第4回 GUEST:
ライブ演出 齋川 光行
今回のゲストは私のライブで演出を担当して下さっているサイカワさんです。この人はスゴイのです!何がすごいかって、情熱が!とにかく、ひとつひとつのステージにそそぐ愛情の量が半端じゃありません。それゆえ彼のまわりには素晴らしいスタッフ(舞監やPA、照明などなど)もおのずと集まってきますし、当然信頼もあつく、常にたくさんの素晴らしくて楽しい人々と仕事をなさっている方です。
同時に、より良いステージを目指して妥協を許さないところや、冷静に事態を見つめるクールな側面も持っている人なので、そういうところがワタクシとしてはちょっとコワイ!
だってさぼってたり逃げてたりするとすぐバレるんだもん。げげー。でも自分に甘い坂本真綾には、齋川さんみたいな人がいないとダメなんです。
一度なんか、本当にびっくりした。ライブ前日、最後のリハーサルの日のこと。午前中からスタジオにこもりっきりで歌いっぱなしの私は、普段ならお弁当2個くらい食べれるはずなんですが、その日はなぜか夕食のお弁当が全然喉を通らず、ほとんど残してしまったんです。でもそんな事ふつう誰も気にしないし、気付かない。ところがサイカワさんは、しっかり気付いてた。私がいつもと違うんじゃないか、何か心配事があるのか、体調が悪いのか・・・と様々なケースを考え、本番に備えて対策をしてくれた。しかも私の知らないところで!あとになって、あのとき齋川さんがこっそり色んなことを心配して見ていてくれたんだと知ってびっくり。そして嬉しかったです。本当にあのとき、私の中に少しの不安が残っていたのを、斎川さんだけが気付いてくれた。ただ仕事をこなすだけじゃない、本当の意味でハートのある縁の下の力持ちです。
と、散々誉めちぎっておりますが、サイカワさんはどんなふうに私を書いてくれたのかしら。

(illustrated by maaya.)
回答者:ライブ演出 齋川 光行
1)いつもなんて呼んでますか?
呼び方はその都度変化します。
ライブの当日は『真綾さん』。通常スタジオ等では『Maayaちゃん』。
たまにボケかました行動にあきれたときは、ため息の後に『(一拍おいて)まあや・・・』。
本人は知らないと思いますが、昨年夏のとあるライブ後からスタッフの間では、『CO-HIME(小姫)』。ちなみに『HIME(姫)』と呼ばれるのは通称Y.K女史。

2)あなたの知っている「坂本真綾伝説」
昨年の『タナボタライブ2』のリハーサルスタジオでの話。
CO-HIMEは、ライブが近くなると緊張や興奮等、様々な葛藤からか、どうしても出て来てしまう「ニキビ」。それをなんとかしようと思ったHIMEことY.K女史。
リハスタに差し入れ×一杯。それはニキビ対策の自然食品。テーブル一杯に広げられた「THE NATURAL HOUSE」の食品群。
笑顔一杯のCO-HIMEは言った。『ありがとうございま〜す!♪ お気遣いとっても嬉しい〜』
ところが、夕食時にスタジオに響く元気な声、『エーッと私、カルビ焼肉弁当お願いしま〜す!』
思わず「なんじゃそりゃ!」と裏拳突っ込みを入れそうになった3人がそこに居た。

3)坂本真綾に「これはやめてほしい」と思っていること
無茶な意地っ張り。それは、みんなに心配掛けないようにと、ちっちゃな嘘をつくこと。

4)坂本真綾の1番の魅力は?
正確な答えになっていないと思いますが...なぜか目を離せられないところでは?と思います。
「大丈夫かな?」と心配すると意外にサラリとやり遂げ、安心して見ていると意表をつく失敗をする。スタッフに限らず、誰もが目を話せられない状態に引き込まれてしまう。

5)坂本真綾は○○に似ている。
自然に例えると
・・・・・・草木が芽吹く『春の風』
動物に例えると
・・・・・・多々不満が聞こえそうですが『ゴマアザラシの赤ちゃん(生後3カ月)』
食物に例えると
・・・・・・とんトロ『ネギ塩焼き』

