今回のゲストは、私がデビューシングルからお世話になっているエンジニアのヤブさん。基本的に寡黙なので、第一印象は「ちょっと怖い？？」だったんですけど、実際はまったく全然そんなことはなく、いつもニコニコ穏やかなお人柄。
こないだヤブさんに「最近怒ったのいつ？」と聞いてみたけど、自分でも思い出せないくらい昔の事だったようで、そのくらい穏やかな人なのです。
そしてもちろん、天才的な耳の持ち主であるヤブさまは、レコーディングになくてはならない大切なパートナーなのであります。
ヤブさんには2年前かわいい赤ちゃんが誕生したんですが、その頃スタジオでは「男の子かな〜？女の子かな〜？」「名前は何がイイかな〜？」とみんなでいつも話していて、今か今かと楽しみにしていました。そんな中私が提案した名前が、なんと実際にヤブハラ家で採用されたんです！だから私はヤブさんの赤ちゃんのゴッドマザーなの。すごいっしょ？しかも生まれる前日、私の夢にヤブさんが家の庭で赤ちゃんを抱いてブランコに乗っているという姿が登場したんです。まさに予知夢！
そんな固い絆で結ばれた私とヤブさん。これは絶対インタビューしないわけにはいかないっしょ。
第３回 GUEST:
エンジニア　薮原 正史
（Recording Engineer）

(illustrated by maaya.)
回答者：エンジニア（Recording Engineer）薮原 正史
1）いつもなんて呼んでますか？
真綾ちゃん。ごく初期の頃、かげで高校生ちゃんと言っていた事もあった。
2）坂本真綾の第一印象（それはいつ？）
そういうわけで、高校の制服。
エスカの録音の時に初めて会ったんだけどって今見たら井上さんとおんなじじゃないか。そうか、あの時がねえ・・・
3）あなたの知っている「坂本真綾伝説」
ちょうどその初対面の時に、無謀にも菅野さまは超絶難しいコーラスをその場で指示してやれと云うではありませんか。どうなる事かと思ってると1〜2度練習しただけで見事にやってしまいました。
やる方もやらせる方もタダモノでは無い。
4）坂本真綾について困っていること、やめて欲しいこと
個人としてはありません。ただ、これは僕一人の意見ではないと思うのですが、某作曲家と、某ディレクターとの黄金のトライアングルを形成した時の女3人のパワーでもってスタジオで喋られると、いくら音量上げてもなーんにも音楽が聞こえなくなります。
5）坂本真綾を色に例えるなら？
Apple社のMac OS Xを見た事あるかなあ？
あの感じなんだけど分かるかなあ？
6）動物に例えると？
あえて何かに例えるとすると、ワサビとか育ちそうな清流の流れる川かな。
きっと声の印象だと思うけど。
7）坂本真綾の曲の中で一番好きなのは？
そんな事聞くもんだから制作途中を含め全曲200回以上聞いているはずなのに、また全部聞き直してしまいました。もはや正常な判断は出来ないので時期的に言うと大体「グレープフルーツ」以降のものはほとんど好きです。
8）そんなこんなありますが、坂本真綾をひとことで言うと？
関わったスタッフをみんなファンにしてしまう人。
9）今後の坂本真綾大予想
スタッフだけな訳は無いので、徐々に広く世間に蔓延するのではないでしょうか。
10）サカモトさんに対してご自由にメッセージをどうぞ
子供の名前考えてくれてありがとう。
〜薮原正史（やぶはら　まさし）〜
菅野よう子、坂本真綾の楽曲のほとんど全部に参加。
その他ROUND TABLE、LITTLE CREATURES、窪田晴男さんとのお仕事が多い。
動物占い＝ひつじ。車大好き。しいたけ大っ嫌い。



ぷぷっ。これはわたくしとしては非常に笑っちゃう内容盛り沢山でございました。だってもうヤブさんの喋ってる声が聞こえてきそうな文章なんですものー。こんな感じで、一見すごくクールでたんたんとしてるんですが、実は心の奥深ーいところで感情が人知れず盛り上がったりしてるわけですよ。うふふ。
こないだ私の誕生日の日にスタジオでみんながケーキを用意しておいてくれて、ハッピーバースデーを歌ってくれたんですけど、そのときちゃんと声を出して歌ってくれているヤブさんを見て感激！！みんなも「歌っているところを初めてみた！」と話題騒然。やっぱり人間ってギャップの部分が魅力的ですよね。
それから問4ですけど、「黄金のトライアングル」を形成したときは、確かにひどい騒音です。何しろ、スタジオの分厚い防音扉でさえ突き抜けてしまうほどの騒がしさ。たった3人で喋ってるとは思えないほどの盛り上がり。すぐそこでヤブさんがトラックダウンの作業を進めているというのに。ごめんよヤブさん。でもでも、ホントはホントは、その会話の一部始終を聞いてるく・せ・にクスクス。おそらく、あんな事もこんな事も、ヤブさんは全部知っている・・・。ああ見えて我がプロジェクト随一の事情通。
いやー、このインタビューで変なことバラされなくってよかった。ホッ。