作品詳細

同じ月を見てた

2004.12.08

12cmシングル / VICL-35734

¥1,000+税

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とっておきのラブソング

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“同じ月を見てた”はラヴソングだ。しかも、ただ恋焦がれている胸の内を届けようとする種類のものでも、お互いに気持ちが通い合うことの喜びを歌っているわけでもない。だけど、GOING UNDER GROUNDから〈君〉へ、〈君〉からまた大切な誰かへと、その想いで冬の夜空を渡り合うためのラヴソングだ。
 冒頭からベース・ラインが暗闇をくぐるように駆け抜けている。お互いの音が鳴り響くのを確かめるように、丁寧に5人それぞれが音を重ねていく。“同じ月を見てた”は、どこか幻想的でありながらシリアスな雰囲気を漂わせるミディアム・ナンバーである。ずいぶんと柔らかく、そして強くなった松本素生の声で歌われる言葉たちは、生きていくことの重みと、そこに寄り添う〈君〉の存在を描いている。もしかしたら、それだけだったなら、この曲は幻想的かつシリアスである必要はなかったかもしれない。だけど今作は――その〈君〉とは重ならない夢という道の上で、だからこそ肩を寄せ合った不安の中で、同じ月を見上げるシーンが描かれている。生きていくことは複雑だ。〈君〉だけじゃない、〈夢〉だけでもない。大切にしたいのはきっといくつもあって、全ては抱えきれないけれど、GOING UNDER GROUNDは今作でひとつ、間違いなく言えることをしっかりと放つ。〈君〉がいてくれるから、きっと強くなれるんだということを。だからどんな距離をも越える幻想的な音世界で、海底をくぐり通じるような慎重なビートで、これまでよりシリアスな印象をもって鳴らされているんだろう。
メジャー・デビューから3年が過ぎ、彼らを取り巻く世界は格段に大きくなった。歌が届いていく距離を感じ取り、音を鳴らす意味をしっかりと携えて、彼らはまた新しい歌を届けようとしている。それは生命力をビートに託し〈生きるってことを知りました〉とはっきり歌ったアルバム「ハートビート」の先に待ち構えていたものだ。
「サンキュー」と今作「同じ月を見てた」の流れでは、人と人との繋がりの中で生きて恋をする躍動感や切なさだけでは語りつくせないものに触れようとしているのがわかる。
カップリング“サムネイル”は河野丈洋(D)のソングライティングによるもの。彼は「ハートビート」の中でも“かいき”やライヴのオープニング用SEのトラックなど、幻想的な世界を音像化しながらGOINGの“もうひとつの王道”をしっかりと作ってきた。今作では爽やかなギター・サウンドに乗せて綴られた歌詞にも、特に注目してもらいたい。〈笑えた顔も晴れた心も なくてもいいんだよ/歌がそっと訪ねたら それをつかんで〉と、まるで今の5人が向かう先を解説するように、太い芯のあるメッセージを真ん中に添えている。“同じ月を見てた”と“サムネイル”はお互いが主張し、照らしあうような2曲だ。多くの人の心に、答えのない不安に、ぴったりと寄り添うだろう。じっくりと耳を澄ませて欲しい。

上野三樹

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