the id : 2005.5.31
新曲「ループ」が発売になり、多くの方に聴いてもらえているようで、みなさん本当にどうもありがとう。長く、大切にしてもらえる曲になると嬉しいです。よろしくです。
ちょっと暗い話でナンなんですけどね、「ループ」発売日に、私の大好きな祖母が亡くなったんです。倒れてから亡くなるまで、私だけ、会いに行くことができませんでした。とても忙しい時期で、佐賀まで行くことができなかったのです。
大好きな大好きなおばあちゃん、私のことをいつも応援してくれた人です。明るくて気丈で、可愛い人です。最後に会えなくて、胸が苦しいです。子や孫や兄妹たちに囲まれて、静かに安らかに亡くなったそうです。そのとき、発売になったばかりの「ループ」を枕元でかけていたということです。
数日遅れて、私も佐賀へ行く時間が取れました。久々に行くと、なんだかとても良い街でした。仏壇にかざられた祖母のとびっきりの笑顔の写真を見て、とても変な感じがしました。もう居ないということに、まだ慣れません。
だけどその写真を見つめながら、もっと一緒に過したかったとか、もっと孝行したかったという思いはあるけれど、なぜか不思議と心のどっかが少し温かいのは、偶然にも発売が重なった「ループ」の歌詞の意味に救われているからだと思いました。
この曲が、今さらもっと深く、大きく心に入ってきます。生と死はいつもセットになっている。出会いと別れも。この世界のすべてはそうやってめぐりめぐっているのだ、だからいつかまた会えるって気がしてきます。今は悲しいけど、でも側にいる感じがするのです。
祖母が亡くなった日も、ひとりだけ東京で淡々と仕事を続ける自分がひどく冷たい気がして辛かったけど、きっとそうじゃない。私のいちばんのファンでもあるおばあちゃんだから、そして自分も商人として死ぬまで仕事をしていた人だから、私が仕事を放り出したりすればきっと悲しんだでしょう。だから全部予定通りこなそうと思ったのでした。
手を握っているだけが愛じゃない。隣にいなくても、触れることができなくても、その人の気配を感じながら生きていくことができれば、ちゃんとつながってるんだと今はわかります。最後に耳元でそう歌う私の声が、おばあちゃんにもちゃんと届いたと思っています。
帰りの飛行機の中、機内のラジオの邦楽チャンネルに私の曲を発見。「ループ」を聴きながら東京に帰りました。
おばあちゃん、また会いたかー!
*maaya*