NEW RELEASE

ヒズミカル
2010.1.22 release

THE ZOOT16 | ズートシックスティーン“ヒズミカル”

  • VICL-63519 / ¥2,500(tax in)
  1. 01. エメラルド
  2. 02. ヒズミカル『ヒズミカル』をWindows Media Playerで試聴する
  3. 03. Key word(16 version)『Key word(16 version)』をWindows Media Playerで試聴する
  4. 04. Red Motelの朝
  5. 05. サンタ・マルタで恋をして
  6. 06. さよならバルセロナ『さよならバルセロナ』をWindows Media Playerで試聴する
  7. 07. CLEAN UP BABYLON
  8. 08. ひとつの花
  9. 09. エスメラルダ
  10. 10. ガスティスの夜『ガスティスの夜』をWindows Media Playerで試聴する
  11. 11. LUNA
  12. 12. Moonlight『Moonlight』をWindows Media Playerで試聴する

SELF LINER NOTES

プロローグ

今回のニューアルバム『ヒズミカル』の解説を渡辺俊美が自ら説明したいと思います。何故ならば、3年半ぶりの作品という理由は勿論ですが、僕が何故メジャー・レーベルで作品を出したかについてその想いを伝えたかったからです。

前作『完全逆様な世界』や過去に自らのレーベルから出した多数の作品は、僕にとって最高の宝物になっています。そして、その経験は身体に染み付いています。それこそ、やろうと思えばいつでも出来ます。しかし、会社を経営しながらTHE ZOOT16をやるのにあたって、一つ気になっていることがありました。それは『矛盾』です。自分の行動していることと、歌っていることが矛盾しているなぁ〜と、3年前に思ったのです。大小関係なく、会社という組織をやっていながら『組織』を批判したり、『権力』に対して否定するという、代表取締役・社長という立場でそういう事を歌っている自分に、矛盾を感じました。でも、作品自体には矛盾を感じてはいませんよ、僕はその時の気持ちを正直にウソなく歌っているし、全ての音楽には罪はない!と思っていますから。まぁ簡単に言うと、ミュージシャンだけやりたかったのです。会社で儲けるお金の事とか人を動かす事とかで怒ったり、考えたりする事が疲れたんだと思います。

僕は、アパレル関連の会社を20歳の時から始めて20年やったので、節目の40歳の時に全て人に渡しました。そんな悩んでいた時(2006〜2007年)に、SOUL SETに新しい事務所やレーベルからの契約の話がありました。自分を見つめ直す良い切っ掛けでした。そして、僕にとって新たな音楽人生が始まりました。SOUL SETのレコーディングが始まる前に、長い休みが取れないかと思い、初めて仕事抜きで海外旅行に行きました。前から行きたかったスペイン・バルセロナはとても刺激的でした。好きなサッカーを観戦し、好きなアーティストのライブを見て、スケボーで街並を滑って、ギターを買ってストリート・ライブして、チープな食事とワインの旅は今までにない自由さを感じました。その時SOUL SETだけではなく、1人でもライブが出来るようにTHE ZOOT16も続ける!と決意しました。ひとりでもライブをするスタイル『THE ZOOT16 G・B Version(ギターとバスドラム)』の誕生です。

自信が持てなかった最初の頃は、MCの時に、自らに言い聞かせるため『1人で出来ない事は2人でも出来ない!』という言葉を繰り返し言っていました。そして現在、ほとんど週末は日本の各地でそのスタイルでライブが出来るようになりました。ライブを多くやった『馴れ』ではなく、自分の歌に対する『自信』が付きました。歌を歌う事が好きなのではなく、歌いたい事があるから歌うんだ!とハッキリ解りました。

そして、そんな地味な活動をひっそりと見てくれてた人がいました。スピードスターレコーズの制作をやっているK氏です。K氏はSOUL SETが活動休止するちょっと前(1999年)に宣伝担当になり、仕事という仕事をさせないまま色々迷惑をかけてしまった人です。そんなSOUL SETの猛毒に冒された人が、その毒が切れてまた飲みたくなったのか?はたまた、『毒には毒を』とばかりに、この10年間で培った自分の毒を今度は僕に注入したいのかは定かではないが、去年の暮れに声をかけてくれました。二人で初めてミーティングした時、色んな話をして僕はK氏に凄く『愛』を感じました。僕はメジャーという意識は全く無くなり、ただこの人と一緒に作品を作りたいと思いました。レコーディング中も余計な口を挟まず、ただ見守っていてくれました。僕を信用してくれたのです。過去にやっていた僕の『D・I・Y精神』を崩す事なく自由にさせてくれました。

