清水悠(Vo)と大西春菜(Vo&Piano)の凛とした存在感と透明感のある歌で、聴く者を魅了してやまないDewの音楽。
7月30日にミニアルバム『花図鑑』でメジャーデビューを果たした2人の奏でる音は、どのように紡ぎだされているのだろうか?
- ■2人で歌い始めたきっかけから、デビューに至るまでの流れは?
- 清水:出会いは高校時代に行ったカナダのインターナショナルスクール。学校のクワイヤー(小さな合唱団)にお互い入ってて。そこの音楽の先生に“悠と春菜の声は合うから2人でなんかしてみたら?”って言われたのが一緒に歌い出したきっかけです。それで高3のときにもうすぐ卒業やから曲書いてCDにしようって。それで余ったCDをビクターに送ったんですけど(笑)。
大西:前からビクターのホームページにオーディションの告知があったのを知ってたんで、締め切り過ぎてたんですけど、ダメもとで送ったら連絡がきたんです。
- ■デビューミニアルバム『花図鑑』はどんな作品ですか?
- 清水:花をテーマにした作品を作りたいっていうのは3年ぐらいあたためてきた企画だったんです。日本に帰ってきて、初めて書いたのが「金木犀」って曲で。それ以降、いろいろ花の曲を書き始めて。
大西:だから、今までの自分たちの歩みの集大成でもあり。それから、これまではピアノの弾き語りだけだったんですけど、今回はたくさんのアーティストさんと一緒にやらせてもらって、いろんな楽器も入ってるんで、このデビューから新しくスタートする自分たちも表した作品だと思います。
- ■Dewの音楽は、なによりもピュアで美しい透明感が印象的でしたけど。
- 大西:でも、ただの“キレイ”だけではないんですよ。ハモリとかも完全に調和してるのだけじゃないし。聴こえてきたものを入れてるだけだから、そこには当然アクとか土臭さがあって。そのほうが計算された音よりも自然だし、それが本当の透明ではないのに透明感を持って届くところなのかなって思います。
清水:ウチは曲を書くとき、歌詞は寂しいとか悲しいとか辛いとか不安とか題材にしてて。だけど頑張ろう、みたいなテンションで曲を書いてたりするので。そういうちゃんと芯のあるところが凛とさせてるというか、真っすぐな感じを生んでピュアさとかにつながっていくのかなあと。
- ■透明感があるのにすごく人肌的なぬくもりを持って歌が届いてくるのは、そういう部分が根底にあるからなんですね。では、そんなDewの音楽、どんな風に触れて欲しいですか?
- 清水:自分たちが表現してるものって、音楽じゃなくて“雰囲気”だったりするので。例えば、同じ部屋にいても音楽が違うだけで雰囲気がコロッと変わるじゃないですか。そういう雰囲気、空気感でそこにいる人を包んでいけるような。聴いてる人の空間をデザインするような音楽になれたらいいなと。
大西:私は色褪せないものであってほしい。時間を越えて、私たちや聴いてる人が歳をとってもその人に寄り添っていられるような音楽になってほしいと思います。
(取材・文/東條祥恵)