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Original Album「蓮の花がひらく時」
デビュー19周年。新境地を開いた自信作!
オリジナルアルバム「蓮の花がひらく時」
2020年12月23日(水)発売
これまでの活動を支えてきた名アレンジャー松浦晃久、森俊之に加え、今作では新たに、冨田恵一、山本隆二の二人を迎え、これまで以上に感情を前面に出した歌、そして多重コーラスによって美しい世界を鮮明に演出した楽曲など、バラエティに富んだ楽曲が詰まった全10曲を収録。
柴田淳ヘビーリスナーはもちろん、今から柴田淳を耳にする人、すべてを虜にする作品がここに完成!!
柴田 淳 オリジナルアルバム
「蓮の花がひらく時」
2020年12月23日(水)発売
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- 収録曲
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- DISC1
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全10曲、初回限定盤/通常盤共通
- DISC2
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初回限定盤のみ
はじまりはじまり(Instrumental)
ループ(Instrumental)
ハイウェイ(Instrumental)
紫とピンク(Instrumental)
真っ白な真っ黒(Instrumental)
私が居てもいい世界(Instrumental)
シャンデリアの下で(Instrumental)
珈琲の中(Instrumental)
可愛いあなた(Instrumental)
エンディング(Instrumental)
Interview
最新作『蓮の花がひらく時』は、リスナーに自信を持って勧められる作品とおっしゃっていましたよね。
“自信作です!”って言ったのは初めてじゃないですか?!(笑)。あったとしても、2作目の『ため息』くらいかな。デビューして10年経っていなかったと思うんですけど、私の心意気を日記に書いていたことがあって、何て書いていたかというと、アルバムを作る上で“常にベスト盤というポリシーを持って挑んでいきたい”と。つまりどれをとってもシングルと言われるくらいのクオリティーがあって、だけども幕の内弁当のように全種類違う色の曲を収録した作品ということなんですけど。実際にそれを続けていくのはとても難しいことなんですけど、でも、そういうポリシーでやっていくべきだなと未だに思っているんですよね。で、今回はというと、本当に幕の内弁当のようなカラフルな曲が集まったし、作品に手応えを十分に感じることができたから、そのクオリティーに近づけたかなと。正直言って、ここ近年は曲をひねり出すだけで精一杯だったので、余計に嬉しくて。それくらい今回は自信をもってお勧めできる1枚を作れたので、堂々と“自信作です!”とコメントさせていただきました。
今回は新しいことにも挑戦していますしね。
はい。これまでも柴田淳の世界をわかってくださっているアレンジャーのお二人、松浦晃久さんと森俊之さんとの新たな試みもあったり、また冨田恵一さんと山本隆二さんが新たにアレンジャーとして参加してくださって、新しい柴田淳を引き出してくださったり。だから挑戦し甲斐がありましたね。ホントに聴きどころ満載です。
新たなことにチャレンジした要因は?
デビューして19年が経って、さすがにここまで長くやってくると、ある種、柴田淳の世界を出し切っている部分があると思うんですよ。じゃあ次は何をやっていこうか?という時に私自身、全くのノープランだったんですね。そんな中、新しく担当になったディレクターがいろいろアイディアを出してくれたことが幸いして、これからはもうちょっと遊び心を増やしていろいろなことにチャレンジしていくのも面白いかなと思えたんです。例えば、コーラスを入れてみるのはどうか?とかね。新境地を開くっていうのかな。もちろん今までの柴田淳を捨てるわけじゃないんですけど、私自身、“柴田淳”に退屈してきたところもあったので(笑)。
“柴田淳”に退屈していた?
