VICP-61964
【アルゼンチン】
『ホセ・コランジェロ四重奏団(バンドネオン:ネストル・マルコーニ)/タンゴの現代と伝統 』
2003.2.5発売/VICP-62183〜4/税抜\4,000(2枚組)
タンゴの栄光を受け継ぐホセ・コランジェロ (p) が初めて結成した自己のクアルテートによる名盤3枚をCD化(1st〜3rd アルバム)。
解説:西村秀人
VICP-62183
 1.夜ふかし(トラスノーチェ)(Trasnoche)
 2.マリポシータ(蝶々)(Mariposita)
 3.わかったかい?(Te das cuenta?)
 4.靴音高く(タコネアンド)(Taconeando)
 5.レスポンソ(冥福の祈り)(Responso)
 6.アクトゥアル(Actual)
 7.コントラバヘアンド(Contrabajeando)
 8.グリセータ(Griseta)
 9.デル・バホ・フォンド(Del bajo fondo)
 10.セロ砦(Fortin Cero)
 11.ロマンティコ・ボエミオ(Romantico bohemio)
 12.ラ・ジュンバ(La yumba)
 13.表現豊かに(エクスプレシーボ)(Expresivo)
 14.メランコリコ(Melancolico)
 15.多情多感(センシブレーロ)(Sensiblero)
 16.パジャドーラ(Payadora)
 17.不協和音(Disonante)
 18.プラサ気取り(Plazeando)
VICP-62184
 1.テンペラメンタル(Temperamental)
 2.踊り手(Danzarin)
 3.ブエノス・アイレス−東京(Buenos Aires-Tokio)
 4.ノクトゥルナ(Nocturna)
 5.荘重に(Solemne)
 6.ノスタルヒコ(Nostalgico)
 7.ティエリータ(Tierrita)
 8.ラ・ボルドーナ(La bordona)
 9.ラ・バランダ(La baranda)
 10.クリオージョの誇り(Orgullo criollo)
 11.タンゴのロマンス(Romance de tango)
 12.心のすべて(Todo corazon)
 13.ラ・カチーラ(La cachila)
 14.ボエミアの想い出(Recuerdos de bohemia)
 15.ドン・アグスティン・バルディ(Don Agustin Bardi)
 16.夢のすべて(Todos los suenos)



【タンゴの栄光を受け継ぐホセ・コランジェロ】
解説:西村秀人 
 ピアニスト、ホセ・レオナルド・コランジェロ(1940年生まれ)の経歴は華やかで ある。15歳の時からタンゴのピアニストとして活動を始め、アンヘル・ヘンタ、ロレ ンソ・バルベロ、アンヘル・ドミンゲス、エンリケ・アレッシオなどの楽団を経て、 1961年から当時最高の人気を誇った歌手フリオ・ソーサの伴奏を務めていたレオポル ド・フェデリコ楽団に参加。さらに1968年からは現在も古き良きタンゴの象徴として 輝き続けるバンドネオン奏者、アニバル・トロイロの楽団及び四重奏団に参加。低音 を効かせたそのスタイルからトロイロに「68年のゴニ」(ゴニはトロイロ楽団創設 時のピアニストで、後進に大きな影響を与えたオルランド・ゴニのこと)と呼ばれ可 愛がられた。トロイロ楽団在団時の72年に自己の四重奏団を結成、シャープな音楽性 と技巧的な演奏が反響を呼ぶ。その後もさまざまなグループで活動、1980年代半ばに 名門タンゴ・スポット「エル・ビエホ・アルマセン」にオルケスタを率いて出演、そ の編成で日本公演も行い、以降度々日本を訪れている。


ホセ・コランジェロ四重奏団
 1960年代後半から1970年代中頃までアルゼンチンは政治的に大きく動揺し、タンゴ 界にも少なからず変化が訪れた時代でもあった。1955年のペロン政権崩壊以降、アル ゼンチン経済は下降線をたどり、オルケスタ・ティピカ編成の維持は難しくなり、小 編成によるタンゴ演奏の試みが盛んとなる。その中でエストレージャス・デ・ブエノ スアイレス、キンテート・レアル、パケ・バイレン・ロス・ムチャーチョス、バッファ =ベリンジェリ・トリオなどの優れた小編成グループが注目を集めてきた。1972年か ら数年間活動したコランジェロの四重奏団もその流れに属するものであり、その後コ ランジェロは編成を拡大して演奏活動を続けているが、彼の音楽性の根本はすべてこ の四重奏団にあるといっても過言ではない。
 ピアノはもちろん編曲もホセ・コランジェロ本人によるもので、バンドネオンは現 代の最高峰の一人であり、当時はエンリケ・フランチーニ六重奏団に参加、前衛的な バングアトリオの活動でも注目を浴びていたネストル・マルコーニ、ギターは現在も 市立タンゴ楽団やオスバルド・モンテスとのコンビで活躍中のアニバル・アリアス (彼は通常アコースティック・ギターを演奏するが、この四重奏団ではアンプを通し たギターを使用)、コントラバスはキンテート・レアルなどで活躍し惜しくも先年世 を去ったオマール・ムルタ、いくつかの曲目にはオスバルド・プグリエーセ楽団など での活動で知られるエンリケ・キケ・ラノーのチェロが参加している。
 この四重奏団はトノディスク・レーベルに4枚のLPを残しており、ここにはその うち最初の3枚分が収められている。最初のアルバムは1972年の "Trasnoche"、2枚 目は 翌年の "La musica de Julian Plaza" で、いずれも1975年に「トラスノーチェ」 「ブエノスアイレス〜東京/フリアン・プラサの世界」としてビクターから日本発売 されていた。3枚目は74年の "Cuarteto Colangelo Vol.III" で、日本未発売だった が今回ビクターにマスターテープがあることが判明し、合わせてCD化することがで きた。現在トノディスク・レーベルは休業状態であり、今後もアルゼンチンでこれら の音源がCD化される可能性は少なく、この復刻はタンゴ・ファンにとって貴重なも のとなるだろう。


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