¥3,300+tax / VICL-64872~3
  • 初回生産分デジパック仕様・セルフライナーノーツ付き
収録曲
  • Disc1 : EIGHT BEAT COMB

    1. Tutti Frutti

    2. Ain't Nobody Here But Us Chickens

    3. Susie-Q

    4. Angel On My Shoulder

    5. More Than I Can Say

    6. A Cheat

    7. 29 Ways

    8. El Negro Zumbon (Anna)

  • Disc2 : ESSAY

    1. 洲崎パラダイス

    2. 寝ても覚めてもブギウギ ~Vu Jà Dé ver.~

    3. ユリイカ 1

    4. 天気雨にハミングを

    5. 2355 氏、帰る

    6. Neko Boogie ~Vu Jà Dé ver.~

    7. 悲しみのラッキースター ~Vu Jà Dé ver.~

    8. ユリイカ 2

    9. Mohican

    10. Pecora

    11. Retort ~Vu Jà Dé ver.~

    12. Oblio

細野晴臣「Vu Jà Dé(ヴ ジャ デ)」解説
文:加藤一陽(音楽ナタリー編集長)

細野晴臣の新しいアルバム「 Vu Jà Dé ( ヴ ジャ デ ) 」が完成した。前作「Heavenly Music」から4年半ぶりに届けられた新作はCD2枚組。今夏に70歳を迎えた細野の長い長いキャリアの中でも、CD2枚組の作品は初めてのことである。カバー集「EIGHT BEAT COMBO」とオリジナル音源集「ESSAY」で、合計20トラックという充実の内容だ。ちなみに細野のソロアルバムとしては、21作目となる。

カバー曲を集めた前作「Heavenly Music」がリリースされた2013年は、細野のソロ1stアルバム「HOSONO HOUSE」から40年という節目の年だった。その際音楽ナタリーでインタビューの機会を得たのだが、当時、細野は次作について「カバーってやりたい曲いっぱいあるので、入りきらないんですよね」「『Heavenly Music2』になるかもしれないし……わかんないんです。ただ、オリジナル曲のストックがあるので、それらをいつか完成させようとは思っています」と話していた。それを踏まえて今作を見てみると、タイトルこそ「Heavenly Music2」とはならなかったものの、カバー曲とオリジナル曲のストックがまとめられている。つまりどちらも形にしてしまったというわけだ。ちなみに本作には、細野が書き下ろしたセルフライナーノーツが同梱される。カバーの意図や原曲の解説、新曲が生まれた背景などが詳細に綴られており、細野ファンならずとも音楽好きであればぜひ読んでいただきたい内容だ。細野は著書も非常に面白いことで知られているが、細野が書く文章が好きな人であれば読まない手はない、そう断言しておこう。そういうわけで楽曲の解説はライナーノーツに任せ、ここでは「Vu Jà Dé」の聴きどころを紹介するにとどめておく。

まずはカバー集であるDisc 1「EIGHT BEAT COMBO」を見ていこう。ここに収められる楽曲は1940~60年代の名曲のカバーが計8曲で、ゆえに見方によっては「Heavenly Music」の続編として捉えることもできそうだ。すべてライブでは演奏されていて、実際「Tutti Frutti」「Ain't Nobody Here But Us Chickens」などは前作の発売直後にはすでにセットリストの中でも中核を担う役割を果たしていたし、細野のライブにこまめに足を運んでいるファンであれば一度は耳にしたことがあるであろう楽曲が並ぶ。音源化に喜んでいる方も多いはずだ。演奏は、細野の還暦の年である2007年に発表された「フライング・ソーサー1947」をレコーディングしたバンドを原型とするおなじみのメンバーによるもので、高田漣(G)、伊賀航(B)、伊藤大地(Dr)が中心。楽曲によってはコシミハル(Key)が参加している。彼らは前々作「HoSoNoVa」、前作「Heavenly Music」でもサウンドを支えており、細野が“歌うこと”に意欲的になっているこの10年、常に氏が志向する音楽を形にしてきた。

