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佐山雅弘の音楽旅日記
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佐山雅弘の音楽旅日記
毎回、彼の全国各地での旅のエピソードをお送りします。
 長州の山が、みっしりと織り詰められた如き七色の紅葉をまとってなだらかにそびえている。三日間の下関滞在を終えて岡山まで今ツアー中最長ドライブである。といってもたかだか4時間の行程だから噂に聞くアメリカのバンド全員バスツアーの過酷さには較ぶべきもないのだが、それでも連日喉からの出血とまらぬ川嶋が腰痛も引き起こしたりはする。
 今年二月の好評を受けて、M’s(マサちゃんズ)西日本ツアー第二弾、特別付録付き。初日のビッグキャットの打ち上げからいきなり梅田don shopに繰出して楽しいセッション有之。小井政都志などは囲まれた女どもにステージ衣装のベストと合うからてんで深緑のマニキュアなど施され、これは四日目の移動日まで残していたが、以外とお客さまには気付かれず、飲み屋で笑われるだけの結果に終わった。地元大阪のアフリカ系アメリカ人ミュージシャン(?)と盛り上がり4時まで。
 加古川star danceではコンピューター処理の各自拡大写真を店の入り口にでかでかとかかげ、多少の田舎臭さとキャバレーっぽさあるものの、スタッフの意気込みや歓迎の意があらわれていて良。
 川嶋哲朗、この日5曲目に満を持して登場していきなりブォ〜とばかり吹くもなんだか音がおかしい。オヤ?と朝顔を覗くとなんと!ミネラルウォーターのペットボトルがつまっているではないか。これでは音がつまっているのは当たり前。客の大受けをよそに何ごともなかったようにあの豪快なプレイを繰り広げはしたが、あとから聞けば、袖で待機してる間に飲もうと楽屋から楽器にいれて運んできていてそのまま忘れていたそうである。繊細にして豪快、緻密にして抜け穴(?)ある種川嶋らしいといえば川嶋らしいエピソードではある。
 倉敷cookie jarのゆみ+ひろこ来。自分たちの店だとたっぷり音楽を楽しめないから、、、。それはよくわかるし、主催とは別に聞きたいと思ってくれてることが嬉。
 境港で恒例になってしまった海陸運輸社長主催の本番前蟹打ち上げ。とてもおいしくありがたくうれしいのだが、本番はきつくなる。
 joy spring arrenge 完成型になるも演奏はまだまだ。
 take 5-A trains, P-bopなど二管ものどんどん発展。TOKUは二日目から譜面がとれていて大したものだ。
 下関 grand HOTELではいろいろと揉めゴトありながらもミュージシャン同士の交流、演奏内容は日に日に深まり岡山は勝山の ”レストラン西蔵(にしくら)”へとやってきた。
 PAのセッティングを待つ間、横山達治の話で一同もりあがる。その駄洒落集。
 ”日本が誇る、世界が怒る”
 ”彼はナンバーワン、僕はナンパワン”
 ”あなたクリスチャン、僕はスリクちゃん”
 この日の川嶋コーナーは僕とのduoで”見上げてごらん夜の星を”。
 川嶋哲朗君は一度がっぷりやってみたかった相手ではあったが、はた目から見えると同様本人同士もタイプの違いは自覚してい、今回は大坂昌彦もいることとて彼をjunctionになにか楽しくなれればな、位の気持ちでいたのだが、思ったより、いや、心配したより、いや、諦めていたよりずっとずっとず〜〜〜〜っと良い(個々は勿論、集合体としての個性)のでうれしいビックリしているところへ、duoの申し入れをしてくれるところがまた嬉しい驚きで、いざやってみると何を話し合うより心が通じる。そのよさやじわりとした喜び、互いを認めあいつつその確認がとれていく様子などは言葉にする前に音楽の中で語り合いつくしているので、打ち上げでも ”いや、、、あのduoね、、、”などポツリと話題には出すのだが、言葉が続かず、ひたすら”イェイ”と言い合ってみたり、hugしたりと傍から見れば意味不明だろうが、jazz musicianならではの快感、これでいいのだ。
 うちあげで大いに唄い、弾く。二階の飲み席ではTOKUと大坂昌彦がなにやらずっと話し込み、小井政都志はいつもの如く高鼾、川嶋は早めに宿へ。彼は結局ツアー全日通して喉からの出血が止まらなかった。
 倉敷クッキージャーでは生のピアノがないのでflotin’ time,above horizonesなど代表曲出来ず残念。メンバー全員気の毒がってくれながら一層張り切ってくれるところが嬉。herbie hancockのdolphin dance,chick coreaのgot a matchなど代わりに演奏するもまた趣。
 tenorとpianoのduoがむりなのでそのコーナーは休ませてもらいtenor+bass+drumのトリオでdarn that dreamを7/8拍子+4泊3連から派生する4ビートのブリッジというスタイルでやっていたが、何がどう行われているのかがよくわからない演奏で大受け+大笑い+大感心となにやら意味不明な感動。
 大坂昌彦だけにMC振るのを忘れていたので、
”拍子を自由自在どころか迷惑なくらいあやつってる大坂というものをお客さんはどうおもっただろうね、しゃべらせなかったから何のとっかかりもないだろうし”
と僕がいうと小井が
”どうやって歩いてるんだろうと思われてるよ”
 一同、4歩歩く間に五回手を振る等,変拍子歩きに躍起となり、悪酔いする。
 東伯町カウベルホールの演奏を最後にこの一期一会セッションはおわり。
 まだまだ続けたい。どんどん楽しくなりっぱなし。concert title,hotelの仕切りなど問題点山盛りだったが、musician's relationship はかなり有意義で今後に繋がるものが残せたと思う。
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