セルフライナーノーツ
【アルバムタイトルについて】 エメラルドは言わずとしれた有名な宝石ですが、実はほとんどのエメラルドが内に傷を持っていて、硬度は高いのに一定方向からの力にはすごく弱く割れやすいということを知りました。傷を抱えながらも、美しく輝いているエメラルドは、まさに人の心のようだと思います。Salleyの楽曲のテーマとも通ずるので、今回のアルバムタイトルを「エメラルド」にしました。だけど実は私の誕生石がエメラルドで、昔から好きな色なので、という理由もあります(笑)(うらら)
1. 流星ラヴァー
上口君のデモの段階で、宇宙のイメージが浮かびました。自分が抗えないくらい大きな、だけど魅力的な力に引っ張られてしまう、そんな恋の歌です。「冬が咲く」でも手伝っていただいたJAMさんに補作詞をお願いしたのですが、元のままでもすごくいい歌詞と言っていただけてとても嬉しかったです。ところどころで韻を踏んでいるのがお気に入りです。(うらら)
アルバム1曲目を飾るのはプロデューサー田中隼人さんと一緒に作ったこの楽曲。煌びやかな音色やスピード感のある気持ちのいい打ち込みが印象的な曲になりました。仕上がりの手順としては今まで通り曲先で作りうららに歌詞をつけてもらい、コード進行や構成のアレンジをまた僕がして、そこから更に田中さんがブラッシュアップして下さるという感じでした。この曲で田中さんが新しいSalleyの扉を開いてくれました。Salleyのこだわりと田中さんのこだわりがしっかりミックス出来たカッコイイ楽曲になったと思います。
(上口浩平)
2. キスしてbaby
汗をかくのを嫌がる人が多いけど、汗をかかない夏なんて夏じゃないと思いませんか。爽やかな楽曲なのに、爽やかなだけじゃない、私らしい歌詞になっていると思います。あと、私が実年齢よりも年下に見られることが多いので、そんな子どもじゃないんだよ?という個人的な気持ちも込めています。大人うららも感じて欲しい一曲です。(うらら)
この曲も新しいSalleyをみせたいなぁという思いで作りました。サビのメロディーラインもちょっと変わった感じに出来て凄くお気に入りの一曲です。ドラムの中村優規さんのプレイもめちゃめちゃカッコいいです。打ち込みでは出せない生ドラムのグルーヴ感も感じて欲しいなぁと思います。個人的にはバッキングギターのストロークもこだわりながら弾いたのでそのグルーヴも注目して聴いていただけると嬉しいです。(上口浩平)
3. 籠の中
実はデビュー前にレコーディングしたこの曲は、まさに「名曲」。もがいてももがいても苦しくなるばかりなのに、もがくことをやめられない。2番サビの「君が恋した あたしはどこだ」というフレーズから書きだしました。恋に「おちて」しまったことがある人は、必ず共感していただける歌だと思います。(うらら)
ディレクターから「ホントいい曲!」と言って頂いたこの楽曲。楽曲自体は本当昔からあっていつ出来たのかも覚えてないくらいです(笑)レコーディングも2年くらい前にしたと思うのですが、サウンドチェックの時にうららが「なんか凄く良い曲になりそう!」と言ってたのを今でも覚えてます。結果、哀愁感たっぷりの切な良い曲になったと思います。徐々にリスナーに浸透していって、いつの間にか虜になる。そんな中毒性の高い楽曲になったと思います。(上口浩平)
4. #581
読みは「ナンバー・ファイブエイトワン」。多分、その名前でちゃんと呼ぶ人は上口君・Salleyスタッフ含め誰もいないでしょう。(笑)この数字は実は、この曲を書くときにイメージしたネイルカラーの色番です。デモで聞いたときから、「私の好きそうな映画で流れてそうな曲」と感じたので、働くシティガールが主人公の映画の様なイメージで書きました。私の音楽プレイヤーの再生回数は、この曲がトップです。(うらら)
