「賢君へ」
古宇田昌子(65歳)埼玉県
きみは、このごろおばあちゃんにいじわるなことをいいますね。
たとえば、わたしがきみのうちへいくとすぐ
「わるいけどおばあちゃんいつかえるの?」
とききます。それは、おばあちゃんに
「しゅくだいやった?」とか「はやくねるのよ」なんていろいろいわれるのがいやなので、さきまわりして、おばあちゃんにごちゃごちゃいわさないくふうだろうとおもいます。
ママにたしなめられていますけど、でもおああちゃんは
「賢君、おとなになったわね」
とよろこんでいます。それはきみが
「もう、ようちえんじゃないよ」
とこころのなかでおもいはじめているからです。
そのしょうこに
「ぼくももう二年生だもの」
とよくいいました。
そこでおばあちゃんも賢君にあれこれいいたいのをがまんします。
いつだったか賢君に
「しゅくだいのことはママになん回もいわれてるんだからわかってる!おばあちゃんまでいわないでよ」
といわれたことがありました。
そのときから、わたしは賢君にあれこれいうのはやめようとけっしんしました。
ママもこのごろよくわかってきたとみえて、だまっているようです。おばあちゃんもあなたのようすをみていますが、やっぱり「がまん」はただしかったようです。

ところで賢君、あばあちゃんがいつもかんしんしていることですが、あなたは「ありがとう」とよくいいます。とてもかんじがいいです。それとちょってしゅくだいのことになりますが「本よみ」がじょうずですね。とくに「きもちをこめてよむ」のがじょうずです。本はたくさんよむといいです。学校のとしょしつからかりてくる本もおもしろいですね。
これからもたくさんかりてきておああちゃにもよませてください。
おばあちゃんはほんとうは「賢ちゃん」とよびたいのですが、きみのきぼうで「くん」とよぶことになりましたね。これもきみが「おおきくなった」ことをじかくしたあらわれでしょう。

このあいだ賢君から「どうしてむかしのテレビドラマをみるの?」ときかれました。「ぼくはすぎたことより“みらい”のほうがすきだよ」ともいいましたね。あなたがよくいう「もう二十一世紀だよ」ですものね。

賢君がうまれた時からずーっとあなたをみてきました。どんなひとになるのかな。たのしみです。

げんきのいい賢君!
みらいのほうがすきな賢君。
ときにはちょっとたちどまって、ゆっくりまわりをみまわしてください。わたしのおねがいです。

おばあちゃんより

可愛い孫へ出す人生最高のラブレターには、おばあちゃんの優しさだけでなく、孫の未来時間を愉しむ嬉しさが見えている。
プロデューサー/太田空真(生活デザイン研究所所長)
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