門脇更紗
sarasa kadowaki

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2022.07.22

メジャーファーストアルバム『ファウンテンブルーに染まって』オフィシャルインタビュー

ーーデビューから1年と少し経ちましたが、これまでを振り返ってみてどうですか?
コロナ禍で思うようにライブが出来なかったから、聴いてくださる方のリアクションを直接見る機会が少なく、自分が今やっていることは正しいのかな、本当にこれでいいのかなってすごく考えた1年でもありました。自分と向き合う時間が多かった分、どうしてもSNSを見て人と比べてしまったりして。でも初のタイアップをいただき、何かの作品に携わりたい、作品のために曲を作りたいという夢が叶ったし、それをきっかけにたくさんの方が門脇更紗の音楽を知ってくださったことはすごく嬉しかったです。アルバムに向けた準備が本格的に始まってからは精神的にもドタバタしていましたが(笑)、楽しく制作をすることが出来ました。

ーー1stアルバム「ファウンテンブルーに染まって」。まず、このタイトルはどんな風に決めたんですか?
アルバムを作るにあたって、タイトルは「これが門脇更紗です!」と主張したものにしたかったので、私が生まれた7月16日と何か関連しているものがいいなと思い、まずは誕生花を調べてみたんですがピンと来なかったので、次はバースデーカラーを調べてみたら、自分のバースデーカラーが「ファウンテンブルー」だとわかり、この言葉を使いたいと提案しました。もともと青系が好きで、その中でも少しくすんだ青が好きだったからまさにこの色だなと思ったし、色言葉の「踊りと音楽・自由・個性」というのもすごく納得できた。門脇更紗の音楽に染まって欲しいなという思いを込めて、「ファウンテンブルーに染まって」というタイトルにしました。

ーーデビュー後は配信でのリリースが続いていたので、CDという形になるのも嬉しいですね。
はい。今の時代の主流はCDじゃないかもしれないけど、買ってくれた人が直接手に取ってくれることや、思い出の品のひとつになっていくのかもしれないなって思うとすごく嬉しくて。配信もそうだけど、自分のためにたくさんの方が動いてくださって完成した大切な作品なので、いろんな方のもとに届くといいなと思っています。CDだからこそ曲間の秒数にもすごくこだわったし、ライブみたいな感覚で楽しんでもらえるように曲順も考えました。

ーー今作はこの季節にぴったりな「スコール」で幕を開けます。まさに、ライブの景色が目に浮かびそうな1曲ですね。
リリースが夏だし、フレッシュ感もあってすごくいいなと思って1曲目にしました。「スコールが降ったら一切合切」という歌詞があるんですが、後戻りも出来ないギリギリなところに立っていて、こんなところで急な雨なんて降ったら落ちちゃうよみたいな状況に、それでもまだまだ頑張りたいんだ、どんなスコールが来たって頑張るぞという自分の思いを込めています。

ーー「私にして」はとても切ないラブソング。wacciの橋口洋平さんが作詞をされているというのも今作のトピックです。
曲はもともと19歳の時に書いていたもので、クリスマスをテーマにした歌詞もあったんですね。でももっと究極に切ない楽曲にしたいと思い、橋口さんにお願いをしたんです。とてもお忙しい時期だという話も聞いていたのでダメかなと思っていたんですが、直筆のアツい手紙の甲斐もあってか「いいですよ」と(笑)。wacciさんの「劇」のような、実らない恋、だけど想ってしまうみたいな恋愛ソングで、めちゃくちゃ切なくして欲しいですというリクエストをしました。他の方に歌詞を書いていただいたのは今回が初めてだったんですが、感情が自然と溢れ出す感じでレコーディングが出来ました。

ーーその「私にして」もそうですが、5曲目の「scroll」は特にボーカル面でも新しい表情を見せていますね。
「scroll」はちょっと気怠い感じで、こういうのもアルバムならではかなと思います。私は普段自分でギターを弾いて曲を作ることが多いんですが、この曲は佐伯youthKさんのトラックをいただいて、メロディーを私が作ったんです。ゼロから共作するのは初めてなので楽しかったし、他の曲と差別化も出来たかなと思いますね。

ーーライブでも大切に歌ってきた「東京は」。今回はアコースティックバージョンとして弾き語りをされていますが、改めてレコーディングをしてみてどうでした?
ライブで聴いてもらうような感じにしたかったので、録り直しは一度もせず、文字通り一発録りのレコーディングでした。1年以上ライブで積み上げてきたので、今回の歌にはより深みも出ているんじゃないかなと思います。

ーー更紗さんの初心であり決意、そして今はたくさんの人の心に寄り添いながらエールを送る1曲になっているんじゃないかなと思います。
「どんなに傷ついても この場所は平等な気がして」という歌詞があるんですが、渋谷のスクランブル交差点をビルの上から見ていた時に浮かんだんです。いろんなことが上手くいかなくて気持ちもどんよりしていたけど、地元じゃ絶対に目にしないような数の人たちを見ていると、そういう辛さとかも緩和されるというか、きっとみんな平等にあるんだろうなって気持ちになれたんです。もちろん不安もあるし、焦らされたり試されたりしている気もするけど、それも含めてここにいる自分が好きだなって思えるようにもなった。この曲を書いて自分自身が強くなれたように、何か新しい環境になる時期や夢を追いかけながら頑張ってる人にはめちゃくちゃ聴いて欲しい1曲です。

ーー記念すべきデビュー曲「トリハダ」も収録された今作。門脇更紗の等身大の姿も、新しい色も楽しめる作品になりましたね。
高校生でライブ活動を始めた時に、人に届けるって簡単なことじゃないんだということを痛感したんです。一生懸命届けたつもりでも、盗めない心がたくさんある。だったらどうすればいいのかって本格的に考えるようになったし、夢も明確になったんですね。自分の芯となる部分を言葉にするとしたら、ポジティブ。何とかなるよって言葉を私はすごく大事にしているし、過去とか未来とか気にし過ぎず、今を生きるっていうことを軸にしています。このアルバムの楽曲にはそこが強く出ていると思うし、今回のジャケットで使われている写真のように、自分も知らなかった自分に出会うことも出来ました。私の夢である日本武道館への道のり、その通過点のひとつとしてこのアルバムが羽ばたいてくれたらと思っています。

TEXT:山田邦子(音楽ライター)

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