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“新生鬼束ちひろ”を印象付けた15年ぶりの全国ツアー。ツアーファイナル、奇跡の二夜を完全収録!
							ツアーファイナルとなった東京中野サンプラザホールでのバンドセットライブ、 追加公演のZepp DiverCity(Tokyo)でのピアノとボーカルのみのアコースティックライブ。
							同一楽曲を異なる装いで観客を魅了した奇跡の二夜、圧巻のステージを完全収録。ツアーステージフォトで構成されるプレミアムフォトブック付属の完全生産限定仕様。
							
鬼束ちひろ LIVE DVD/Blu-ray「ENDLESS LESSON」
- 2017年11月29日発売
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- <Disc1>
LESSON 1 [FLAME]
〜Live at 中野サンプラザホール on July 12, 2017〜 - 
											
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good bye my love
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碧の方舟
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Sweet Hi-Five
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BORDERLINE
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蛍
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陽炎
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流星群
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眩暈
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夏の罪
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帰り路をなくして
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ラストメロディー
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X
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悲しみの気球
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シャンデリア
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ULTIMATE FICTION
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弦葬曲
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月光
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火の鳥
 
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 - <Disc2>
LESSON 2 [ROSE]
〜Live at Zepp DiverCity (Tokyo) on July 18, 2017〜 - 
											
※ 収録曲はDisc1と共通
 
 - <Disc1>
 
						 メジャ-・レ-ベルとしては久々の新曲となった「good bye my love」。昨年、この歌を聴いた時は、スッキリしたなと思った。エモ-ションの揺れの美学とは違う、澄んだ色の切なさが、この歌には響いていたからだ。鬼束ちひろのポップ観が、新たなフェ-ズへ向かったことも予感させた。鈴木正人のプロデュ-スは、シンプルなようで伝わるものが多い。文章を推敲する際、不必要な接続詞や意味の重複をカットすると、伝わる量が増す。それと似たことを、音でやった感覚だろうか…。
						
						 そんな新たな体制のなか、彼女のソング・ライタ-としての能力と、シンガ-としての能力が、別個に磨き直されて、また、程良い客観性もまとい、新たな輝きを得たのが『シンドロ-ム』だった。原点回帰と評する人もいたが、根底にホ-リ-さを蓄えつつも、伸びやかな曲調が多かった。「弦葬曲」は、聴き手の既知感を刺激した。「火の鳥」は、彼女の作家としてのスケ-ルの大きさを証明した。「悲しみの気球」の歌詞の、減衰する想いを堕ちる気球に例えた表現力には、正直、唸ってしまった。
						
						 でも、想いに浸る暇はなく、ツア-が始まり、彼女は熱狂的に迎えられる。中野サンプラザで観たが、ステ-ジの立ち姿は、まさにあの鬼束ちひろであった。常に中心に声があり、それをなぞるかのように体の動きがついていく。時折、カ-リングの投球のように慎重に差し出される手。会館と肉体を共振させるように、力強く踏みしめられる足。気づけば我々観客の意識は、彼女の内側へと入り込んでいた。今回、そのツア-の模様が、LIVE DVD&Blu-rayになる。ピアノの伴奏のみの“ROSE”は、花弁が解けてくかのように歌の世界が広がり、バンドを従えての“FLAME”では、構図の据え方、景色の切り取り方が巧みに伝わる内容だ。
						
						 鬼束は、過去には表現者として、ずいぶん振り切ったこともしてきた人である。芸術を[純粋芸術・大衆芸術・限界芸術]に分類する考えがあるが、すべて横断してきたのが彼女だろう。それはポップと無縁な行為のようだが、ポップが中道を旨とするなら、山側の景色も海側の景色も、両方知ってるからこそ歩ける“真ん中”がある。これまでの振り幅があったからこそ、今、それが出来るのだ。この先に続く道に、大いに期待したい。
						
小貫信昭(音楽評論家)
MOVIE
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「ENDLESS LESSON」(Teaser)  