3年前に『ミュージシャンだけやりたい』という決意で始めた新たな人生だが、今回のレコーディングが終了して直ぐ思ったのは『やっと、ただのミュージシャンになれた』でした。そういう想いにさせてくれたK氏に本当に感謝します。ありがとうございました。そして、今回のアルバム『ヒズミカル』は、この新作が出来る3年半の間にお世話になった人が沢山います。が、申し訳ないがその人の為とかではなく、あえて、自分の為に書きました。自分はどう生きたいのか?どう生きて死んで行くのか?が大きなテーマになりました。決して、世に溢れかえっている無責任な応援ソングではないです。難しい言葉も強いメッセージもありませんが、勝手に深読みするのはOKです(笑)。『ずっと、16歳』と名乗っていますが、今の僕、『渡辺俊美』を歌ってます。是非、聴いてみてください!!!

THE ZOOT16・渡辺俊美
01. エメラルド

ピアノ、ローズ・ピアノ、ハモンド・オルガン、ピアニカ等、鍵盤の音色は沢山あるがアコーディオンの音色が僕は1番大好きだ。中近東、北アフリカ、ヨーロッパのジプシー(ロマ民族)音楽や南米音楽が好きな僕の表現する音楽には欠かせない音色なのだ。「エメラルド」は、南米の北端に位置するコロンビアを代表する音楽“クンビア”(カリブ船沿岸の黒人たちが多く住みついた漁村を中心に広がった音楽)を僕なりの解釈で、最初から1曲目はコレにしようと思って作った曲です。皆さんが知っている宝石・エメラルドはコロンビアが最大の産出国というのもありますが、エメラルドの石言葉「幸運・新たな始まり」がグッと心に響いたので今回のアルバムに想いを込めて曲名にしました。

02. ヒズミカル『ヒズミカル』をWindows Media Playerで試聴する

演奏自体のイメージやメロディーは最初からあったのですが、歌詞を書くのに自分自身と向き合う時間が長くかかりました(この曲だけでなく全てです)。レコーディング中、自分が何をしたいのか?自分は何なのか?自分は今、何が言いたいのか?気付くとそんな事ばかり考えていました。そんな時、尊敬する永田耕衣(1900~1997)という日本の俳人が、書家・井上有一(1916〜1985)の書いた字を見て「彼は変な字を書いて,一見崩れているように見えるんだけども,決してそうではない。自分を責めて、責め抜いて、とうとう理想の書を完成させた。今や世に類例のない書家として独り立ちしている彼の書を、私は『ヒズミカルな字』と表現しました」というインタビューを古本屋で読みました。その瞬間、決まりました。『ヒズミカル』=『孤独』をテーマにしました。
万人に解るものより、自分を失わない孤独な人に伝わればイイと思いました。これは,決してネガティブな気持ちではないですよ。人も物も単一化が増殖している現在、多数に逃げるのではなく世の中に1つしかない自分の存在を改めて知り、他人(ひと)に生かされながら、自分でしっかりと生きることを歌いました。僕自身、ヒズミカル(歪みとリズミカル)な人間になる!という決意で自分自身の為に書いた曲です。

03. Key word(16 version)『Key word(16 version)』をWindows Media Playerで試聴する

TOKYO No.1 SOUL SETの98年の曲をカバーしました。10年経ちましたが、僕が生まれて初めてギター1本で作った曲です。色褪せない名曲だと思ってます。その1年位前に、SOUL SETのMUSIC VIDEOを製作してくれてたタケイ・グットマンの結婚式場で、ブールーハーツの「君のため」を僕がSOUL SETの代表として歌いました。僕はなんだか変な気分になりました。その以前にも、親友や知人の結婚式で自分がミュージシャンなのに、他人の曲を歌うのに違和感がありました。「Key word」のデモが出来た時、BIKKEに歌詞を初めてリクエストしました。『結婚式に招待されたときに歌える曲にしたい!』と、、、、酔っぱらって夜が明ける頃に言いました。しっかりと覚えています。BIKKEは直ぐ書いてくれました。そして、一生歌える作品が出来ました。だから今回、BIKKEに対して恩返しのつもりで、気持ちを込めて歌いました。BIKKE!素晴らしい歌詞をありがとう。
※オリジナルは、TOKYO No.1 SOUL SET 1998年リリース・シングル「夜明け前」のc/w曲として収録。

