INTERVIEW

Special Interview Vol.1 6/6

--前から言っている、サカナクション主催のレイヴ・パーティーのことですね。

「そうです」

--レイヴ・パーティーのコンセプトは固まってきました?

「J-POPでは、真正面からクラブ・ミュージックを鳴らしても受け入れられないっていうのがわかりましたね。<ユリイカ>って曲は僕の中ではテクノとエレクトロニカとダンス・ミュージックっていうのものが、良い配合でできた曲だったけど、あまり評価されなかった、一般的なJ-POPの世界では。評価してくれたのは僕らのコアファンなんですよ。僕らのコアファンしか買ってくれなかった。だから、まだ早いんだなと思いましたね」

--RISING SUN ROCK FESTIVALとSONIC MANIAでやったら全然受けなかったって、どこかのインタビューで言ってたでしょ。それはどうしてなんですか。

「いや~~~~それはみんなが求めてるものが違ったんですよね。みんな盛り上がりたかったんですよ、わかりやすく。音楽の楽しみ方っていう部分で、僕らはちゃんと求められたものをやらなかっただけなんですよ。めちゃくちゃ良かったって人もいたけど、それは少数だったんです」

--少数でも理解者がいればいいとは思わない。

「思わない。どっちの人にもいいって言ってもらえなければダメ。それが唯一できてるのがEDMなんですよ」

--そうかなあ…そうですか?

「バランスとして比重が一番近いのは。たとえばスティーヴ・アオキは、ROCK IN JAPANの客半分、ULTRAの客半分でも、同じように盛り上げると思うんですよ」

--でもそこでサカナクションがEDMやればいいかっていうと、そういうことじゃない。

「そういうことじゃない。EDMはデカ箱でしか絶対映えない。それは僕らがやりたいことじゃない。テクノやハウスやエレクトロニカの良さって、六畳のクラブでも最高に踊れるし楽しめるってことなんですよ。それは、繋がる音楽でもあるけど“個”の音楽でもあるから。でもEDMは“個”の音楽じゃない。そういう音楽って残らないんですよ、たぶん。ひとつの時代だけのものでしかないっていうか。ジュリアナ・テクノと一緒で」

--ああ、なるほど。一時的に巻き込む力はあるけど、でも時代の徒花でしかない。

「そう。LFOみたいにアンダーグラウンドときちっと繋がってるような音楽じゃなくて、お酒でも盛り上がれる。日本向きの音楽だと思う」