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discography

VICL-35811


3rd single
Believer
2005.5.21 out
¥1,260(tax in) / VICL-35811
Vemall

track list
01. Believer
02. nude
03. I'm Floating

Real Playerで試聴できます。

結局「2001年宇宙の旅」なんてままならないまま、希薄な対人関係と形骸化したロック・フォーマットをデフォルトとして迎えた2005年。
"Believer" はそんな世界をまだ信じてみようって気にさせてくれる、懐疑的な僕らのリアルなロック・アンセム。
例えそれが間違いであっても大した問題じゃない。
言葉じゃどうにも出来ない時、世界の果てで僕らは泣きながら踊って夢を見るんだ。

クボタマサヒコ(BEAT CRUSADERS, kuh, avanti)


最新シングル“Believer”で初めてsportsと出会った方は、あら、砂糖菓子みたいなシュガー・ヴォーカルが可愛い、ノリノリのディスコ・バンドなのね、ステキ!
なんて勘違いされるかもしれない。「ヴォーカルが可愛い」のと「ステキ!」なのは間違いないけれど、少なくともsportsは脳天気なディスコ・バンドではない。
だってよく聴いてみて下さい。これ、ちょっと明るすぎません? 無理やりの躁状態に聞こえません? そこが変に陶然とさせて、でも悲しくさせません? 
“Believer”からは、本来的には悩める人が「僕だって信じたいんだ」と束の間の夢の世界に浸ろうとするときのささやかな悦びが聞こえてくる。ぼさぼさ頭に童顔、オーバーサイズ気味のカーディガン、挙動不審。sportsの音楽司令塔=伊藤寛之はまるでサリンジャーの短編「テディ」に出てくる主人公がそのまま大きくなったような青年だ。だが世界の混沌を読み解いてみせる早熟な少年テディとは違って、伊藤の頭の中は混沌と混乱だらけだ。つながりたいけどつながれない。大胆だけど小心。繊細だけど時々鈍い。デビュー・アルバム『Funny!!』に込められていたのは、そんな天の邪鬼な伊藤が抱えた曖昧な憂鬱、そしてその向こうにほのかに見える希望と再生の灯火といった、ネガポジが漠然と錯綜する心象風景だった。その多くは伊藤が偏愛する、過去20年間のUKロックが獲得してきたロック的表現だけれど、伊藤はそれを日本的情緒を通過せずに、クールに、また、何とも心地のよい、甘い憂鬱のサウンドに再定義してみせた。sportsのサウンドは冷たそうでいて本当に優しい。 ポジティヴに生きろと促す世間に疲れて、心の小部屋で誰かとひっそりとつながりたい、そんな人のためにsportsはある。

1.Believer
これ、本当にsports?と耳を疑うほど最高に陽性でキャッチーでキュートなディスコ・サイケデリア。 伊藤寛之の舌足らずなシュガー・ヴォイスがフレンチ・ガール・ポップばりの悩殺力を放つ。ひ弱に見えるSPORTSに潜んだ、実はたくましい将来性を予感させる快作。

2.nude
M1とは一変してsportsが本性を発揮した「憂鬱ロック」。さざ波のように畳みかけられる、もの悲しいギター・リフ&メロが心の泣きツボを丁寧に押してゆく。漠然とした「憂鬱」のループの濁流に巻き込まれる快楽をSPORTSは本当によく知っている。

3.I'm Floating
デヴィッド・ボウイの“スペース・オディティ”のsports版のよう。目を閉じれば、真っ暗な宇宙を箱船で漂う浮遊感を味わえる。下降しているのか、上昇しているのか、それさえもわからないまま、宇宙旅行は永遠に続く。

BRIDGE 鈴木あかね