04. Red Motelの朝

最初、曲名を「売春宿の朝」にしたかったのですが、A&RのK氏が下ネタが苦手な人でやめました(笑)。はじめ、仮歌があったのですが、思うように歌詞がハマらなかったので途中でインストゥルメンタルに変更しました。過去のTHE ZOOT16の作品を聴いている人であれば気付いていると思いますが、今まではサックスがメインでしたが、今回新たに加わった楽器があります。そう、トランペットです。素人で、若く、顔は渥美清や矢野顕子に似ていて、今年の頭にプロを目指し東京にやってきた大阪出身輩で、サックスの遠矢と同じ次男坊のマツムラ ユウジ(ちなみに、兄貴は前から知り合いの佐川急便で働く通称「バウ」、最近結婚しました。バウ結婚おめでとう!)です。ユウジは元々メローなJAZZフレーズが得意なので僕が求めるラテン特有のパンチが効いた音色を出すのに苦労していました。中々イメージ通りにならなかったので、最後はフルチンで吹いてもらいました。そしたらイメージ通りになりました。南米のコロンビアとベネズエラの国境近くにある売春宿に泊まり、朝早く起きて、目的地が定まらないまま急ぎ足で旅をする孤独な人をイメージしました。いずれ僕もそんな旅をしたいなぁ〜、、、、と。

05. サンタ・マルタで恋をして

コロンビアのカリブ海沿岸にある観光地サンタ・マルタ。生きている間に必ず行ってみたい所です。綺麗な景色を見たさにサンタ・マルタに行くが、内戦に巻き込まれる。しかし、そこで出会った素敵な女性と恋をする、、、でも、最後は機関銃で撃たれて二人の果無い恋は、、、、的なっ!まぁ、僕の勝手な妄想クンビア・ソングです。

06. さよならバルセロナ『さよならバルセロナ』をWindows Media Playerで試聴する

2002年からTHE ZOOT16を始めたが、活動して行く中でいちばん影響されたアーティストがいる。それは、MANU CHAO(マヌ・チャオ)だ。MANO NEGRA時代からの音楽センス、思想とそれに伴った行動力は、いつの間にか僕を虜にしていきました。そしてこの曲「さよならバルセロナ」は、そのMANU CHAOの曲「Rumba de Barcelona」をモチーフにしました。サックス&トランペットのソロがとても気に入ってます。歌詞は、MANU CHAOに虜になった自分を客観的に見て、何回も繰り返されるサビの部分を季節に置き換えて表現しました。そしてAメロの部分は、同じミュージシャンなのにそこまで憧れる必要はないのではないのか?自分にもっと自信をもったミュージシャンになれば良いのではないのか?という、自問自答の歌詞です。そんな意味でタイトルは「MANU CHAO」=「バルセロナ」にして、親バナレ的な感じでMANU CHAO離れ、、、=「さよならバルセロナ」にしました。

07. CLEAN UP BABYLON

今年の4月にディスク・ユニオンから、世界を代表するNYのスカバンド、The Slackersのボーカル/Vic Ruggieroと『MEATBALL AND SUSHI PARTY』というスプリットアルバムをリリースしました。その中に「死んでしまうことがわかっているなら」という新曲を書きました。この曲「CLEAN UP BABYLON」は、その「死んでしまう、、、、」をアレンジして、ハードなインストゥルメンタルにしました。僕はこの何本も重ねたアコースティックギターのリフのメロディー聴くたびに気持ちが上がるので、今後THE ZOOT16のLIVEのSE(登場曲)はこの曲にします!
「CLEAN UP BABYLON」の BABYLONの意味は、レゲエ用語でラスタファリアンの考えの一つで、権力や罪悪が集まった場所や物の象徴として使われていて、具体的には警察や政治家など権力を持つ者を指したり、西洋文化に支配された都市などの事を言う。僕はラスタファリアンではないが、90年代の頭頃からアメリカ合衆国の市場原理主義・新自由主義が世界中に進められ、国境を越えて資金と物資を自由に動かすというグローバル資本主義が凄く大嫌いなので、僕がいう「BABYLON」はその権力や金にしか興味のないグローバル資本主義者を差しています。そんな奴らを「掃除してしまえ!」というメッセージです。ちなみに「CLEAN UP BABYLON」という言葉は尊敬するDJ・藤井悟(CARIBBEAN DANDY )さんが数年前に考えました。悟さん、いただきます!!!

