DEEP SAMBA(久保田麻琴プロデュース)
DEEP SAMBA -Nordeste Atomico Dois-
アルバム / VICP-63446
¥2,640(税込)
Victor
脈々と流れる古代の魂(ソウル)が、
新しいボディを借りて叫び始める!
マルチルーツな文化のケミストリー、
ノルデスチ(ブラジル北東部)音楽の最新セレクト盤、
好評につき再臨!!
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01
Tocando No Sereno / A Banda De Pifano Esquenta Mulher/バンダ・デ・ピファノ・エスケンタ・ムリエール*Pi´fano
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02
As Heroinas De Tejucupapo / Maciel Salu E O Terno Do Terreiro/マシエル・サルー&テルノ・ド・テヘイロ
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03
Se Ela Diz / Bonsucesso Samba Clube/ボンスセッソ・サンバ・クルービ
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04
Embolador / Cabruera/カブルエラ
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05
Tempo / Azabumba/アザブンバ
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06
Cantador / Chico Correa/シコ・コヘイア
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07
Cantiga Do Jesuino / Terezinha do Acordeon/テレジーニャ・ド・アコルデオン
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08
Guia De Olinda / Erasto Vasconcelos/エラスト・ヴァスコンセロス
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09
Motorista de Onibus *O^nibus / Cinval Coco Grude/シンバル・ココ・グルージ
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10
Recife D'Agua *D'A´gua / Ze Neguinho Do Coco/ゼ・ネギーニョ・ド・コーコ*Ze´ *Co^co
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11
Na Beira Da Praia / Ortinho/オルティーニョ
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12
Mayara / Carolina Pinheiro/カロリーナ・ピニェイロ
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13
Pandeiro Sideral / Beto Brito/ベト・ブリート
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14
Cha De Camara -deep samba mix- *Cha~ *Camara´ / Mio Mazda meets DJ Dolores/松田 美緒 meets DJ ドロレス
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15
Frevo Do Galo / Coral Edgard Moraes/コーラル・エドガール・モラエス
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16
Tocando No Sereno / A Banda de Pifano Esquenta Mulher/バンダ・デ・ピファノ・エスケンタ・ムリエール*Pi´fano
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17
Turbilhao (Carnaval Crowd Demo) *Turbilha~o
お待ちかね!
NORDESTE ATOMICO DOIS (Vol.2)、その名も"DEEP SAMBA"の登場です。
サンバといえばリオデジャネイロのもの? 私もそう思っておりました。
ここブラジル北東部ノルデルチ地方の砂糖黍農場では、その昔、労働者たちがコーコとサンバを踊っていたらしい。そして今はシンプルで踊りやすいコーコだけが残った。あるいは、バイーアで起こったマルシャ(つまりパレード用のマーチ)が南に下ってリオでサンバになり、北上してレシーフェあたりでフレーヴォになったともいわれ、諸説紛々ではありますが、サンバの温床であるリオの裏山も圧倒的に北東部出身の3代目が多いところをみても、どうもルーツはノルデスチにありそうだ、ということが語られだしました。
かっこ良いスネアドラムのロールとともにステップが踏まれるフレーヴォ・ド・ブロコはマルシャ・ド・ブロコともいわれ、ブロコ(パレード・チーム)がステップを踏むためにはなくてはならないリズムです。これはまさしくノルデスチのサンバともいえる音楽です。
タッパラッパー・スタッパラパタ~という軽快なシンコペーションの上に哀愁のマイナー旋律の希望のメジャー・メロディーが交互して出てくれば、だれもが微笑み、そして胸が熱くなります。この得も言われぬ深いサウダージの世界はどこからくるのでしょう。
ともあれ、サンバのルーツ、より深いルーツ・サンバのノルデスチ音楽であります。
というわけで、世界でも類を見ないブラジル北東部音楽の今を伝えるノルデスチ・アトミコの2枚目は『DEEP SAMBA -Nordeste Atomico Dois-』と名付けられました。今のノルデスチの音楽シーンが70年代のキングストンやニューオーリンズのように熱く(地元の音楽家達が最もそれを確信している)、ことさら重要なのはどうしてでしょうか。
ルーツ・ミュージックが豊穣でフォークロアが純粋な形で残っているというだけでなく、20歳代や30歳代の音楽家が自らのヘリテージを充分に意識しながら、そしてその要素を取り入れながら、急激なテクノロジーの発展のもと、自由自在に新しいアイデンティティを作り上げているといった点でしょう。若い音楽家達だけではなく、50代以上のマエストロ達も同時に素晴らしい新作、あるいは処女作を発表しだした。それら全てに何世紀も生き抜いた“父と子と精霊”ともいうべき、大航海時代以降の独特でクールな視点が感じられるところが最大の魅力です。
それはビートルズなど莫大な音楽遺産と録音技術を持った1980年の英国でパンクロックのショックの後、百花繚乱のごとく様々な形の音楽フォーム(実験的/商業的双方向に有効な)を生んだときや、60年代のアメリカでビートニクやヒッピー世代が大衆音楽に革命的な意味や魅力を付け加えたときとも似ています。
このアルバムを聴いていただければ、珍しく新しいものが好きでクラシックなジャズやロックも大好き、という欲張りでグルメなリスナー達にはこの上ない音楽の贈り物だということがご理解いただけると思います。
久保田麻琴(CDライナーより抜粋)