パプアニューギニア生まれ神戸育ちの22歳。
昨年のiTunes Store R&B/ソウル アルバムチャートの総合1位を獲得し、3ヵ月にわたってTOP3にチャートインするなどコアなユーザーから高い支持を得ている彼女が、10月7日にメジャー・デビュー配信限定シングル「One Way Love」の配信をスタートさせる。
トラックも自身で手がけ、表情豊かな音域を持つ注目のシンガー・EMI MARIAに話を訊いた!
- ──昨年インディーズで発表したクラシックなたたずまいのアルバム『A Ballad Of My Own』から一転、メジャー・デビュー第1弾配信限定シングル「One Way Love」はシンセとドラムンベー スを思わせるリズムが刺激的で現代的な1曲ですね。
- 「『A Ballad Of My Own』は昔書いた曲が多くて、その頃は昔のソウルばかり聴いていたので、自分のベースとなる部分を表現するよう心掛けて、素で作ったら、内面を掘り下げた内容になった思います。今は逆に意識が外に向いているんです。今回の曲は異性に対する片想いについて歌っているだけじゃなく、家族や友達も含まれているし、(トラック・メイカーの)AILIさんに持ってきてもらったトラックは、最初はもっとポップス寄りだったんですけど、もっと今という時代にしか出来ないことがやりたいっていう私の要望も取り入れ最終的にバランスの良い楽曲になりました。今までのやってきた曲と違うのでどう思われるか不安もあったんですけど、でも、そこは挑戦していこうってことで!(笑)」
- ──そんなエミちゃんの音楽遍歴は?
- 「私、5歳までパプアニューギニアに住んでいて、当時の記憶はほとんどないんですけど、姉が見ていたMTVでヒップホップ、R&B、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンで踊っていたことは覚えてますね。その後、神戸に引っ越して、小学校5、6年生の頃にSPEEDさんとか安室奈美恵さんにハマった後、デスティニーズ・チャイルドを聴いて、ヒップホップ、R&Bが好きになったんです。中学生の時に音楽の道に進みたいと思うようになって歌詞を書いてメロディを付けたりしているうちに姉の周りにいた人の影響を受けて買った機材で曲を作り始めたんです。その頃に作った曲"A×H×O"とか"ボーイフレンド"は2008年にインディーズで出したアルバム『A Ballad Of My Own』に入ってます。
- ──曲だけじゃなく、トラックまで自分で作る女性アーティストは非常に珍しいですし、それはエミちゃんの特徴的な個性ですね。
- 「ここ最近、女性のトラック・メイカーは増えてきているような気がするんですけど、将来的に私はミックスだったり、エンジニアリングまで自分で出来るようなアーティストになりたいと思っているんです。トラックを作り始めてから今までの6年間の間に、まだまだな部分はあるんですけど、クオリティはだいぶ向上しましたね。曲のストックも沢山あるんですけど、今聴くと恥ずかしいんですよ。トラックのトレンドってその時々で変わるじゃないですか。昔は生音中心のオーガニックなネオ・クラシック・ソウルが好きで、今みたいな電子系の音、4つ打ちのトラックは最初受け付けなかったんですよ。でも、今は脳の別の部分で考えるようになって、そういう曲もいいなって思えるようになったし、自分の作る曲に反映されてる気がしますね。だから、やっぱり私は曲を貯めるんじゃなく、その時に作ったものを出す方が好きですね」
- ──表向きのスタイルは今後もその時々で変わっていくとしたら、ご自分の変わらない部分はどこだと思いますか?
- 「やっぱり、声質や歌い方、メロディなんかで表現出来るソウル感ですかね。ただ単に今っぽいっていうだけのトラックは面白くないと思うんですよ。だから、自分なりのソウル感、歌唱力の上手い下手じゃなくて、声の波動から来るもの、人間性みたいなものはどの曲にも入れたいですね。私、K-Ci&JoJoやアリシア・キーズがすごい好きなんですけど、彼らのソウル感をお手本に自分らしい音楽を作っていきたいと思ってます。」
(取材・文/小野田雄)
*10月7日はレコチョク独占先行配信