つまりDisc 1は、細野がカバーしたい曲を、なじみのメンバーとともにライブで繰り返しプレイすることで熟成させて、アルバムとしてパッケージしたものだ。そしてこの“バンドの成熟感”はこのアルバムの1つのポイントとなっているように思う。「Tutti Frutti」「29 Ways」などのグルーヴ感やライブ感は一朝一夕で生み出されるものではない。また「Angel On My Shoulder 」「More Than I Can Say 」などでは、朴訥としたアレンジの中でしっかり演奏に抑揚を持たせ、歌心溢れる細野のボーカルを盛り立てていることが感じられる。そういったところから「フライング・ソーサー1947」から続くバンドの1つの到達点を感じさせるような出来栄えと言えそうだ。しかし考えてみれば、細野が同じバンドメンバーを率いて10年間も活動を続けているのはすごい……氏はかねてから「バンドを解散させることが趣味」と公言しているのだから。またカバー曲の選曲について目を向ければ、ラストに「El Negro Zumbon(Anna)」というラテンナンバーをセレクトしているのが面白い。ここ数年ブギウギやロカビリーに熱心に取り組んできた細野だったが、本作の最後はどこか牧歌的なラテンナンバーで締めくくられることとなった。解説には「次回はそんな傾向のアルバムになる予定がしている。予告という意味を込めたつもりだ」と記されているが、果たしてどうなるか。今後のライブの方向性なども含めて、楽しみにしておこう。

そういえば若い世代の音楽好きの中には、細野をシンガーとして認識している人もいると聞く。最近は精力的にライブを行っているし、映画のサントラなどで歌うこともあるから無理もないかもしれないが、やはり細野はプロデューサー、レコーディングアーティスト(日本を代表するベーシストでもあるが)。そのサウンド面にも注目してもらいたいものだ。「フライング・ソーサー1947」あたりから、細野はリボンマイクなどを用いて録音を行い、古き良き時代のレコードを追求するようなサウンドメイクに取り組んできた。ミックスをすべて自身で行ったという本作においても、そういった方針が顕著に感じられる。特にDisc 1やDisc 2の「洲崎パラダイス」などは、アナログレコードのようなまろやかな音像がスピーカーの前にふんわりと浮き立つような仕上がりで、どこまで音量を上げても温かくて気持ちがいい。ナローで音像の真ん中がどしっとしたミックスバランスが現代において懐かしく、そして新しい。ちなみにマスタリングは日本屈指のマスタリングエンジニアである小鐵徹氏によるものだ。

オリジナル曲を集めたDisc 2「ESSAY」には、2014年に石川さゆりに提供した「寝ても覚めてもブギウギ」、2015年に中川翔子が歌った「Neko Boogie」などを細野が歌唱したバージョンや、「HoSoNoVa」収録の人気曲「悲しみのラッキースター」の“Vu Jà Déバージョン”、2016年公開の映画「モヒカン故郷に帰る」(沖田修一監督)に提供した「Mohican」の再録トラックなどを収録。実にバラエティに富んだ内容で、作家性やチャーミングな人間性など、細野の魅力がたっぷりと感じられる。その中でも特に嬉しいのは、1曲目に新曲「洲崎パラダイス」が収められることだろう。タイトルは1950年代の日活映画「洲崎パラダイス赤信号」(川島雄三監督)から取ったもので、今はなき赤線地帯である洲崎(現・東陽町)をモチーフとした楽曲。リスナーの多くはおそらく洲崎の風景をイメージすることはできないだろうが、それでもノスタルジーを感じさせるサウンドが面白い。映画の劇伴も数多く手がけてきた細野の“らしさ”を感じさせる、シネマチックな1曲となっている。

