混声版「北極星の子守歌」の第1曲目に収録されているこの曲との出会いは、宇都宮室合唱団ジンガメルが混声版の初演をした時(96年12月)でした。当時僕は大学1年生、コンサートの手伝いでドアマンをやっておりました。
「北極星の子守歌」は最終ステージで、「入って聴いてもいいよ」とのことで、喜んで入っていくと、ちょうど始まるところでした。で、初めて聴いた「海」にいきなり魅了され、「白青」に惚れてしまったのでした。
中に入ったとはいえ、一応ドアマンなのでドアのすぐ近くで立って聴いていたのですが、終曲の「北極星の子守歌」が始まろうとした時、すごい勢いでドアが開いたのです。
…ええ、慌てましたとも。びっくりして見ると、新実先生ではありませんか。
…ええ、すごく慌てましたとも。だって「作曲家」という人種に遭遇したのはそれが初めてだったんです。
…なんでも乗った新幹線が架線事故とやらで2時間も遅れたんだそうです。その辺の詳細は混声版「北極星の子守歌」の楽譜巻頭に新実先生が詳しくお書きになってますのでここでは多くは書きませんけど。
終演後のパーティーの最中、新実先生のための「2度目の初演」を聴くことになったのですが、歌うほうも聴くほうもすでにかなり「いい気分」。なんだかんだで全曲やってしまいました。いやー、すみっこで聴いてた僕も感動しました。まあ、そのおかげでジンガメルは「酒豪」でないと入団できない、なんて噂もあったとかなかったとか・・・・・その後、僕が入団して噂の真相を知るのはそれから約1年後のことです…。
やがて仕事で東京に出てきて合唱を続けるうち、新実先生とご一緒する機会も増え、今に到ってはこの「白青通信」のスタッフをやってるなんて、あの時には考えても見ませんでした。
スタッフとて愛読者の一人、とても楽しくみなさんのエッセイを読ませていただいてますが、どの文章からも「白青」への愛を感じますよね。でもそれって「白青」がみんなにくれた愛へのお返しなんだなあ、と思うこのごろであります。
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