はい、私のやりたいことも現時点でやり尽くした感もあったから。それでいろいろと話し合う中で、新たなアレンジャーの方に参加していただいて、柴田淳を料理してもらおうということで。今回お願いした冨田さんはミュージシャンとして憧れていた方だったので、私からお名前を出させていただきました。もう一人の山本さんは、柴田淳のスタンダードな世界を上手く踏襲してもらえるんじゃないかなということで、ディレクターから紹介していただいたんです。
幾つかある遊び心の中で、例えば「ハイウェイ」はラテン調のサウンドで多重コーラスが入ったりして、新しい“しばじゅん”を楽しめますね。
「ハイウェイ」はこれまでの私の世界からは出てこないサウンドに冨田さんが仕上げてくださったんですよね。私の曲がこういうふうになるんだって、凄く面白かった。この曲に関しては冨田さんの指示でコーラスを重ねていったんですけど、打ち込みの音でピッチをとるのは凄く難しかったので、そういう部分などをディレクターに監督してもらいました。でね、この曲のコーラスの中に私の声のキーだと出ない低いメロディーがあったんですけど、「これはコンピューターでシステマチックにやるのも面白いから、これは無理してやらなくていいよ」と冨田さんから言われたんです。だけど、私、完璧主義だから「やります!」って応えて。ここまで生音でやっているのにここだけコンピューターなのは悔しいから、何回もトライして全部、生の声でハーモニーを作ったんですよ。そしたら富田さんも喜んでくださって。そういうチャレンジも初めてだったから面白かったですね。
収穫でしたね。
はい。それで冨田さん絡みでもうひとつ個人的に嬉しいことがあったんですよ。冨田さんから「柴田さんが作るメロディーって凄く独特だけど、アメリカの現代音楽家のガーシュウィンとか聴いてきたんですか?」と聞かれて、「凄く光栄なんですが、全く聴いてきてないです」ってお応えしたんですけど(笑)。冨田さんいわく「和音というかハーモニーが独特だから、ガーシュウィンとか聴いてきた人なのかと思った」らしいんですよね。柴田淳に対して“こういうふうに感じた”っていう目線の言葉を頂けたのは新鮮でした。
そういう目線の言葉を訊くと、自分の感性を信じられますよね。
そうなんですよ。本当に嬉しかった。憧れの先輩ミュージシャンにそう言っていただけて、私もミュージシャンとして認めてもらえたのかなって。
そういったいろいろな刺激が結果、アルバム制作にいい作用をもたらしたのは良かったですね。話は前後しますが、ただその一方で、今年は想像もつかないほどの世界的なパンデミックに襲われてエンタメ業界もいろいろ大変でした。柴田さんご自身もコロナ禍でのアルバム制作は大変だったこともあったんじゃないかなと。
アレンジャーさんにアレンジをお願いする時期が自粛期間と重なってしまったので、遠隔でのやり取りをしなくてはいけなくなったんです。松浦さんと森さんは以前から柴田淳を知ってくれているので、リモートでも一番最初の足並みを揃えるだけで良かったんですが、冨田さんと山本さんとは初めてお仕事をするわけですから、アレンジをお願いする上で果たして遠隔のやり取りだけで自分の意図をどこまで上手く伝えることができるかどうかってところに不安もあったんですけど…。もちろん妥協しながらは作れないので、納得いくまでやり取りをさせていただきましたけど、なかなか難しいものがありました。だけど結果、遠隔であっても私の気持ちを汲んでくださって理想の形に作ってくれたのは凄く嬉しかったですね。
自粛期間中、閉塞感を感じる方も多かったと思いますが、柴田さんの場合はメンタル面での影響ってありました?メンタルをどう保っていたのかなと。
そういうことで言えば、感情が無だったような気がしますね。世界中に新型コロナが蔓延し始めてどんどん身動きがし辛い状況になってきたでしょ。コロナで人が亡くなっているという報道に気持ちが引っ張られたり、有名人が亡くなったニュースで気分も落ちたりしたこともありましたから。コロナ云々ではないんですけど、一番ダイレクトに響いたのは私の好きな俳優さんの訃報でした。曲を作り終えてアレンジをお願いしている間、しばらく待っている時間が何日かあるんですけど、そんな中、訃報を知って…。同時期に私生活でもいろいろあったから、それらが綯い交ぜになって、自分の心がどんどんと冷たく沈黙していくような状態に陥っちゃったんですよね。単に落ち込むとかじゃなくて、苦しかったんだけど…。心の中は至って冷静だったんですよね。それが今思い返すと、自分が怖ろしいくらいです。
そんな状態からどう脱却したんですか?
ひとつはツイキャスのラジオ配信でした。曲作りしていた時から始めてて、制作期間中も続けていたので、感情が冷たくなっていく中でも誰かと繋がっているっていう…気持ち的にひとりじゃないんだって思えて、それで何回か乗り越えたこともありました。その後、規制も弱まってようやく人に逢えるわけじゃないですか。改めて人に逢うだけでこんなにもパワーを貰うんだなって凄く実感しましたね。
毎回、歌入れの際に作詞をする柴田さんですけど、そんな状態を経験していたわけですから歌詞もいつもとは違う感覚での創作だったんじゃないですか?
正直、苦戦しました。自分の感情がなかったから書きたいものがなかったんですよ。いや…欲がなくなっていたというか、物欲もないし、自分の中に夢とか希望とかもないし。なんていうのかしら…悟りの境地?…そんな感じでした。
悟りの境地ですか。
はい。随分前に煩悩を外していくというか、欲を捨てていくってことは、より仏に近づいていくっていうのが仏教の教えだと訊いたことがあったんですね。それを想い出しながら、人って何も欲しいものがない、夢も希望もなかったら、何が残るんだろ?と考えている時に歌詞を書かないといけなかったから、実はあまりよくわからず書いていたところもあったんですよ。だから意味がわからないというよりは、意味がないっていうか(笑)。それでも全部聴き終わった後には1枚を通して感じてくる柴田淳の心模様を感じ取って、リスナーの皆さんも泣けるんじゃないかなと。
確かにラスト曲の「エンディング」を聴き終わったあと、うるっとしました。
ありがとうございます。実は私自身もラストのこの曲で泣いちゃったんですよ。こんなに明るいフィナーレを迎えるのに。先程も言いましたけど、聴き終わった後に全体から滲み出てくるものがメッセージなんだと思います。そういう作品は今までの私のアルバムにはなかったですね。全曲が一心同体、全部で1曲。そんな感じですから。
アルバム・タイトルの『蓮の花がひらく時』はさっき話されていた“悟りの境地”と何か関連するんですか?蓮の花って仏の悟りを表象するものだったりするから。
その流れだけでタイトルをつけたわけじゃないんですよ。いろいろなことが重なってこのタイトルになったという感じなんですけど。大昔に占い師さんに「あなたは“蓮”です」と言われたこともあって(笑)。
ほぅ…“蓮”ですか(笑)。
なぜ、“蓮”なのかはわかりませんが(笑)。おっしゃる通り、“蓮の花” って、仏様の…あの世の花だったりするじゃないですか。蓮の花がひらく、あの世がひらくってイメージした時に今回、メンタル的に際どかったから、“蓮の花”というワードが自分のアンテナに引っかかったんだと思うんですね。そこから“蓮の花”の特性を知っていくと、興味深くて。実際の“蓮の花”がひらく時って何かが起こるんですけど、知ってます?
