BABA ZULABABA ZULAババズーラ
ハッケがベースで参加したババズーラはムラット・エルテル(ギターとサズ)とレヴェント・アクマン(パーカッションと音響効果)の二人からなるジャムバンド。ハルク(トルコ民謡)などの伝統音楽をベースに独自のスタイルを築いてきた。イスタンブールは西洋でも東洋でもなく、その長い歴史において、多くの民族の影響によって形づくられ、その影響は今日まで続いていると彼らは主張する。ヨーロッパとアジアを分けるボスポラス海峡が彼らの内なる葛藤の象徴となる。今回はヨーロッパ、アジアどちらにもしっくり来なかったという理由から、ボスポラス海峡の船上で撮影するアイデアが出される。昼から夜まで24時間をかけ、船のデッキからイスタンブールの町をサウンドで破壊するのだ。
ババズーラはジャジーなサイケデリック・ロックとオリエンタル音楽をミックスさせた70年代初頭のドイツのバンド、CANの先例にならっている。CANは即興の作品にエキゾチックな影響を加えた最初のバンドである。ババズーラのサウンドとスタイルはトルコのメインストリームにとってアヴァンギャルドすぎるかもしれない。だが例えヨーロッパを経由する回り道が必要になるにせよ自分たちのやり方を貫いている。
アラビアン・ナイトとサイケデリックなフラワー・パワーがバンドを覆う。ロンドンのダブDJマッド・プロフェッサーがミキシングした彼らの03年のアルバム「サイケベリーダンス・ミュージック」はトルコや全世界で大ヒットした。