柴田 淳

紅蓮の月

2006.07.26
シングル / VICL-36100
¥1,210(税込)
Victor

東海テレビ・フジテレビ系全国ネット連続ドラマ「美しい罠」主題歌
*7月3日スタート、月~金、13:30~14:00

  1. 01

    紅蓮の月

  2. 02

    後ろ姿

紅蓮の月が照らすとき、心の声が目を覚ます


 月は何かを思わせてくれるものだけど、見ているとしだいに感情が高まってくるのを感じたりする。ましてやそれが血の色のような赤い月だったりすると、その高ぶりは、身震いするほどの怖さに変わっていく…。
 燃え上がるような真紅の月。人を惑わし、心を乱す。柴田淳の新曲「紅蓮の月」は、そんな赤い月の魔力と、愛を信じず、自分を隠し偽って強く生きていこうとする女性の複雑な心情を重ね合わせた叙情的なバラードだ。凛とした美しさの中に深い情感が込められたこの曲を、物憂げな表情で歌う彼女のヴォーカルが心に刺さる。
 今作は、お昼の東海テレビ・フジテレビ系全国ネット連続ドラマ「美しい罠」主題歌として書き下ろした曲。偏執的で屈折した主人公の濃密な心模様と、「紅蓮の月」というタイトルから感じさせる、狂おしいまでの激しさがあいまって、番組の濃厚さを予感させている。
「私も本心をどこかに押し込んで生きているところがあるから、本当はこうしたいけど、できないっていう女性は実は多いと思う。耳を塞いでも聴こえてくる心の声に苦悶する、そんな女性を描いてみました」
 彼女が同枠の主題歌を歌うのは「危険な関係」の「幻」から2年連続で、03年に放映したTBS系ドラマ「愛の110 番」の「夢」を合わせると、昼ドラ主題歌は3作目となる。昼帯の時間帯で彼女の歌が多用されるのも、心の闇を隠さずに、そこにある濃やかな感情をリアルに代弁しているからだろう。


 柴田淳のことを"隣のしばじゅん"と呼んだのは5年前。そんなキャッチを勝手につけてしまったのは、デビュー間もない彼女が、とてもフレンドリーな女性だったということと、何よりも彼女の歌に共感できたからだ。嘘偽りのないありのままの心が織り込まれた"しばじゅん"の歌には、リスナーにとっても本来の自分を知る手掛かりがたくさん散りばめられていたのだ。
 あれから5年。そんな彼女に対する印象は今でも全く変わっていないけれど、歌の表情は驚くほど深さを増している。それは音楽的にも人間的にも経験値が高まったからにほかならない。時には憂いを持って、時には毒を放って、心の暗部にある、ただならぬ感情の綾を露悪的なまでに歌い綴っている姿を見るにつけ、"しばじゅんワールド"の大いなる熟成を感じずにはいられない。
「人があまり触れたくない感情を暴いて、描いていくことに面白さを感じてます。それによって聴き手がギクリとしてくれたら、本当に嬉しい(笑)」
 そんな風に言う彼女に、女性としての本質的な頼もしさを見た気がする。
 どうやら、この先も柴田淳の歌に綺麗ごとは必要ないようだ。


2006年6月  大畑 幸子

関連シリーズ

SHARE マイアーティスト
メール登録

DISCOGRAPHY ディスコグラフィー

NEWS ニュース

VIDEO ビデオ