確か“蓮の花”って早朝に咲き始めてお昼頃には閉じてしまうから、短い時間しか楽しめないんですよね…。で、咲き始める時に何が起こるか…。
花が咲く時に音がするんですよ。
“ポン!”って。
そうなんですよ。“蓮の花”が咲く時に音が鳴るなんて凄く神秘的ですよね。しかもあんなに綺麗な花なのに泥から生まれる。沈殿した泥の上に澄んだ綺麗な水。そこに浮かぶように、更には天に届かんばかりに首を伸ばして美しい花を咲かせているんですよね。
清浄な環境じゃないと育たない花ですよね。
はい。その構造が“あの世の花”とされているのかなって。そういう、綺麗な水じゃないと咲かない、だけど泥から生まれているというのが自分と重なったんですね。心が冷たく沈黙している時の私は、とても冷静である意味清らかで、まるで泥の上の澄んだ水みたいで、でもその下には泥が沈んでて、私はその泥から生えてる蓮のようって。そういう泥の中にいても綺麗な花を咲かせたいなと。どうして“あの世の花”なのかはわからないけど、自分が何となく際どいところにいたから感銘を受けたんですよね。その関連で花が咲く時に音が鳴るって知った時に「えっーー!!!!」って思っちゃって。音か…私も今、音に携わる仕事をしているし。それに占い師の先生に“蓮”って言われたし(笑)。だから、そういうことがいろいろ重なってこのタイトルにしました。
メンタル面でいろいろあったにせよ、今作によって“退屈していた柴田淳”から解放されたと思います。デビュー20周年に向けてのロードが始まった今、次なる柴田淳が楽しみですね。
はい、楽しみです。今回つくづく人間は目標が必要なんだなって思いました(笑)。やりたいことがないと人は生きられないんだなと思って。途中いろいろありましたけど、今作を作る上でいろいろな案を出してもらって、新しい“しばじゅん”を自分でも楽しんでやっていたところもあるから、“あー、楽しかった!”という感じ。あとはリスナーの皆さんがどういう反応をしてくださるのか、今はそれが楽しみなんですよね。
柴田淳 Billboard Live 2021
2021/2/3(水) |
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2021/2/10(水) |
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2021/2/13(土) |
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- チケット
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サービスエリア / ¥7,800-
カジュアルエリア / ¥6,800-(1ドリンク付き)
- 発売日
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ファンクラブ先行=11/19(木) 18:00より
Club BBL会員先行=12/17(木)12:00正午より
一般予約受付開始=12/24(木)12:00正午より
- Member
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柴田淳(vo)
森俊之(key,p)
松原秀樹(b)
石成正人(g)
江口信夫(ds)
今作は、これほどまでリスナーに自信を持って勧められるのは初めて!と言いたくなるほど、自信作になりました。
歌詞は意味深な想いが詰まっているのですが、とにかく楽しいのです。
松浦晃久氏、森俊之氏と、柴田淳の世界を熟知したプロデューサーとの新たな試みに加え、今回初共演となった冨田恵一氏、山本隆二氏とのコラボレーションなど大きな聞き所が満載で、新しい柴田淳を本気で楽しめると思います。
そして創作中、私には感情が無かったような気がします。今年に入ってすぐ丸裸な感情で創作活動に入った矢先にコロナ、そして大好きな俳優さんの訃報など、ありとあらゆる方面から丸裸な心は影響をダイレクトに受け、やがて冷たく沈黙していきました。そんな中で一体どんな作品になるのか予想もつきませんでしたが、こんなにお気に入りの作品になるとは自分でも驚きです。
柴田淳何より、最後泣いてしまうんです。とっても明るくフィナーレを迎えるのに。
心が無くなってしまったような私だったから、いつも以上に分かりづらい歌詞かもしれません。ですが、そんな歌詞全体を通してあの時の私が見えてくるんです。
具体的な言葉でなくアルバム一枚から滲み出てくる私自身を、どうぞ感じて頂けたら嬉しいです。