6)坂本真綾の第1印象は?
超越的な「人見知り」で「照れ屋」。
いつかというと初打合せの場、ビクターミーティングルーム。 齋川も多分に漏れず人見知りなので、他の人達が遅れていて、Teamビクターの佐々木部長と3人で待つ間、本当に辛かった。何か話さねば!とホッケの話をしたのを覚えています。

7)坂本真綾の弱点を知っていたら教えて下さい。
『あふれる感動』。弱みですが、最高の長所です。これがなけりゃ全てが始らない。

8)坂本真綾の曲の中で最も好きな曲をあげて下さい。
『Gift』。『I.D.』。『bitter sweet』。『another grey day in the big blue world』。
『ヘミソフィア』も現在はプラス1。

9)一緒にお仕事した時の出来事で、印象的なことは?
ライブのとき「結構、強いとこ−あり」と思うことが最近はちらほらあります。
昨年秋の『GAKU-SAI LIVE〜その2〜』のこと。この日、スタッフの間では、妙な緊張感に包まれていました。実は、この日のLIVEは学祭LIVEツアーのファイナル(でも2回目)と言うことで、サプライズを2つ程、用意していました。
LIVEは始り、歓声の中、時は進んで行きます。サプライズNo.1『Life is good』。本人のみ内緒で、キャノン砲×2、会場に飛び出す銀箔の嵐。ビックリして海老式後退するCO-HIME。もし歌が止まっても大丈夫なようにコーラス須藤氏のサポートも用意していましたが、グチャグチャになった歌をぶつ切りながら取り戻す。その強引さにスタッフ舌を巻く。 曲が終わる頃には、とても楽しそうな笑顔。スタッフ唖然。そして、LIVEはいよいよアンコール。
サプライズNo.2『ポケットを空にして』。これは、メンバーにもはっきりと知らせていなかった。 アコーディオンを弾きながら登場するHIMEことY.K女史。これには本当にビックリしたようで、目から涙がこぼれ落ち、歌はメロメロ。(もう一人涙していたTeamビクター井上女史もあり)
ところが、曲が進むにつれ「・・・こ、こいつ、この状況を楽しんでやがる・・・」と思えるような余裕の笑顔。なんと!立ち直りの早い、恐るべし『坂本真綾』どの。

10)そんなこんなはありますが、坂本真綾をひとことで言うと?
ポッカリ浮かんだ−未知なるHERO-(なぜか?HEROINEではない)

11)最後にサカモトさんにご自由にメッセージをどうぞ。
今年は、晴れて大学卒業。目標やら希望やら色々とあると思います。
そして、今年も「厳しく」「つらく」そして「楽しく」、一つずつライブを達成して行くように頑張りましょう。
実は、勝手な希望(目標)がひとつあります。それを早めに達成出来ると嬉しいです。



どうも、小姫っす。え〜!齋川さんたら、シブイ選曲。「bitter sweet」がお好きとは。シブイ。「ヘミソフィア」はトラックダウンのスタジオで、できたてホヤッホヤのやつを、齋川さんも一緒に聴いたんだったな〜。聴き終わって、気付くと自分の曲なのに感動して号泣の私がいて、その横で齋川さんはクールに「ほぅ」とか言ってたんだけど、そうかー、ちゃんと気にいってくれてたんだー。わからんかった。ははは!よかった、早くライブでやりたいね。
それから、なんでアザラシ?!ゴマアザラシって、なんかぽっちゃりしてるし、白いし、ゴロゴロしてるし、鳴くし、動き遅いし・・・どこが似てるんだ!!むむむ。それにしても、サイカワさんの言う「勝手な希望」ってなんだろう。気になる。どうしよう、ものすんごい事だったら。でも私の信頼するスタッフ齋川光行の言うことなら、きっと素敵なことに違いない。いつか実現しよう!(まだ内容聞いてないっつーの。)