自分の音楽史上最も良いドラムの音が録れたと思います!エンジニアの星野さん、ドラムの中村さん、そしてビクタースタジオに感謝です(笑)あとこの曲はうららの歌のテイク、歌詞もお気に入りでそこもうららさんとディレクターに感謝です(笑)それからギターのバッキング、ソロどちらのテイクも満足行くプレイが出来ました。テンションを少し抑えた大人でオシャレな曲になったと思います。(上口浩平)
5. Life
打ち込みで無機質なのに、アコースティックギターの音に温もりがある。その聞こえ方から浮かんだのが、恋人以上夫婦未満という立ち位置の「同棲」でした。歌い方も、その二人の住む小さな部屋の中で歌っているようなイメージで。お気に入りは、「(二人の未来を人があれこれ)予想したり口出したりうるさいね」という歌詞の部分で生ドラムの音が入ってくる部分。上口君が歌詞を汲んで、「うるさい」を表現してくれていたと知ったからです。そこからサビに入ってその雑音が消え、また二人の世界に帰る感じもすごく好き。この曲の好きな部分を語りだすと止まらないのでこの辺で。(うらら)
アルバムもこの曲あたりからどんどん深い所に連れてってくれる感じがすると思います。この曲のアレンジはデモとほとんど変わってなくて、逆に言うとデモの段階で既に世界観が出来てたと思います。イントロや間奏のたどたどしいピアノは僕が弾いているんですが、そのたどたどしさがヒューマンな感じがして結果オーライだったと思います(笑)打ち込みの無機質さとうららの声やアコギの指弾きのあたたかさ心地よくて僕自身も大好きな曲です。(上口浩平)
6. 眩暈
実は一番最初に上口君と二人で作った曲の一つ(もう一つは「その先の景色を」)でしたが、歌詞は今回丸ごと書き直しました。情景と心情が混ざり合って目に浮かぶような歌にしたくて、表記もわざと漢字ばかりにしてみました。歌っていて気持ちいい曲No.1です。上口君のオクターブ奏法がロックで泥臭くてかっこいい。キーをかえて男性にも歌ってみてほしい曲です。(うらら)
今回のアルバムの中で一番ダークトーンな楽曲です。曲自体は2ndシングル「その先の景色を」と同時期に出来ていました。サビのギターアレンジを色々考えてたのですが、出来た当時のフレーズが一番良かったので本番のレコーディングも同じように弾きました。日頃オクターヴ奏法はあまりしないのですが、その奏法によって楽曲のロック感やパワー感をアシストしてくれたので結果やってよかったと思ってます。哀愁漂うギターソロも是非聴いてほしいです!(上口浩平)
7. グッバイ
今回初めて自分で歌詞を書かずに、ボーカリストに専念してみました。その試みのせいなのかわかりませんが、Salley史上一番高い声を出すことになりました。たかっ!と感動してほしい。(笑)「流星ラヴァー」を補作してもらったJAMさんに歌詞をお願いしたのですが、自分で書いたものではない歌を歌う、というのは、なんだか少し大人になった気分でした。今までのSalleyにない試みばかりの曲なので、新しいSalleyを感じていただけると思います。(うらら)
今回のアルバムではシンセや打ち込みを積極的に取り入れたいなぁと思ってて、この曲はそういったアプローチでガラッと雰囲気が変わった曲でもあります。鍵盤の鈴木謙之さんもボーカルに絶妙に絡む最高のテイクを残してくれました。ちなみにサビのギターアルペジオは合計4本のギターが重なってます(笑)アコギで弾いたりエレキの音色を微妙に変えたりとこだわりの部分でもあるので、その音の心地よさも感じてくれたらなぁと思います。(上口浩平)
8. 冬が来る
単体ではなくアルバムで通して聴くことによって、イントロで「きたきたー!」と感じていただける曲になったと思います。冬が来る来たー!って。ややこしいけど。今回のアルバムの中で唯一のシングル曲なので、力がある。テンションがあがるという部分では、やっぱりこの曲が一番だと思います。リリースが夏じゃないかとかそんなの関係ないくらいに、アガります。(うらら)
