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ライブハウスのビルがそのままホテルなので珍しく演奏終了後シャワーを浴びて打ち上げに遅れていってみると既に二十人強の盛り上がりかかったところ。 |
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差し入れのポールウインナなど食べて機嫌よく飲み進む。 |
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佐山、ponta の一緒のライブが久しぶりというのでこのシリーズ、京都大阪は勿論、東京九州からも何人も来てくれとても有り難くうれしきことではあったが、 |
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名古屋からきてくれた某女性(若)が jazz vocoal をならってるなんて言っちゃったもんだから、もうあとはお決まり。route 66,all of me など唄ってもらい(伴奏は当然オレ)ponta の、アドバイスではありながら、音楽の深い話にみな納得し、 |
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ながれでピアノソロ何曲かやるうちにビートルズシリーズになり、 |
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何故だか沢田研二シリーズになって2〜3曲経つうちポンタより、一番の名曲は”君をのせて(宮川泰作曲)”であるとの説有之。 |
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場内殆ど同意の意志表示有之もなんたることかpianist、本人(沢田氏)との同曲共演経験不拘有、思い出せず booing をうける中、「Cから始まってですね、、、」と声を出したのが、それまでだまってニコニコと飲んでいた(こういう飲み方、つまり騒がず乱れず潰れずに、場の雰囲気を壊さぬまま少々の暖かみのみを醸し出すような飲みかた、パーティへの参加の仕様のできる人を、大人または紳士といいます)某放送局のえらいさん(らしい)だったから皆吃驚。 |
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当方イジワルの気持ちは勿論毛頭なく、かといって期待もせずに ”ちょっと弾いてみて”というと、なんと遠慮がちながらも確信をもった歩みでピアノへ向かってくるではないか! |
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ポロポロと弾き始めた曲はたしかに件の曲、恥ずかしそうながらもとっても好きな歌、という風情のうたごえは満場の共感を呼んだが、クライマックスがそのしばらく後に用意されていることとは神ならぬ身の上、誰もが予想だに出来ぬのも無理からぬところであった。 |
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受けもしたし、ピアノに寄り掛かって一緒に口ずさむ村上ポンタ秀一も、この時ばかりは幼き可愛さ漂うばかりの上機嫌ではあったが、そこは素人芸、曲は続いているのにさわさわザワザワとお喋りがクレッシェンドしつつあった |
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そこへ、ピアノのコード進行のみ(本人的には間奏部分であったらしい。頭の中ではさぞゴージャスなオーケストラが鳴り響いていたことだろう)が突然ブレイク(音楽は進行していつつも音の全く無い状態または場所)して、場内の会話もつられて一瞬の静寂が訪れたその時、 |
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”ア、ア〜アァ君を〜のせて〜!”と最終部分の絶唱になったものである(それも原調の C 、つまり高さとしてはジュリーと同じ)。 |
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これで高橋さん、伝兵衛よりPONTA よりよっぽど聴衆の心を独り占め、佐山の数曲の演奏なぞはちよっとした前座、”THE STAR OF TONIGHT”に輝いたのであった。
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