DUMANDUMANデュマン
トルコではロックはいまだに反逆の表現である。ヨーロッパではロックは既に無数のスタイルに細分化したが、トルコでは現在がヨーロッパにおける1970年代のロックシーンのように盛り上がっており、ベイオール地区ほどロングヘアーが多い場所は他に無いであろう。
デュマンはトルコのパンクにも多大な役割を果たしているが、伝統的なトルコ・ロックの中心的存在でもある。ヒッピーでヘビーメタルな両親に影響されて10代でバンドを結成。その頃からバーで演奏し、英語の歌詞で歌っていた。21歳になった時、シンガーとして自分自身を試すために当時のグランジ・ロックの中心地であるシアトルに赴き、数年間を過ごした。
遠く離れたシアトルで彼はトルコ語で歌詞を書き始めた。それは無意識にも今のトルコでの成功の基盤作りであったといえる。彼の代表曲の一つは、故郷イスタンブールへの賛歌であり、ライブでその曲を演奏するとファンはワイルドに盛り上がる。一緒に叫びたくなる純粋なパンク、イスタンブールの暗部への歌である。