Q&A

小島康太郎( Mastering Engineer ) Q&A

--今回のシングル作品「さよならはエモーション/蓮の花」のマスタリング作業にあたって、制作/録音された環境、音響バランスも異なる複数の曲を手がける上で、どのようなアプローチで臨みましたか?

「私の場合、他のアーティストでもそうなのですが、先ず楽曲を聴いて、その後アーティスト達の要望を確認してから音作りをしていきます。アプローチとしては、それらの要望プラス、音源が元々持っている良い(おいしい)ところを引き伸ばしていくようなイメージで作っています。前回のアルバム『sakanaction』ではメンバーと話をしながら進めましたが、今回はマスタリング当日に『蓮の花』のミックスがまだ終わっていなくて、基本、私に「おまかせ」状態で作っていきました。『さよならはエモーション』に関しては、ミックスを担当した土岐さんとも話をしながら進めました。土岐さんはマスタリングに立会うのが初めてだったので、マスタリングで出来ることや変化についての説明をしました。最終的には、マスタリング前、マスタリング後の音をメンバーに聴いてもらって進めました、殆ど修正は無かったかと思います」

--これまで手がけてきたサカナクションの他作品との違いは何かありますでしょうか?

「今回は全4トラックでしたが、全てのトラックのエンジニアがそれぞれ違うというのは初めてでしたね。彼らの楽曲はいつも個性的ですが、エンジニアが全員違うので更に個性的でそういう意味ではむずかしかったですね」

--これまで数多くのサカナクションの作品を手がけてこられましたが、今作品「さよならはエモーション/蓮の花」は小島さんにとってどのような位置づけの作品になりましたか?

「今までサカナクションの作品に関しては、2nd AL『NIGHT FISHING』、 1st Sg『セントレイ』、5th AL『DocumentaLy』、 6th Sg『僕と花』、7th Sg『夜の踊り子』、8th Sg『ミュージック』、 6th AL『sakanaction』と関わってきましたが、今回の作品は彼らにとって、今まで何度かターニングポイントがあったとおもいますが、今回の曲も次のステージに行くためのきっかけになるものになったのではないかと思います」

--サカナクションの好きな曲とその理由をお聞かせ下さい。

「好きというか気に入っている曲はたくさんありますが、一つ選ぶとすれば、『エンドレス』ですかね。この曲は特に展開が段階的に変化する わくわくする曲なので!」

質問作成:小野島大