08. ひとつの花

僕はレゲエ・ミュージックが好きだ。「本物」でなくてもイイのだ。純粋に心地よい「レゲエ・ミュージック」が大好きなのだ。それでイイのだ!トランペット・ユウジに試しにやってもらった(一発OK)ミュートの音色は、更に孤独感が増しているのが気に入ってます。そして、アルバムの中でこの「ひとつの花」の歌詞が一番スラスラと書けました。テーマはもし自分が女性だったら、、、でした。もし、自分が女性に生まれたら花のように生きたいと思っています。決して派手ではなく、歌詞に書いてあるようにちょっとした「音」や「色」に気付きながら小さく長く生きたいのです。そして、静かに老いを楽しみながら、いつも笑っている可愛いおばぁちゃんになりたいのです。たぶん、僕はそんな女性がたまらなく好きなのかもしれません。

09. エスメラルダ

1曲目の「エメラルド」は古フランス語で、この「エスメラルダ」はスペイン語です。「エメラルド」と同じメインのメロディーをトランペット1本で奏でてもらいました。僕のOKが出るまで、日を跨いでかなりの時間がかかりましたが、ユウジが一生懸命やってくれました。人生初のレコーディングでトランペット1本のソロは、彼の長い音楽人生の中で必ずイイ思い出になると思います。余談ですが、彼のあだ名が決まってません!僕が付けたあだ名を嫌がってます。あだ名ではなくアーティストっぽい名前です。誰か彼に名前を付けてください!ちなみに僕が付けた名前は「ユージ・マンジョーネ」、「ウクレレゆうじ」、「春咲キ小紅」、「織田・デ・ナーイ裕二」、「走れユウジ」、「ユージ・バーガー」、「ユージ・クルーニー」、「仲本U事」、「アソコがユウジ」等々、、、。

10. ガスティスの夜『ガスティスの夜』をWindows Media Playerで試聴する

レコーディング中に、久しぶりに見た映画がある。それは、ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジョー・ペシ、ジェニファー・コネリー等が出演した、1984年作品のギャング映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だ。この映画の中で最も好きなシーンがある。禁酒法を利用して次々と犯罪行為したお金で、厳禁なお酒を飲ませる「闇の酒場」での楽しそうなパーティーのシーンだ。バレないように隠れて悪い事をするのは子供も大人も一緒だし、そして今も昔も変わりはしないのだ。僕はそのシーンで流れる軽快な音楽「Speakeasy」が大好きで、この曲「ガスティスの夜」もそんなイメージで書いた曲です。楽しい時と悪巧みしている時は口笛が出るもんです。曲名が決まるまでの仮タイトルは「口笛パンク」でした。しかも「ラララ、、」の所に歌詞を書いたのですが、最初のイメージと変わってしまったのでやめました。せっかくなので紹介しましょう!。
『大きな栗の中から僕らは生まれた / 醜い顔で酷い臭いがした / 僕だけじゃない皆も同じさ / 腐ったままで生まれて来たのさ / 消毒液を頭から掛けられて / 正しく生きろと毎日言われた / ふざけんじゃねぇサムサイボが出る / まともじゃないからここに居るのさ 』でした。
ちなみに、「ガスティス」とはスペインの自治州のひとつ「バスク」の地名で、「バスク」の州都が「ガステイス」と呼ばれています(公式はビトリア=ガステイス)。近い将来、バスクで熱いライブがしたいと思っている今日この頃です。

11. LUNA

今回のアルバムのテーマのひとつ「月」。スペイン語で「LUNA」。大きい「太陽」ではなく、小ちゃな「月」が大好きだ(太陽の光で月は輝いているのだが、、、)。「和」の雰囲気がある感じも好きだ。太陽は昼しか見えないけど、月は昼でも見える時がある。満月や半月、そして三日月にもなり、言葉にできない形になる時もある。そして月夜の晩、嬉しくなって人に伝えたい時もあるが、ちょとだけ悲しくなり、ひとり寂しく途方に暮れる時もある。この世の中で月はひとつだし、自分もひとりだ、、、とか、色んな想いを込めて好きな人に「LUNA」と名前を付けて、その人に向けての自分の想いを書いたロマンチック・ソング、略してロマソンです(笑)。何回も繰り返し出てくるサックスとトランペットのメイン・テーマは、レコーディングの最初に出来たフレーズです。とても気に入ってます!!!

12. Moonlight『Moonlight』をWindows Media Playerで試聴する

あるアメリカの映画(1940年代の南北戦争が終わった頃の、古くからぶどう畑農園をやっているある地方の恋物語)のシーンで、昔からのその地域伝統のプローポーズシーンがありました。夜中に男が、好きな女の人が寝ている部屋に向かって、家の外からワルツのリズムの「アモーレ」と言う曲を歌い、その女の人の部屋の電気がついたらOKよ!というサインなのだが、中々電気が付かず、、、、と、とても素敵なシーンだった。それを、モチーフにした曲です。自分が大切にしたい人にプロポーズするならどんな歌を歌うかな?歌いたいかな?捧げようかな?カッコつけないで素直に歌いたいなぁ!と、想って作った曲です。死ぬまで歌うつもりです。