倉橋 ヨエコ
Yoeko Kurahashi

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2010.08.24

「ジュエリー」のセルフライナーノーツはこちら。

『ジュエリー』

倉橋ヨエコが最後に作った作品です。
「感謝的解体ヨエコツアー」でも歌って歩きました。MCでも言いました。
この曲は私の音楽に対する気持ちを綴った歌です、と。

私は歌手時代、音楽をやっていたとは思ってない。
明らかに音楽のフィールドにはいだろうけど。

まず、倉橋ヨエコは何で歌ってたのか。
単純に言いたい事があるからだ。
その手段として音を借りていた。食事と似てる。
例えば、体がみそ汁を欲して作るとします。
大事なのは中身の栄養とか美味しさでしょ?
器は立派でもしょぼくても、
かっこ良くてもいけてなくても何でもいいの。
とどのつまり胃に入れたら一緒だし。
つまり みそ汁がいいたい事で器が音楽。
さらに
器用ではないので
1つの事しか消化できない。
器を選んだり楽しんだりする余裕はないのだ。
みそ汁作りで必死なのだ。
確固たる鍋の中身ができれば、器どころか時に鍋から私は直に食べるし
もう自分の中でそれで「食事」はさっさと完了しているのだ。
誰かの為に作ったみそ汁ではなく
自分の腹を満たす為に作ったのだから
人の食欲を誘うような器や出し方までを演出する概念が、最初からないのだ。
私は毎日ひたすら感情のリレーに必死で、日々暴走料理をでかすのに忙しかった。
「もしも皆さんお口に合えば、勝手に好きな器によそってどうぞご自由に食べて~!!」です。
そんな私の代わりに、誰かに食べて貰う道のりまでをサポートしてくれたのが
周りのスタッフさんやミュージシャンやプロデューサーです。
私が作ってた音楽。
そんな感じでしょうか(笑)。

ただ
歌詞を自分が載せない世界で考えると音楽はとてもとても楽しく好きだ。
ピアノを弾く、何かのうたを歌う、CDを聴く、ライブを見る・・・
ああ、どえりゃあ好きだ。

だから
元はと言えば最初は、自分の歌手活動と世にある「音楽」は頭の中で切り離していたんだと思う。

でも、職業として「音楽」のフィールドに立って行った時
私の定型だった見方「言いたい事を表現する為の音楽(自分がやってる事)と世の中に音楽と言う名で存在する『音楽』との別々思考」は、実は音楽界の非定型であり
本来合体して存在するものであると言う常識概念はとても私を苦しめた。
音やリズムが邪魔で仕方なかった。
私の言いたい事、歌詞を何で邪魔するんだ!と
歌詞にメロディーを載せる事すらもうしたくなくなる日もあった。
そのうちに音楽がもう嫌になってしまっていた。
そして自分以外の作る「音楽」は本当は好きだったのに、
自分の中に取り入れなければならなくて
どんどん「音楽」が嫌いになるのがあまりにも苦しいので
小さな悟りをある日開いた。
原点に戻り、もう一度歌詞と音を切り離して考えた。
で、
「非定型」に開き直ってみた。
私にできるのは1つ。言いたい事を歌にするだけ。
それ以外はもう断固としてしない!
そう。
みそ汁作りにどっぷり徹すればいいのだ!!と。
そしたら
自分のしてる「音楽」も自分以外の作る「音楽」も、
やっぱり大好きですげえ楽しいもんだと思い出した。
そう。
やっぱりどのみち好きだったんだ、音楽!

上手に愛せなかったけど
音楽は私なりに愛したし、宝物だったねえ。

そしてこれからも宝物でありましょう!

私のしてた音楽はにこにこさようなら。

そんな歌。

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