アルバム用にマスタリングし直しました。よりエネルギッシュに、そしてクリアになったと思います。個人的には前の曲「グッバイ」からこの「冬が来る」の流れが凄く好きで、シングル単体で聴いた時とはまた違った印象になると思います。あとこの曲は山口寛雄さんのベースがメチャクチャかっこいい!ウネるベースラインにも注目して聴いて欲しいです。(上口浩平)
9. Key
歌詞の大きな流れはできていたけど、細かいリアリティをぎりぎりまで悩んでいました。モデルにした友達に連絡して、アドバイスをもらって結果とても良い歌になりました。その友達の傷は多少掘り返したかもしれませんが(笑)歌い方も今までの曲と少し変えているので、そこも楽しんで聞いてほしい。あと、サビのシンプルなギターが好き。(うらら)
今回のアルバムの中で一番シンプルなアンサンブルになったこの楽曲。演奏している人の顔が見える曲になったと思います。ドラムは中村優規さん、ベースは高間有一さん、鍵盤は山本健太さんで、Salleyではお馴染みのこのメンバーだからこそシンプルな編成で出来たのかもしれません。うららの歌も歌詞も攻めてて凄くカッコイイ曲になりました。3ピースでも出来るシンプルなアレンジなので誰かコピバンとかでやって欲しいなぁ(笑) (上口浩平)
10. Boys&Girls(Album Mix)
自己完結ではない、メッセージソングというものを作りたくて書きました。Salleyの楽曲はいつもどこか哀愁とか切なさをいれていたけど、ただただ前向きなものにしました。難しく考えずに、「今」好きなことを、やりたいことをやればいい。最後の「ラララ」は、ライブでみんなで歌える箇所なので、ぜひライブにきてみんなに歌ってほしいなと思っています。(うらら)
この曲を作ってる時、頭の中で男の子と女の子が全力疾走してる映像が流れてました。そしたらうららから送られて来た歌詞がそのイメージにぴったりの内容だったのでびっくりしました(笑)疾走感溢れる仕上がりになり、ライブで演奏したら気持ちいいだろうなぁと一人でニヤニヤしてます。ドラムは打ち込みでベースは高間有一さんに弾いてもらってます。高間さんのベースも粘っこくてかっこいいので必聴!(上口浩平)
11. 夏はゆく
とてもSalleyらしい爽やかで切ない一曲。曲も歌詞も「ポップス」という感じ。この曲を聴くと、私は旅行に出かけたくなります。ドライブにぴったり。同じ夏の爽やかな曲でありながら、「キスしてbaby」とは対照的な曲なので、夏真っ盛りの暑さと、夏が終わる爽やかな切なさの両方をこのアルバムで感じていただけると思います。(うらら)
この曲はとにかく細かい事は気にせず気持ちよく演奏しようと心がけました。本来のSalleyらしい等身大のアレンジが出来たと思います。透き通ったチャーチオルガンの音色、突き抜けるようなスネアドラムの音、力強くて粘っこいサビのギターリフもお気に入りです。これ流しながら海岸線とかドライブしたいなぁー(笑) (上口浩平)
12. Love Song
応援してくれる全ての人を思い浮かべながら書いた曲です。それは、いつも傍にいてくれる人達から、遠くの友人や、そしてもう会えない人まで含めて、みんなに届くように。そんな気持ちで歌いました。(うらら)
包み込んでくれるような気持ちのいい風を感じれるバラードになりました。あたたかさや優しさをこの曲で感じとってくれたらなぁと思います。ギターソロもしっかり一音入魂出来て、音・プレイ共に最高のテイクを残せました。うららのしなやかで強くて優しい歌声、歌詞もラストに相応しいです。Salleyを応援してくれる全ての人に、感謝を込めながら作った今回のアルバム。是非沢山の人に聴いて頂きたいです。(上口浩平)