the id : 2008.7.14
べつに、エジプトが嫌いだったわけじゃない。
でもアムステルダムの空港に帰ってきた瞬間、反射的にテンションがグッと上がったことは認めざるをえません。
これまでいろいろな国を訪れてみて、やっぱり理屈抜きに「なんか合う」「なんだか疲れる」という基本相性は確実にあるなあと感じます。それは、楽しいかどうかといったエンジョイ度合いとは必ずしも一致しないのがまた不思議なところ。
たとえば私の場合、ヨーロッパ方面はいつも相性ばっちりで、行くだけでものすごくエネルギーが湧いてくるような感じがします。どんなに時差ぼけでも、どんな人ごみも、どんな食事も体が拒否反応を示さないというか。反対にアメリカ大陸へ行くといつもなぜか体調を崩すことが多かったり、うきうき観光気分で街を歩いていてもなぜか急に寂しくなったり、ホテルに戻るとドッと疲れが出たりするのです。もちろん良い思い出もそれ以上にいっぱいあるので、これからも広大なアメリカのまだ知らないいろんな都市を訪れてみたいと思っていますが、この基本相性はいつか克服できるのかしら?
てなわけで、前置きが長くなりましたが、初めてのエジプトで感じた相性、正直「ばっちり!」とは言いがたいものが。それは物理的に、ものすごく日差しが強いので紫外線が苦手な私としては必死になって肌を隠してないといけなかったし、どこでもかしこでも蚊との戦い。さらに街を歩けばひっきりなしに人々に話しかけられて気を緩めることができなかったという理由もあります。特に日本人の女性は(しかも黒髪おかっぱ頭の私は)オリエンタルな印象からかエジプトの男性にモテまくり。みんなが悪い人じゃないと思うけど、一応旅の心得としては身の安全第一。ホテルの部屋にいるとき以外はいつでも気のバリアを張っておかないといけなかったりして、すっかりヘトヘトになってしまったという感じです。
そしてもうひとつ馴染めなかったのは「トイレ係」さんのいるトイレ。レストランなどには必ずトイレ係さんがいて、チップを渡して紙をもらうというシステムなのです。とにかく、個室に入ってもドアの向こうにトイレ係さんが座っていると思うと落ち着かない。郷に入れば郷に従えと、そう思っているけれど。そして自分は、どんな状況も受け入れてやるって腹をくくれる女だと思ってたけど、結局これには最後まで慣れることができませんでした。
遺跡の見物には高揚し、夢中になりながらも、なんとなくいつも緊張しながら過ごした3日間だったのかもしれません。
そして行くとき同様、帰りもアムステルダムでトランジット。しかも帰りは、乗り継ぎに7時間近い余裕があるので空港の外へ出て街を歩くことができました。砂と排気ガスでセピア色に見えたエジプトから、飛行機でたった数時間後に降り立ったアムステルダムは緑があふれ運河のきらめく、まるで絵画のようなキラキラした都市でした。世界っておもしろいなあ。いろんな国があって、いろんな人がいて。それぞれに良さがあって、文化があって。
うおー!なんか、窓の外を流れる景色を眺めているだけなのに、俄然元気が出てきた?!やっぱりヨーロッパが一番好きなんだな私…と再確認。意気揚々と、エジプト行きの「おまけ」で行くことができた初めてのオランダ観光へと繰り出したのであります。
その話は、また次のときに。
*maaya*