阿久悠
君の唇に色あせぬ言葉を ~阿久 悠 作詞集 1978

アルバム / VICL-62668~9
¥3,143(税込)
Victor
時を超えて甦るトリビュート・アルバムの決定盤
阿久悠が歌謡界の頂点を極めた1978年、作詞活動10周年を機に
ビクターが総力を挙げて制作した幻の名演集、遂に復刻CD化!
#1-CD
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01
本牧メルヘン / 井上 忠夫
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02
時の過ぎゆくままに / 森 進一
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03
さだめのように川は流れる / 森 進一
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04
ざんげの値打ちもない / 日吉 ミミ
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05
港町シャンソン / 青江 三奈
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06
白い蝶のサンバ / ペニー・レイン
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07
とても不幸な朝が来た / 三善 英史
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08
忍ぶ雨 / 三善 英史
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09
街の灯り / フランク永井
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10
おまえさん / 中尾 ミエ
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11
青春時代 / 佐良 直美
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12
下宿屋 / 佐良 直美
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13
乳母車 / チェリッシュ
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14
冬物語 / チェリッシュ
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15
水中花 / チェリッシュ
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16
おもいで岬 / 橋 幸夫
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17
嫁に来ないか / 太川 陽介
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18
せんせい / 畑中 葉子
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19
円舞曲(わるつ) / 佐良 直美
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20
あの鐘を鳴らすのはあなた / 佐良 直美
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21
津軽海峡・冬景色 / 森 進一
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22
北の宿から / 青江 三奈
#2-CD
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01
朝まで待てない / バウワウ/BOW WOW
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02
どうにもとまらない / ピンク・レディー
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03
狂わせたいの / ピンク・レディー
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04
じんじんさせて / ピンク・レディー
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05
勝手にしやがれ / ピンク・レディー
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06
憎みきれないろくでなし / 岩崎 宏美
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07
立ちどまるなふりむくな / 岩崎 宏美
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08
絹の靴下 / アン・ルイス
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09
お手やわらかに / アン・ルイス
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10
うわさの男 / アン・ルイス
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11
また逢う日まで / 平尾 昌晃/畑中 葉子
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12
昨日,今日,明日 / 桜田 淳子
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13
みずいろの手紙 / 桜田 淳子
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14
さらば涙と言おう / 石野 真子
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15
きみ可愛いね / 石野 真子
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16
乙女のワルツ / ザ・バーズ
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17
個人授業 / ザ・バーズ
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18
気絶するほど悩ましい / 中本 マリ/MARI NAKAMOTO
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19
ワインカラーのときめき / 中本 マリ/MARI NAKAMOTO
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20
若き獅子たち / 松崎 しげる
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21
ブーツをぬいで朝食を / 岩崎 宏美
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22
五番街のマリーへ / 岩崎 宏美
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23
ジョニイへの伝言 / 岩崎 宏美
歌い継がれる名歌たち。
「勝手にしやがれ」(ピンク・レディー)、「津軽海峡・冬景色」(森 進一)、
「ジョニイへの伝言」(岩崎宏美)、「街の灯り」(フランク永井)・・・
ヒット曲・名曲の数々をビッグアーティストがカバーした特別企画!
