岩里祐穂 メッセージ

美しい序文と共に差し出された「今日だけの音楽」というテーマ。古川麦さんの曲は、明るく長閑(のどか)でありながら、様々な景色と心情を呼び起こしてくれました。

バスの窓から入りこむ風と、その目に映った久しぶりの町。あの震災における福島原発の事故で、生まれ育った土地を離れざるを得なかった「僕」の、たった一日だけの帰郷。『ディーゼル』には、そんな物語が隠されています。

同時にそれは、遠くに故郷を持つ誰もが時に揺さぶられる、ほろ苦い複雑な感情かもしれません。

真綾ちゃん、4年ぶりのアルバム、完成おめでとう。

見事な一枚に参加できて嬉しい。この作品が、徐々に変化している坂本真綾の、新たな幕開けになると確信します。