第9回 GUEST:
ラジオ“I.D.”ディレクター
 池田 雄一
今度のゲスト池田氏は、今年で四周年を迎えたラジオ番組「I.D.」のディレクターさんです。でも実は「I.D.」以前にも一緒に番組を作っていた事があるんです。それは私がファーストアルバムを発売した96年にラジオ大阪で放送していた「坂本真綾のグレープフルーツ」という番組だったんですけど、聞いてた人いるかなあ?これが私にとって初めてのラジオパーソナリティを経験することになった記念すべき番組。
あれ以来ですからもう気が付けば池田氏とも7年くらいの付き合いになるわけですよ。おかげさまで息もぴったり・・・なんだろうか?よくわかりませんが、とにかくいつも冷静に、そして広い視野を持って私を見守っていてくれるのが池田氏という人です。
しっかし本番前の打ち合わせ中はくだらないジョーダンを散々聞かされるわ、いいかげんな事ばっかり言うわ!ほんっと何でもジョークにしちゃう。だからふざけてるのかな?と思うと、急に真剣に熱弁したりすることも。音楽と映画に関する知識は底知れない。自分の考えをハッキリと明解に伝える事ができる。良いと思ったものは何でも素直に評価してとことん応援する。可愛い奥さんのいる売れっ子のラジオディレクター。ざっとこんな感じかな。
I.D.収録の後によくスタッフみんなで飲みに行くのですが、長い付き合いということもあってみんなホント気のおけない仲間です。しかし、私の周りの人々は(今までこのコーナーにゲストとして参加してもらってきた皆さんも含み)、ただの「仲良し」では終われない人たちばっかりなのです。つまり、私に対して本当の意味で「アドバイス」をくれる人たち。アドバイスは基本的に相手の為になると思ってすることですが、だからこそ言われた方は「耳が痛い」と思う場合も多々あるわけで、だけど本当に意味のあるアドバイスとはそういう痛みもともなうものだと思うのですよ。私が何か見落としそうなとき、悩んだり迷ったりしてるとき、誰かがそれに気付いて、本音からアドバイスをしてくれる。だから、私の周りにいる人たちは本当の意味で「優しい人たち」だと思うんです。

(illustrated by maaya.)
回答者:ラジオ“I.D.”ディレクター 池田 雄一
1)坂本真綾の第一印象を教えてください。(それはいつ?)
坂本サンのデヴュー前、ビクターに呼ばれて「この娘の番組を作ってほしい」と依頼をされ、「Feel My Self」を渡された。この曲のイメージで言うなら・・・チョットこだわりのある女子大生風、お嬢様なアーティスト。さー、本人に逢う当日、場所が思い出せませんがコレが私の第一印象!「子供じゃん!」

2)で、実際の印象はどうでしたか?
上記もしたが、番組はこだわりのある女子大生風、お嬢様なアーティスト・・・このテイストで構成をしてしまったから後戻りは出来ない。でも目の前にいるのは街をうろついている女子高生よりもはるかに、お子様な坂本サンでした。我を通して、部屋にいる女の子の独り言のような番組を収録したら印象が大きく変わりました。坂本さんはコンパクトに話が出来る。起承転結が出来ている。などしゃべり手に必要とされるものを持っていたのです。実際に逢っての印象は・・・「最高のしゃべり手を見つけたかも?」

3)あなたが知っている、取って置きの坂本間綾伝説を教えてください。
基本知識を重視していない(笑)坂本さんにとって、発言することが全て伝説となるので、思い出せません(ゴメン)。番組を聴いていればその辺は絶対に分かるはずです。

4)総合的にみて、坂本真綾の女っぷり度、何セクシー?
希望は120セクシーだけど、第一印象が「子供じゃん」の人にセクシーは求められず、オマケ入れて10セクシー・・・但し!目は100セクシーを超えています。機会があったら近くで目を見てみてください。

5)坂本真綾にやらせてみたい番組
これは是非やってもらいたいが、「坂本真綾の・・・」という番組じゃなく、ワイド番組の普通のパーソナリティーやDJをやってもらいたい。普通に情報を紹介して、自分の感想を伝える。メッセージもファンからのモノでなく、番組の内容に関連したものを紹介する。そんな番組。

6)坂本さんにコレだけはやめて欲しいという事はありますか?
特にないけど、必要ないものを買うことかな?あともう少し楽器を練習して欲しい。

7)4周年について・・・
こんなに続けられると思わなかったけど、気がついたら4周年ですか・・・肩に力が入っていないから長く続けられたんだろうね。昔、坂本さんが「いろいろな場所での仕事の後I.D.に来るとリラックス出来る」と言っていたのが全てだと思う。

8)今後の坂本真綾に期待することは?
特にミュージシャンとしての坂本さんに・・・今いる環境が全てじゃない事を理解して欲しい。いろいろな音楽と触れて、いろいろなミュージシャンと知り合って、ライヴにも行って、世界のアーティストのコラボレートを知り、それを全部自分の中に入れて、音楽を出していってもらいたい。そしていろいろなアーティストとコラボレートしてもらいたい。サンタナがミッシェル・ブランチをゲストに呼んだように、坂本真綾の声を求めるのがファンだけじゃなく、アーティストまで求めることが、僕の期待していることです。



ほーらねぇー耳痛いっすよ・・・「楽器の練習しろ」「ムダ使いが多い」etc・・・。でもね、なぜがたまたま「I.D.」収録の日に何か買い物をしている事が多くて、だからいっつも池田さんに「また無駄遣い!」と言われるんですけど、ほんとたまたまなんですよー。ま、確かにせっかく手にした楽器も練習しないのでは意味がない。やります。やりますとも!しかし「基本知識を重視していない」とはヒドイ言われ様よね!それにセクシー度低すぎ。前にBAY FMのディレクターさんにも同じ質問をしましたが、あのときの30セクシーだって相当低いと思ったけど、まさかそれより下の数字が記録されるとは!みんな私の何を見てるんだ!確かに、私にとってI.D.の現場はとてもリラックスできる空間になっています。
このホームページのエッセイ「id」のコーナーにも書いたけど、もともとラジオを聞くのが大好きだった私にとって、ラジオのお仕事に携れるのは本当に嬉しいことなのです。池田さんは私が初めてのラジオパーソナリティを勤める時からずっと、私を支えてくれました。いつも本音で接してきてくれた池田さんだからこそ、この人に言われるひとこと一言は真摯に受け止めたいと思っちゃうんだよね。と、こちらが素直な気持ちになったりすると、今度はまたバカみたいなジョークを聞かされたりするからほんっと困るんだけど!はははっ。