山瀬 理桜
Rio Yamase
OTHERS
その他
2015.03.19
~ハルダンゲルヴァイオリン~
北欧ノルウェーの国民的楽器で、フィヨルドで有名なハルダンゲル地方で生まれた民族楽器「ハルダンゲルヴァイオリン」。
日本での琴や三味線に位置するこのヴァイオリンは、現地では「ハーディングフェーレ」(Hardingfele)と呼ばれており、 楽器には美しい真珠母貝や象嵌細工の花模様の装飾が施され、トップにはヴァイキングの時代の神の象徴「ドラゴン」、通常4本弦の下に、4本~5本の共鳴弦(アンダーストリング)がある事が特徴。この共鳴弦を持つ事で、ヴァイオリンとは異なる哀愁帯びた懐かしい音色を持ち、また共鳴弦をも調弦するスタイルは、ノルウェー独特のものである。
現地では神聖な楽器として、主に冠婚葬祭時に使用され、また日本でも人気の高いノルウェーの作曲家「グリーグ」も、この澄んだ音色に影響をうけ、多くの名曲を残している。
現在もノルウェーでは、4名ほどしかいないプロの職人が手造りでそれぞれ1年に2丁ほどしか制作出来ず、町の楽器店でも手に入らない幻の楽器。
楽器のルーツを辿ると、現存する一番古いものでは1651年の楽器「ヨースタ(Jaastad)」で、現在もベルゲン(Bergen)の「ベルゲン博物館」に保存されている。
「ヨースタ(Jaastad)」の楽器は現在のものよりかなり小振りで、共鳴弦の数も2本と少なく製作されいた。
その後少しずつ改良を重ねられて、現在のハルダンゲルヴァイオリンの大きさはほとんどヴァイオリンと同じで、音色も大きく、共鳴弦は5本のものが人気。
http://hardanger-club.or.jp/violin.html