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鬼束ちひろ、完全復活。待望のニューシングル[good bye my love]

メジャーリリースとしては約5年ぶりとなるニューシングルは、愛の終わりを歌うスタンダードなミディアムバラード。この数年の経験やブランクを経て、飾りな い女性としての柔らかさや温かみも内包し新たな魅力が開花。プロデューサーに鈴木正人氏を迎え、シンプルでアダルトなバンドサウンドの中に、成熟した本格 的なシンガーとしての唯一無二の存在感を放つ、鬼束ちひろのネクストステージを予感させる作品に仕上がっている。カップリングの「夏の罪」は花岡なつみへ の提供曲のセルフカバー。これぞまさに“鬼束節”とも言える心に爪を立てる独特の詞世界がここに健在。また、「月光」「眩暈」など初期の大ヒット作を生み出 したプロデューサー羽毛田丈史氏との再タッグが13年ぶりに実現し、繊細でドラマティックな初期鬼束ちひろの世界観がここに復活。更に、未発表新曲「碧の 方舟」のアコースティックバージョン、今年4月に行われた日本橋三井ホールワンマンライブより彼女の最大のヒット曲でもある「月光」のライブ音源を収録。

 11月2日、鬼束ちひろがニュー・シングル「good bye my love」をリリースする。メジャーリリースとしては約5年ぶりのシングル、「good bye my love」から聞こえてくるのは、憂いを帯びながらも、しなやかで包容力のある歌声であり力強い存在感だ。活動休止期間やバンド名義での活動も経て、改めて、シンガー・ソングライター鬼束ちひろとしての真髄を伝えるようなシングルである。

 恋愛の終わりを歌ったビターなトーチソングでありながらも、その歌から立ち上がるのは、凛とした女性の姿だ。喪失の痛み、やるせなさといった感情が、風や季節がめぐるなかで少しずつ淡い色合いに変わっていく。《貴方を忘れないこれからも》と言いながら、《大きく手を振る 独りきり》《悲しいだけのlovesongもう歌えない》と、顔を上げて歩んでいく女性としての心意気が、丁寧に綴られた。ピアノを基軸にしたシンプルなバンド・サウンドを背に、さまざまな感情を内包し、美しく昇華したヴォーカルが相まって、大人のバラードに仕上がっている。そのことを告げると、「年齢のせいじゃないですかね」と笑う。
「20代前半は、驀進、みたいな感じでしたから。1日に2、3曲作ることもざらで。いい意味でも悪い意味でもなく、書き散らかしていた感じがあるんです。でもそれが、演出家の堤幸彦さんの耳にとまって「月光」がドラマ主題歌に起用されて。ヒットにつながったからいい結果になったんですけど、歌詞もドギツイし、なんでこんなの書いちゃったんだろうっていうのはあったんです。今は曲を作る前にいろいろな見方をするようになっています。だから詞先でもなくなって、同時に曲も書けるんだと思うんです」
 リリースが決まっていない時期も、曲を書き続けてきた。その過程で磨き上げられていった、ソングライター/語り部としての深みや、鬼束ちひろならではの鋭利で繊細な言葉や情感、そして言い知れない懐かしさの琴線に触れる歌心が、絶妙なバランスで成り立っている。「わたしは歌手としていつも、“この時代にわたしはいていいのか”と考えるんです。でも、自分は自分だから、譲らないし、譲れないんですよね」

 アデルやサム・スミス、シーアなど、耳の肥えたリスナーをうならせる本格派のアーティストが世界的なヒットを生み出す昨今。極めてパーソナルな歌を、そのソウルフルな歌声でスタンダードな叙事詩へと変えるパワーを持ち、聴く者の感情のひだまで震わせる滋味溢れる歌い手としての包容力に、人々は心酔し、人生のテーマソングにする。アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画『AMY』が話題のエイミー・ワインハウスも、この世を去ってなお、駆け足の人生を凝縮した深みあるその歌声が、誰かの人生を鼓舞し、寄り添い続けている。「歌手としていつも、この時代にわたしはいていいのかと考える」と鬼束は語るが、身を削り歌へと昇華し末端まで心と血の通った歌は、いつの時代においても古びることはない。触れれば鮮血がほとばしるような、存在感や躍動が感じられるはずだ。

 「good bye my love」について、鬼束は「自分で作っておいてなんですけど、技術的に難しい歌なんです。加えて、歌うときに自然に感情がこもってしまう。そのふたつが合致しないと、わたしの思う「good bye my love」にはならない」と語っていた。自分の内にある物語を、生々しく切り出して届けたい。そんな思いを込めた言葉だろう。表現へのピュアな衝動感を極め、また年齢と経験を重ね、音楽的に成熟を遂げた鬼束ちひろの歌は、多種多彩な広がりを見せ、新陳代謝の激しい日本の音楽シーンに一石を投じるものになるはずだ。儚く繊細な心の象徴から、リアルな大人の歌を衒いなく伝えていけるシンガー・ソングライターとして、鬼束ちひろが帰ってきた。

 カップリングには、初の楽曲提供曲となり花岡なつみが歌った「夏の罪」のセルフカバー、「good bye my love」と同時期に書いた「碧の方舟」のアコースティックバージョン、今年4月に日本橋三井ホールで行なわれたワンマン・ライヴから「月光」のライヴ音源が収録された。「夏の罪」では、デビュー時にタッグを組んでいたプロデューサー、羽毛田丈史氏との再タッグが13年ぶりに実現している。いずれの曲も、歌の魅力をソリッドに引き立てるシンプルな演奏がベースで、まっすぐに聴く者の心を射抜いて、じんわりとした余韻で満たしていくものとなった。歌との濃密でプライベートな時間を味わえるシングルだ。

ライター 吉羽さおり

[ good bye my love ]

2016.11.2 RELEASE

  • VIZL-1065

    <初回限定盤>

  • VICL-37228

    <通常盤>

    • 初回限定盤(CD+DVD) : VIZL-1065 / ¥1,700+税
    • ORDER
    • 通常盤(CD) : VICL-37228 / ¥1,200+税
    • ORDER
<収録曲>
  1. good bye my love

  2. 夏の罪

  3. 碧の方舟(acoustic version)

  4. 月光(Live)Live at 日本橋三井ホール on April 10, 2016

<初回限定盤 DVD>
  1. good bye my love (Music Video)
  2. 夏の罪(Music Video)
  • 「夏の罪」MUSIC VIDEO
  • 「good bye my love」MUSIC VIDEO
  • 「good bye my love」ダイジェスト試聴トレイラー

DISCOGRAPHY