また、Disc 2でとりわけ細野ファンを驚かせるのは「RETORT」の“Vu Jà Déバージョン”ではないだろうか。原曲は細野が1989年に発表した「omni Sight Seeing」に収録されているインストだ。実はこの曲、発売当初にはインストにも関わらず、ブックレットには歌詞が記されていた。しかし「どうも上手く歌えないので、いつか誰かに歌ってもらいたい」として、インストとして収録されていた。そんな28年前の楽曲の歌曲バージョンが、ついに日の目を見ることとなったのである。歌を吹き込んだのは細野自身。精神の深淵を感じさせるような、ひんやりとした手触りの内省的なサウンドが懐かしい。「ESSAY」にはほかにもさまざまなCMやテレビ番組のテーマ曲などタイアップ曲を収録しているが、「RETORT」の歌入りバージョンが聴けるだけでも、とても意味深い1枚となっている。

駆け足になったが「Vu Jà Dé」の聴きどころを幾つか挙げてきた。このアルバムタイトルはデジャヴの逆の意味を持ち、“よく知っていることなのに、初めて知る・体験するような印象を受ける感覚”を表す言葉だそうだ。実にうまく本作を象徴していると思う。年長の音楽ファンは細野の視点を通すことで往年の名曲たちの魅力に改めて気付くことになるだろうし、若い音楽リスナーはまったく知らない音楽の世界の扉を開かれることだろう。個人的には、若い音楽ファンにこそ「Vu Jà Dé」に収められた古くて新しい楽曲を楽しんでほしい。そして、“本当に気持ちがいいサウンド”というものがあることを感じてもらえたら嬉しい。

先日「Vu Jà Dé」について、完成直後にスタジオで細野に話を伺った。次作の構想について水を向けたら、「まだまだやるつもり」と意欲を見せてくれた。これまでは、取材時も「これが“隠居後最初”のアルバムです」などと先のことをはぐらかしてきた細野が、である。再来年の2019年は、活動50周年。次の作品が2019年までに届けられるのか。それともその先になるのか。それは気長に待つとして、まずはようやく届いた「Vu Jà Dé」を心から楽しみたい。そして音楽ファンとして、このアルバムからたくさんのことを教わりたいと思う。

店舗別オリジナル特典

下記チェーンにて、ニューアルバム「 Vu Jà Dé ( ヴ ジャ デ ) (VICL-64872~3)をご予約・ご購入いただきました方に先着で、「細野晴臣“Vu Jà Dé”オリジナルポストカード」(各4種類)をプレゼント!

特典はなくなり次第終了となります。お早めにご予約ください。

  • オリジナルポストカード(A)
    Aタイプ
    • タワーレコード全国各店 / タワーレコードオンライン
  • オリジナルポストカード(B)
    Bタイプ
    • HMV全国各店 / ローチケHMV
  • オリジナルポストカード(C)
    Cタイプ
    • Amazon.co.jp

      Amazon.co.jp では、特典つき商品のカートがアップされます。
      特典をご要望のお客様は特典つき商品をお買い求め下さい。

  • オリジナルポストカード(D)
    Dタイプ
    • 楽天ブックス

      楽天ブックスでは、特典つき商品のカートがアップされます。
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    • 山野楽器CD / DVD取り扱い店舗 / 山野楽器オンラインショップ
    • 新星堂全国各店 / WonderGOO全国各店 / 新星堂WonderGOO楽天市場店

      一部取扱いの無い店舗もございます。

    • イケヤ全店
    • ビクターエンタテインメント オンラインショップ

    上記以外にも対象店舗がございます。詳細店舗名はこちらをご確認ください。

  • 特典のデザインは4種類です。対象店により、絵柄やカラーは異なります。
  • 特典は無くなり次第終了となります。
  • 対象店は随時追加となる可能性があります。
  • 一部お取扱いの無い店舗等もございますので、詳しくはお近くの店舗へお問い合わせ下さい。