■阿久悠、小西良太郎によるオリジナル・ライナーノーツを再録
■北沢夏音によるディレクター・ロングインタビュー&曲目解説を収録
■ジャケット写真:稲越功一
◆オリジナル・リリース(1978年11月25日 SJ-3)LP10枚組
『阿久 悠 君の唇に色あせぬ言葉を 1968-1978』(監修:小西良太郎)
*収録120曲中、76曲がカバー録音。本リイシュー企画は、
うち45曲を厳選してCD化するものです。
時を超えて現れたトリビュート・アルバムの決定版
解説:北沢夏音
「タイムカプセル」というものがある。未来に残す目的で、現代を象徴する文明の記録を収めた容器を、1938年のニューヨーク万国博で地中に埋めたのが始まりだという。
1978年11月25日、日本歌謡史に前人未到の足跡を残した怪物作詞家の作品120曲をLPレコード10枚組のボックスに収めた、『君の唇に色あせぬ言葉を/阿久悠1968-1978』という名のタイムカプセルが発売された。全120曲中、オリジナルの歌い手とは異なる、当時ビクター・レコード所属のトップクラスの歌手たちによって新たにレコーディングされたカヴァー76曲を含む、その企み自体が前代未聞であったそのボックスは、時の地層深く埋もれたまま、今日まで存在を秘せられたかのように、長い眠りに就いていた――。
そして29年後、ついに発掘された貴重な音源の中からベスト・トラック45曲を精選、CD2枚組に凝縮したものが本作である。2007年の今作ろうとしても到底不可能な、時を超えて現れたトリビュート・アルバムの決定版として楽しんでいただければ、リイシューに携わったスタッフ一同、これに勝る喜びはない。70年代の歌謡曲がいかに豊かな実りを結んでいたか、「ビクター一社だけでよくぞここまで」と感嘆させられる名曲名演の数々が、何よりの証となるだろう。タイトルの「君の唇に色あせぬ言葉を」は、1975年1月1日付『スポーツニッポン』に掲載された詩と同題の、色紙にも使っていた気に入りのフレーズである。
なお、本作で初めて阿久悠自身の肖像写真が、ジャケットの表1に起用された(稲越功一写真集『男の肖像』に収録)。
副題となった1978年は、阿久悠が名実ともに歌謡界の、さらには時代の頂点を極めたゴールデン・イヤーであった。「歌が時代や社会の中に息づく早さと強さに魅力を感じて、くもの糸に絡まれたように作詞家になってしまった」(『愛すべき名歌たち』) 阿久悠にとって、自他共に認めるベスト・イヤーは、76年の「北の宿から」(都はるみ)、77年の「勝手にしやがれ」(沢田研二)、78年の「UFO」(ピンク・レディー)と、3年連続で日本レコード大賞、及び日本歌謡大賞の両大賞を受賞(78年の日本歌謡大賞・大賞はピンク・レディー「サウスポー」が受賞)した、この3年間であったろう。
70年代が歌謡曲の黄金時代であったことに疑問の余地はない。元来放送作家だった阿久悠が、企画段階からプロデューサー的な立場で関わったオーディション番組『スター誕生!』(NTV系)は、71年のスタート以来、時代を画するアイドルとアイドル・ポップスを輩出し続け、一方では70年代後半からフォーク、ロック、ポップスの垣根が融解、ニューミュージックと呼ばれるようになってから勢力を拡大しつつあった、自作自演のシンガーソングライターを作家としてしたたかに取り込みつつ、TVコマーシャルとのタイアップによるヒット曲の量産と相まって、歌謡界全体が活況を呈していた。78年に放送を開始した、視聴者のハガキ投票数でランキングを決めるカウント・ダウン形式の歌謡番組『ザ・ベストテン』(TBS系)が、ヒット曲鑑賞の新たな基準を茶の間に形成し、阿久悠作品を歌う沢田研二、ピンク・レディー、岩崎宏美、石川さゆりらは、新曲が出るたびチャートの上位を飾り、華やかに競い合った。
歌は時代を映す鏡である。歌われる言葉も、楽曲のサウンドも、その時代の文化を如実に反映する。サウンド志向が進んだ後世と比較して、あえて言うなら、70年代は「作詞家の時代」だった。ひとり阿久悠のみならず、阿木燿子、松本隆といった新しい感性を歌謡曲に注ぐ気鋭の職業作詞家が登場し、王者・阿久悠に真剣勝負を挑んだ。大衆音楽の歌詞がその国の文化の水準であると思い定めているかの如く、「たかが歌謡曲」に己の存在のすべてを賭けて言葉を紡ぐ男たち、女たちがいた。
(CDライナーより抜粋)