INTERVIEW

Cornelius Interview 2/3 

--「ミュージック」は知ってました?

「もちろん。ウチの子供がよく聴いてたし(笑)。かっこいい曲だと思ってたよ。最初は違う曲が(リミックスの)候補として来てたんだけど、やるならこの曲がいいなと思って」

--サカナクションの側から何か要望はあったんですか。

「いや、特にはなかった」

--オケはすべて入れ替えですか?

「うん、元のオケはほとんど使ってないかな。歌は全部使った。元のオケと逆の感じにしたかったんだよね」

--逆の感じ、とは?

「音色とか。元はエレクトロニックな感じだったから、逆にしようと。エレキだったのをアコギに代えて、ベースは生だったのをシンベ(シンセ・ベース)に代えて、ドラムは打ち込みだったのを生っぽい音源に代えて、みたいな。逆の方向でやろうかと思った」

--なるほど。それでヴォーカル・トラックだけを残して、あとは全部作り直して。

「うん、そうだね。あとは…リミックスする時はいつもなんだけど、初めて聴いた人が普通に、最初からこういう形なんだって思うような仕上がりにしたいと思った」

--自分の曲をリミックスしてもらったときに嬉しいこと、というのは意識しますか。

「あ、それも考えるかな。(リミックスされる時は)頼んだ人っぽい感じが出てて欲しいしね。だから自分らしさを出すことは意識する。あとは、ちょっとびっくりして欲しい」

--こう来るか、みたいな驚き。

「うん、そうそう」

--今回メロディをちょっと変えてませんか。

「うん、何音かいじってる所がある。コードを変えたんで、ぶつかるところが出てきたりしたからね。コーラスもけっこういじってる。元のコーラスはユニゾってるところを全部ハモに変えてみたり、そういうことをやってる」

--ユニゾンで歌われているコーラスをハーモニーに変えたと。作ったオケに合わせてヴォーカルやコーラスを微調整したということですね。

「うんうん、そう」

--それは手間のかかるものなんですか。

「わりとね。一旦やりだすと、とことんやっちゃうよね(笑)。声が思ったより入ってて。何人かで歌ってるんだけど、ラインがかぶってたりするところがあったから、きちんと三声に分けたりとか、そういうことはやった」

--サカナクションの曲はリミックスの対象としてはやりやすい方ですか。

「そうだね。歌がはっきりしてるから、抽象的なインストなんかよりは、オケは作りやすいかもしれないね」