PRESS RELEASE

プレスリリース

2012年7月3日

デジタル圧縮音源におけるビクター独自の高音質化技術「netK2」が、TBSラジオ運営の有料音声配信サイト<らじこん>及びTBSラジオ・TBSテレビ運営の音源即日販売サービス<BLITZ T2D>で全面採用

ビクターエンタテインメント(以下、ビクター/代表取締役社長:斉藤正明)と株式会社JVCケンウッド(以下、JVCKWD/本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:不破久温)が共同開発したデジタル圧縮音源の高音質化技術「netK2」(*1)が、この度、株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ(以下、TBSラジオ/本社:東京都港区/代表取締役社長:入江清彦)が運営する有料音声配信サイト『らじこん』及び、TBSラジオと株式会社TBSテレビ(以下、TBSテレビ/本社:東京都港区/代表取締役社長:石原俊爾)が運営するライブ音源即日販売サービス『BLITZ T2D』(*5)にて全面採用されることが決定しました。

「netK2」とは、ビクターのスタジオ技術とノウハウを駆使して、原音に忠実に音楽を提供するとの「原音探究」の理念のもとデジタル音源の音質向上を目指してJVCKWDと共同開発した独自技術「K2」(*2)を基盤として、音楽配信や着うた?等を中心とした圧縮音源による音楽の楽しみ方の多様化に対応させた応用技術として2005年夏に完成させました。「netK2」は、音源がデジタル圧縮される際に失われるデータを復元する高音質化技術で、圧縮された音源にもかかわらず圧縮前のオリジナル音源と同様の音質再現を可能にするものです。その「netK2」を圧縮音源の高音質化に関して、配信のプロセスに置き換えた場合、①配信エンコード(圧縮)前の高音質化処理(K2プリ処理技術)、②伝送系の音質変化要因の除去、③オーディオ機器再生時での高音質化処理(K2ポスト処理技術)という三つの領域(処理技術)から成立しています。

ビクターでは2005年10月よりパソコンや携帯向けの音楽配信に「netK2」を全面採用すると同時に、業界全体の音楽配信で提供されている音源の水準向上を目指し、<K2プリ処理技術>(*3)を広く業界各社やコンテンツプロバイター各社など外部へライセンスの供与をしてまいりました。

TBSラジオは2010年4月より有料音声配信ポータルサイト「らじこん」(*4)のサービスを開始し、これまでに135タイトル、3500コンテンツを有しています。JUNK、女子アナウンス部御中などの人気ラジオ番組コンテンツ配信や、2011年秋スタートのプロ・アマを問わないオリジナル楽曲の有料配信<B,E.A.T project>などの楽曲配信を行うなか、JVCKWD、ビクターとの連携により「netK2」の<K2プリ処理技術>をベースとするエンコードシステムを新たに開発・構築されています。TBSラジオでは、「らじこん」の配信コンテンツの高音質化と音色の進化により、音にこだわるユーザーニーズを取り込み、ラジオ番組や音楽のもつ魅力、楽しみ方を幅広く訴求されていきます。

ビクターは今後も音楽に込められたアーティストや制作者の思いや感動をより原音に忠実にお客様に提供していきながら、広く音楽文化の発展にも寄与するべく取り組んでまいります。

■技術解説

*1【netK2】
「高ビットレートから低ビットレートまでの音楽配信や圧縮音源」に対応した音質向上に対して下記のように三つの領域から成立しています。
(A) K2プリ処理………… 配信エンコード前の高音質化処理
(B) 通信・伝送K2……… 伝送系での音質変化要因の除去
(C) K2ポスト処理……… オーディオ機器・ポータブルオーディオ機器再生での高音質化処理

今回ご紹介している「K2プリ処理」は(A)を実現するものです。

*2【K2】
マスターテープを基準として、録音、マスタリング、オーサリング、カッティング、民生機再生処理など音声信号の各段階で音源の高音質化を図る技術の集合体で、1987年から順次開発・改良されてきた。ビクターエンタテインメントなどのスタジオ・マスタリング、ディスク製造プラントなどのプロユース機器から、民生機器及びソフト制作までを網羅した高音質化テクノロジー。また、ビクターエンタテインメントではK2HDマスタリング+HQCDなど、K2技術をパッケージソフトのクオリティアップに適用した商品を開発、発売しています。

*3【K2プリ処理技術】
K2プリ処理技術は、
①CDフォーマットの音源を、ニュアンスを変えることなくビット数拡張・周波数帯域拡張して約1,000倍の情報量の信号を生成します。
②その信号を音源のニュアンスを変えることなく、あるパラメータ(圧縮方式・データレートによって異なる)によって、CDフォーマットに収め込むという技術で、本技術を用いて作成した圧縮データは、プリ処理しないデータに圧縮をかけたものに比べ、マスターテープの持つクオリティにより近い音質を実現します。

①は拡張技術「K2プロセシング」で、現在多くのマスターがCDクオリティで作られていることからCDよりも器としての容量の大きなメディアに適応した超高音質パッケージへの展開も期待される技術です。
②は収め込み技術「K2HDコーディング」で、CDフォーマットでは従来カットオフされていた20KHz以上の高周波数帯域の情報と、エンコード時に生ずる圧縮特有の音質劣化を軽減させる信号を、エンコード方式に応じて生成し、CDフォーマット内に収め込む技術であり画期的なものです。

「K2プリ処理技術」は、ビットレート・サンプリングレートは現行のまま、音源データ自体をマスターテープのクオリティに近づけるというもので、現行の配信側の機器やソフトウエア、受信側の機器やソフトウエアになんら変更を加えることなく高音質化を実現することが出来る点が先進的といえます。

*4有料音声配信ポータルサイト「らじこん」サービス概要について
http://www.radi-con.com/
株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズが運営する有料コンテンツのポータルサイトです。全国のラジオ局やコンテンツプロバイダが制作しインターネットで配信している魅力あふれる有料音声コンテンツをアグリゲートしたポータルサイトで、ジャンル分けや制作社別の検索機能を備えており、厳選したコンテンツを本サイトから探せ、聴くことができます。
http://special.sas-fan.net/special/garakuta/al/
◎ミキシング・エンジニア:中山佳敬(ビクタースタジオ)

*5 日本初の常設型ライブ音源即売システム「BLITZ×T2D」について
http://totte.tv/
赤坂BLITZにレコーディング機材を常設。TBSラジオの音声収録スタッフがライブレコーディングを行います。終演後にライブに来ている観客の皆様に「T2D LIVECARD」を販売し、最短1時間でダウンロードが可能。ライブの感動をその日のうちにお持ち帰りいただけます。ダウンロードの方法はシンプルで簡単。カードに記載された専用サイトにアクセスし、カードに書かれたシリアル番号を入力し、ダウンロードするだけです。


以上

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