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SINGLE


駅ニテ

TITLE『駅ニテ』
DATA2004.02.21 / 12cmシングル / VICL-35610 / ¥1,260(税込)/ ¥1,200(税抜)


1. 駅ニテ REAL VIDEO 着うた ダウンロード購入
作詞:荘野ジュリ 作曲:Jin Nakamura 編曲:Jin Nakamura
2. ひどい午後
作詞:荘野ジュリ 作曲:Jin Nakamura 編曲:Jin Nakamura
3. 人形ラプソディ
作詞:荘野ジュリ 作曲:Jin Nakamura 編曲:Jin Nakamura
4. 駅ニテ(摂津富田mix)
remixed by Yuichi Nagayama

※視聴するにはReal Playerが必要です。


グルーヴ感の中を空気のように心地よく漂う声。
暗黙のうちに押し込めている敏感で柔らかい気持ちを 日常から切り取られた等身大の言葉で綴る詞世界。
なんかココロにひっかかる荘野ジュリ、2月21日デビュー。



女性誌なんかでよく見かける“イイ女になる!”的な特集記事。男子の僕が買って読むことはないけれど、どうしようもなく手持ちぶさたな歯医者の待合室なんかで読みながら、女が考える“イイ女”感と男が考えるそれにはかなりの違いがあるもんだなあ、などと思ったりするもんです。じゃあ、なにが違うのかっていうと・・・・・・まあ、それは夜を徹して説明しなければならないぐらいの大命題であったりもするんで、別の機会に(もちろん、そんな機会はないけど)。

さて、このたびデビューと相成ったひとりの女性シンガー、荘野ジュリ。20歳。大阪生まれ。さっそく申し上げてしまいますが、彼女の歌には、ただならぬ“イイ女”感が漂っていると思うんです。表現力がまこと豊かなヴォーカリストであることはあえて言うまでもなく、その歌声から匂い立つものは“イイ女”感・・・・・・おっと、だからといって“セクシー”だとか“エロい”っていう早合点はいけません。それって、男子的な価値基準に寄ったものですしね。男から見ても女から見てもおしなべて“イイ女”と呼べるのは、“セクシー”だとか“エロい”という以前に“嫌味がない”“いっしょにいて飽きさせない”“疲れさせない”などなど、人と人とのコミュニケーションにおいての“基礎”がまずはあってこそなのではないかなあと思うんです。そこに、ルックスやスタイルなどといった人それぞれの好みが加わることによって、好き嫌いの大小が変わっていくものではないかと。で、荘野ジュリの歌声は、まさにその“基礎”が備わっていると感じます。彼女の歌声は、飛び抜けて美麗なハイトーン・ヴォイスを聴かせてくれたり、荒い吐息混じりで女の情念を露骨に漂わせたりという、いわゆる“オンナの武器”で聴き手を反応させるものではなく、その声の質感によって、無性にそばで同じ空気を共有したくなる気持ちを聴き手に与えたり、さらには時折発せられる心痛を伴った言葉すらもリラックスさせながら聴かせてしまうという不思議な魅力があるのです。

さて、そんな彼女の歌声を収め、世に放たれるデビュー・シングル『駅ニテ』。そこに収められた3曲では、アップ、ミディアム、スロウと見事に分かれた(もちろん狙いでしょう!)3種のトラックに乗った荘野ジュリの歌を聴くことができます。ポップ感覚冴え渡るそれぞれのトラックは、職人仕事と言えるほど綿密に練られたもので、そこに彼女の歌声が乗ることによって独特の“グルーヴ感”が生まれ・・・・・・だからといって楽曲を総括して単に“グルーヴィー”というのにはかなりの嫌悪感があるものです。ましてや“クラブ系”などと言うのももってのほか。なぜか?と言えば、トラックを一聴して“グルーヴィー”な様を感じ取れたとしても、そこに彼女の歌声、言い換えればある種のエナジーが注ぎ込まれることによって、既成の音楽用語では言い表せないサムシングが生まれている気がしてならないからなのです。その、“サムシング”という部分について明確に説明するのは非常に難しいところではありますが、ひとつ言えることは、それが耳の肥えた〈通〉だけを納得させるようなものではないということ。よく「洋楽テイストの・・・・・・」といった売り文句や、「マスコミウケはいいんですけどね」なんていう微妙な声をレコード会社の方から聞いたりしますが、荘野ジュリのそれは、それこそ女性誌を眺めながら流行スポットや季節のアイテムをチェックすることに余念のないOLさんとかが「なんかイイかも」なんてうっかり口にしそうなものだと思う次第です。OLさん(と限定してしまうのもあれなんですが)というのは、クォリティー云々というよりも、まずはなんとなくイケてるかイケてないかを嗅ぎ分ける臭覚が異常に敏感だったりしますから・・・・・・。

作ってる音楽は、すごく濃厚なものだったりするんですけど、届くべきところは敷居の低い場所から――それが“スタンダード”になり得る条件のひとつであると言うならば、それを荘野ジュリは持ち得ているのではないだろうか。

(bounce編集部 久保田泰平)




『駅ニテ』

彼が昨日ビデオ屋で言った
どんな風に 僕を選んだの
笑いながらあたしも言った
見たい映画 借りるように 決めたの

向いのホームの誰かが
あたしのものにならないのは
2本の線路が悪いの
何がわるいの?

足りないよ 足りないよ
あたしなら 潰れていいよ
お願い ためらわないで
きつい 抱擁をして
あたしだけ 満たされない
誰でもいい 髪をなでて
とにかく そばにいて
それだけでいいから
それのみでいいから

ほら 昼間のワイドショーのね
無表情な レポーターになりたい
誰かがそっと 壊れてくのを
あんなそばで 感じられるから

向いのベランダの花が
あたしのモノにならないのは
日本の政治が悪いの
なにが悪いの?

塞げない 塞げない
このアナは 誰にも きっと
たやすく 触れたなら
ころがりおちるよ
同情か 愛情か
今さらもう 関係ないよ
さみしい女だと
笑って下さい
眺めて下さい

軽蔑してた人たちと
あたしはなにも変わらない
安売りしてきた心よ
どうか 許して

あたしだけ 違っている
あたしだけ 変わってるの
どうしてか 教えてよ
誰か 教えてよ

足りないよ 足りないよ
あたしなら 潰れていいよ
お願い ためらわず
きつい 抱擁をして
あたしだけ 満たされない
あたしだけ 変わってるの
とにかく そばにいて
それだけでいいから
それのみでいいから


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